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カテゴリー「スキー」の23件の記事

2016年3月 4日 (金)

FL585仕立てのロシニョール

1月27日のブログ記事で紹介したロシニョールのELITE LT Ti (176cm)に、思い切ってオガサカのFL585プレートを取り付けてみました。
TPX(FRUID)プレートだとどうしても角付けした際にパワーロスがあり、より足場を作れるセッティングにしたかったからです。
来シーズンからこの板は日本でも市販されます。
しかし、姉妹機のELITE ST TiにはR21 RACINGプレート板がありますが(日本のデモαもそう)、ロングターン用のこの板にはそのバージョンがありません。
なので、仕方なくといったところです。それ以上に、プレートを変えたらどんな乗り味に変化するのだろうという好奇心が勝りました。
TPXプレートはトゥピース固定で、ヒールピースがスライドするような構造になっています。板にプレートを固定する最後方のビス穴だけに可動域が設けられているのです。
オガサカのFM600プレートも先端のねじ穴2個が固定で、それ以外のねじ穴には可動域が設けられています。
この場合、板後半のしなりが出やすく、テールコントロールのしやすい挙動が得られます。
一方、ロシニョールのR20/R21系のプレートはセンター固定で、トップ側とテール側のビス穴に可動域が設けられています。
これが一番自然な感覚でたわむので好きなのですが、オガサカのFL585も下の写真のようにセンターからやや後方のビス穴だけが固定で、あとは稼働するようになっているので、似たような感覚が得られると思います。
ちなみに来期のアトミックのプレートも、このオガサカに似たような構造になります。

Starcustom_fl585

さて、問題はTPXプレートのねじ穴とFL585のねじ穴が干渉しないかですが、FL585を8mmほど後ろへずらすことで問題なく取り付けられました。
その上で、ビンディングをきちんと板のセンターに合わせて取り付けました。
(もちろん、これらの作業は全てプロショップにお願いしています。)
TPXプレートの質量ですが、295gでした(付属のネジ等を含めると325g)。

Img_2584

チロリアのPRD12/11のベース部と同じような重さです。
でも、分解してみると、意外とちゃちい作りです。
サイズ調整がワンタッチできるこの手のプレートでは、マーカーのXCELL 12 DEMO SYSTEMが最も優秀ですね。
プレートの幅がどれよりワイドですし、遊びが少ないです。
ちなみに、マーカーのこれは質量1460g(一部カタログ記載の数値には誤りがあります)、ロシのTPXプレート+AXIAL3 120 TPI2の組み合わせだと1560gとなり、若干ロシの方が重いのですが、安定感はマーカーの方が15~20%ほど上だと個人的には感じています。
ところで、ひとつだけ計算外だったのは、チロリアのLX12(1000g)を付けての板の総重量が3370gと、最初の状態のそれより40g軽くなってしまったこと。
できれば同じか、100gほど重くしたかったのですが・・・
やっぱり、LOOKのSPX12 DUAL B90(1105g)にすればよかったかなあ。
でも、1万円高くなってしまうので迷うところではあるけれど。
さて、本日FL585仕様のELITE LT Tiを使ってみました。
ざらめっぽいけど、そこそこ締まった滑りやすいバーン。斜度は20-26度くらいのコース。
なんだか滑走感が、先日胎内スキー場で行われたICI石井スポーツ主催の来期モデル試乗会で乗ったオガサカによく似た乗り味になってしまいました(^_^;)
R20/R21プレートに比べると、足下の板のたわみはあまり感じられません。
ただ、TPXプレート版と比べると、トップが使いやすくなったという感覚はあります。
プレートの構造に起因するものです。
トーションは確実に上がり、そこは狙い通り。
TPXプレート板が半円型にたわむとすれば、FL585版は船底型にたわむというイメージ。
履いたわけではありませんが、R21プレートを付けるとその中間のフレックスパターンになると思います。
そんなこんなで小回りは今までよりやや大きめのターン弧になりますが、ロングターンでの安定感は10~15%ほど増しました。

Img_2583

まあ、こんなものでしょう。
特に感激するほどの乗り味に変わったわけではないのですが、プレートを変えると確かに板の挙動が違ってくるということを実感できただけで満足です。
FL585は可動域のネジ穴の構造は至ってシンプルですが、ロシニョールのそれは複雑な構造をしています。
ロシニョールのプレートの方がより滑らかに、可動する場合は可動するのだと容易に想像できます。
来期はサロモンやヘッドなど、幾つかのメーカーで一般上級者・エキスパート用の板のプレートがフルモデルチェンジされますね。
まだ構造の詳細は知らないのですが、写真で見る限りではヘッドのそれが良さそうに思います。

2016年2月27日 (土)

16-17 MODEL SKI 試乗会(at 胎内)の感想

本日、胎内スキー場で行われた試乗会(石井スポーツ主催)に参加してきました。
ザブ雪でない条件で試乗できたのは、本当に久しぶり。
10時すぎまではバーンの荒れも少なく、板の挙動がよくわかりました。
0930から1230まで、ノンストップで計10本の板に載りました。
以下はその防備録です。(乗った順に書きます。写真はありません。)

(1)DYNASTAR SPEED ZONE 16 Ti (168cm)
今期インターナショナルモデルで販売されているOMEGRASS PRO R21 RACINGの継続モデルです。来期のそれは、サイドウォールにチタンシートが挿入され、トーションが強化されている点が異なります(ただ、ブラインドテストで乗ればその違いはわからないと想像します)。
日本でもFRUIDプレート板は今期販売されているのですが、R21プレート版は未発売。
ようやくR21プレート板のこの機種が日本でも発売されるとあり、試乗を最も楽しみにしていたモデル。
この板の工場出荷時のエッジ角は88/0.5なのですが、そのままの状態だったと思います。つまり、ベースエッジのビベルが0.5。
そのせいかエッジが食い込みすぎ、スキーをさせてもらえませんでした(横滑りがスムーズにできなかったくらい)。
なので、評価は保留。
ただ、板の挙動はロシのデモαと限りなく同じ感覚なので、ビベルさえ適切に付いていればいい感じで滑走できたものと考えています。
手であおった感じでは、わずかにデモαよりこっちの方が返りがクイックのような気がしました。
質量は、カタログから計算すると、SPX12付きの場合で3310g(168cm)。
SPX15相当のAXIAL3 150が付いているデモαにAXIAL3 120を付けると3315gとなるので、まあ性能はほぼ同じだと言えるでしょう。
(サイドカーブはディナスターが121-67-105、ロシが122-68-104と異なるので、同じ板ではありません。味付けは似通っていますが、設計は別です。)
尚、167のデモαと168のこの板の長さを比べてみたところ、やはりというか、全く同じでした(実寸165.5くらい。ちなみに市販の165のSL板の実寸はほとんどが164.5です。)
同じ金型を使っているはずのデモαソフトとデモβが、前者は167後者は166になっていたりとか、FIS SL板のサイドカーブがトップ幅120だったり119だったりとか、最近のロシニョール&ディナスターの板のサイズ表記はおかしな点が多いので、こういった数値的な管理はきちんとして欲しいものです。

(2)FISCHER RC4 The CURV (178cm)
ディメンションは120-74-104, R18。
ぼくがおととしから乗っているディナスターのCR74 PRO(124-74-106)という、R20プレート付きの板と同じコンセプトの板と思われます。
新型のプレートは高さはかなり低いものの、アルミ製なのでトーションがかなり強くなります。VISTプレートを彷彿とさせる外観です。
板の表面にもクロス状にカーボンが張り巡らされており、トーションを上げるのに一役買っているそうです。
カタログを見ると、板とプレートの合計が2500gとあるので、かなり重量感はあります。
しかしながら手にとってあおってみると、決して硬くはありません。
粘りがあり、好きなタイプのフレックス。期待が高まります。
ところがところが・・・
この板に関してはこないだ軽井沢の試乗会で使ったばかりで、ビベルも1度付いているとメーカーの担当者の方はおっしゃっていましたが、それでもよほど板のトーションが上記の理由で強いのか、エッジグリップ過多でした。
あと、チューンの問題か、グリップ感が左右均一ではなかったのでいい感触はありませんでした。
オガサカのGRプレート、ロシニョールのR21 WCプレートなど、アルミがインサートされたプレートは、一般ゲレンデでは必要ないとつくづく思いました。
スパルタンな板なので、基本的にはアスリート向きだと思います。

(3)SALOMON X-RACE SW + Z12 Speed (165cm)
X-RACEシリーズはベースのプレートの高さが低くなったので、ある程度軽量化されたようです。ビンディングの質量は変更ありませんが、手に取ってみたら特に重く感じなかったので試乗してみました。
手であおった感じではフレックスも程よく、サンドイッチ構造になったことに起因する返りの質感も好感触。
ところが、この板もまとも滑れませんでした。やはりビベル角は0.5なのかな?
この日乗った中で一番エッジがかみ(横滑りさえ不可能)、肝心の小回りの性能を確かめることができませんでした。
きちんとチューンナップされた板で、もう一度乗ってみたいです。

(4)NORDICA SPITFIRE PRO (168cm)
ディメンションは122-70-102, R15。
フルモデルチェンジですね、スペックから判断すると。
好みのサイドカーブだったし、フレックス感も適度だったので乗ってみました。
スペック的にはオールラウンド用に良さそうです。
しかしながら、テール側が食い込みすぎる嫌いがあり、ターン後半まっすぐ走りやすい。
もう少しテールのしなりが出やすくなればターン弧の自在性が増すと思うのですが、イマイチぎくしゃくした操作性です。
この板も、工場出荷時のままでは?
試乗会シーズン早期に開催される試乗会では、工場出荷時のまま持ち込まれる板が圧倒的に多いのが残念。
きちんとチューンナップされた板だったら、乗り味は変わるかもしれません。
基本的にはドライ系の乗り味。しっとり感は希薄でした。

(5)VOLKL PLATINUM SW (173cm)
昨年苗場の試乗会で初めてSWの166cmに乗りましたが、ザブ雪で性能がわからずじまい。
サイズ的にもより興味のある173でトライしましたが、イマイチ安定感に欠ける乗り味。
幅広でそこそこ重量感もあるのですが、それが安心感につながっていません。
なんていうか、つかみどころのない乗り味。
やはりテール側にもロッカーが入っていることがマイナスに作用しているのでしょう。
ただ、板の挙動はわかりやすく、リフト1本目から性能を引き出して乗ることは可能かと。
オールラウンド機として、よく言えば中庸のモデルと言えると思います。

(6)OGASAKA TC-SH (165cm)
試乗会でオガサカの板は滅多に履きません。
なのでその年ごとの同社の傾向は細かく把握していないのですが、他社に比べるとグリップ力に欠けると思います。
プレートがしっかりしているので足場は作れます。そのことによる安定感はあるのですが、
あとで述べるKS-LSに比べ、中~大回りでの高速安定性は、長さが5cm短いことを考慮してもかなり劣りました。
エッジが食い込みすぎる板(横滑りがまともにできない板)よりはマシですが、もう少し板のトーションはあった方がいいと思います。
また、この板のサイドカーブのバランス、つまりトップ幅からテール幅を引いたときの数値は13になりますが、ここ数年そのバランスは世界的に見ると、15前後から18前後へとどんどん高まってきています。
つまり、一昔前のサイドカーブのバランス。
そういった先入観なくしても、トップ側の幅は2~3mmワイドな方が、或いはテール幅が2mmくらい狭い方がオートマチック性が増すのにな、と感じました。
スキーセンターの位置も今期のそれより中央にやや移動させたとのことですが、個人的には従来の位置~やや後ろ目~の方が好みです。

(7)FISCHER Progressor F19 Ti (170cm)
この機種を履くのは初めて。今期のものよりやや軽量化されたそうですが、張りのあるフレックス感は変わりません。
フレックスにあまり粘りがないので、ちょっとじゃじゃ馬的なところがあります。
足下の安定性がもう少し欲しいところ。
ビンディングやプレートは軽ければいいというものではなく、ある程度の重量があった方がいい意味での安定感に結びつくこともあります。
例えば、この板のプレートの重量があと150~200g重かったら、操作性がかなり改善されるのではないでしょうか。

(8)ROSSIGNOL デモαソフト (167cm)
来期はコスメ以外の変更点はない模様。
(厳密に言えば、FRUID Xプレートを板に固定しているビス穴の間隔が横に広くなり、縦に狭くなるなどのマイナーチェンジが施されていますが。)
この時点で、この日履いた中で一番ツボにはまった板となりました。
やや足下が軽い点を除けば、欠点が見つかりません。
ここで、プレートの話。
アルミがインサートされているR21 WC(FISモデルやGS MASTERなどに搭載)に比べると、R21 RACINGの方はトーションがかなりマイルドになります(プレート単品の質量も、WCに比べると約80g軽量)。
質量もTPXやFRUIDプレート仕様に比べて約50~60g重いだけですし、見た目が重厚だからと言って(硬質樹脂製です、アルミではありません)身構える必要はありません。
テクニカルレベル以上の人には、デモαソフトよりデモαをお勧めします。
足下の接雪感やグリップ力が全然違います。
各社のレーシングプレートの中では、R21 RACINGプレートはかなりやさしい部類に入るのではないでしょうか。
ただし、デモαは重いビンディング・AXIAL3 150(1425g)が付けられているので、重量感があります。石井のGIEGERの数値によると、167で3480g。
軽快さを求める場合や、コブでもお使いになる方はDIN3.5-12までの、AXIAL3 120(1260g)ビンディングを組み合わせるといいです。165g軽くなります。
展示会での予約購入でないと、その組み合わせは買えませんが。
またその場合は、最初からAXIAL3 120相当のSPX12ビンディングが付いているディナスターのSpeed Zone 16 Tiにするという手もあります。
個人的には、167cmを使う場合はAXIAL3 150を、172cmでオールラウンドに使う場合はAXIAL3 120を付けたいと思います。

(9)OGASAKA KS-LS (170cm)
ディメンションは119-70-98, R16。
トップ幅からテール幅を引いた数値が20となり、オガサカ史上最も高い数値になるのがこの板。
今期のKS-RVが18でしたが、1年でこの数値を更新する板が現れました。
乗り味は全然異なるけど、ロシのデモαや後述のフォルクルGDと並び、この日最も気に入った板のひとつです。
グリップ力不足は相変わらずですが、ズレ方がトップからテールまで均一なのでコントロールしやすいです。
FL585プレートの安定感頼みというところはありますが、板の挙動は過去試乗してきた同社の板の中では最もクセがないように感じられました。サイドカーブの前後バランスが自分好みというせいもありますが。
高速安定性も申し分なく、オールラウンドモデルとして死角がありません。
ツインキール構造独特のレスポンスの良さも印象的でした。

(10)VOLKL PLATINUM GD (175cm)
昨シーズン、インターナショナル版ですが、同じサイズのこの板を所有していました。
バーンの荒れがピークにさしかかった頃に乗りましたが、全く不安感を覚えることなく自在にターン弧を刻むことができました。やっぱりこの板、いいわあ。
先のオガサカKS-LSとはまた違った乗り味。
グリップ力の精緻さでは、他の板の追随を許しません。
雪面との力のやりとりが緻密にできます。
これとよく似たタイプのグリップ感を有する板はストックリーでしょうか。
今期のものよりプレート部が若干軽量化が図られたとのことですが、高速安定性はスポイルされていません。
先のオガサカは板が常にずれを伴うので、キレ感のある深回りはしにくいのですが、こちらはどんなターンサイズもフルカービングでいけます。
つまり、より細いシュプールを刻むことができるということです。
また、この日の正午(とっくに雪は腐っている)に乗ったにも関わらず、この日乗った板の中で一番滑走性が良かったです。
他社の板のソールにどのような素材が使われているのかは不明ですが、フォルクルのトップ機種にはP-TEX4500が採用されているとカタログに明記されています。
この性能によるものなのか、はたまたストラクチャーの深さが適切だったからなのか、原因はわかりませんが。ちょっとこれはオドロキでした。
昨年苗場の試乗会でも、そういえば同じ経験をしましたっけ。
高温のため早くにザブ雪になったあの試乗会で、しかも正午前に履いたにも関わらず異常に走る板に遭遇しました。
ストックリーのLASER SLです。
う~ん、やっぱりストラクチャーのパターンと深さの組み合わせによるものなのでしょうか?
エッジの細さも関係しているのかもしれません。

※番外編
この日持って行った自分の板(DYNASTAR CR74 PRO 172cm, 124-74-106, R15, 2013-14モデル)を、試乗会の前後に乗りました。
(下の写真は2015-16モデル)

Dynastar

この板のFRUIDプレート板は昨年まで日本でも販売されていましたが、メーカーでは全然メディアに露出させていないため(もちろん試乗会でもお目にかかることはできず)、ゲレンデで見かけることはまずないと思います。
ぼくの板はR20プレートの付いたインターナショナルモデル。
R20/R21プレートには、普通はトゥピースとヒールピースが連結されたタイプのビンディングがセット販売されることが多いです。
しかしながら、ぼくの板や、今期のロシニョール・GS MASTERのように、セパレートタイプのビンディングがセット販売されることもあります。
板のしなりはセパレートタイプのそれの方が出やすくなります。
また、重量も当然のことながらセパレートタイプのそれを付けた方が軽くなります。
ぼくのCR74 PRO 172の重量は3.4kg。かなりあります(ヒールピースが旧型なので重い)。
張りもGS MASTERと同じくらいあり、幅広のレーシング板といった風情。
返りも意外とクイックで、硬派な板です。
この日で使用日数が30数日になるこの板、使い慣れているせいもありますが、フォルクルGD同様、操作性と高速安定性が高い次元でバランスしていると思いました。
隠れた名器です。
欲を言えばもう2~3mm全体的にスリムだといいのですが、もう少し現役生活を続けてもらうことにします。

2016年1月27日 (水)

ROSSIGNOL HERO ELITE LT Ti

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この板はスペインのショップから買った昨年モデルのロシニョールのGSサード板です。
正式名称はHERO ELITE LT Ti
日本には輸入されていませんが、小回りベースのスラ板・HERO ELITE ST Ti(デモαソフトの原型となったモデル)の姉妹機で、大回りベースの板となります。
スペックは176cm、115-69-96(R19)、3410g(家にあるデジタル秤での計測)。
おととし使っていた同社のHERO MASTER 180cmが約3500g、昨シーズン使っていたフォルクルのSpeedwall GD 175cmが約3200g。
HERO MASTERは巷ではえらく評判がいいですが、ビンディングがどの板より前寄りに取り付けられており、板の後ろの方を引きずるような感触がつきまといます。
かつ、アルミ入りのR20WCプレートのせいで足下のグリップが強すぎて、ぼく的にはバランスがいいとは思えませんでした。
なんか一昔前のサロモンの板のようにトップが内へと入りたがるので、中回り以上の回転弧にするには結構慣れが必要。
話は戻ってフォルクルです。
フォルクルのGDも世間の評価が高く、スペック的にもどんぴしゃだったので購入しました。確かにオールラウンド性では文句の付けようのない性能なのだけど、ある程度のスピードになるとたわみが出過ぎて、想定より深く回ってきます。中回りスペシャルといった感じ。
180ならよかったのかもしれませんが、175では色々な意味でちょっと物足りなさを感じた次第。ハイスピードでは、もう少し足下の安定感が欲しい。
で、満を持して買ったのがロシニョールのこの板なのですが、板そのものが非常にがっしりしており、フレックスはHERO MASTERより気持ち張りがあるくらいです。
しかしながらTPXプレートのおかげで板のたわみが出やすく、スキーセンターもHERO MASTERに比べたら後方に設定されているため、全くストレスを感じることなくリフト1本目から自在に操ることができました。
フォルクルGDよりセンターが肉厚で腰があるためたわみすぎることもなく、高速安定性もHERO MASTERと同等レベル。
過去12~3年間、いろいろなGSセカンド板を履いてきましたが、間違いなくNo.1です。
今期もコスメの変更もなく継続販売されており、しかしながら昨年モデルということで安く入手できました。
こんな素晴らしい板があるのに、なぜ日本の代理店は輸入しないのか不思議でなりません。この上には183cmのサイズもあり、そちらならFISルールの縛りのない草レースや草ギセンで使えることでしょう。
ロシニョールは3年サイクルでモデルチェンジを行うので、おそらく来年も継続販売されるのではないでしょうか。
この下には170cmがあり、そいつもオールラウンド用に欲しいところ。
HERO ELITE ST Tiも172cmをラインナップしており、こちらは日本でも販売されていますが(ただし、ビンディングはAXIALではなく、100g軽量なAXIUMの方)、サイドカーブ的にはR17のLT Tiの方に惹かれます。
来期は日本でも販売されるといいなあ。
ちなみに、ディナスターでも今期ほぼ同スペックのCOURSE PRO R21 (177cm, 114-69-95, R19)がフルモデルチェンジして販売されましたが、こちらはくだんのスペインのショップ、SNOWINNで取り扱いがなかったので、やむなくロシニョールのELITE LT Tiを買った経緯があります。
なぜかロシニョール/ディナスターの日本の代理店は小回り系にばかり力を入れ、実は需要があるはずの大回り系エキスパートモデルを販売していません。
フォルクルやフィッシャーなど他社はその点先見の明があり、ちゃんとそのクラスのモデルを販売しており、特にフォルクルはセールス的にも大成功を収めているのに・・・
ちなみにこのお店(SNOWINN)は、総合スポーツショップで、各種アウトドア用品やスポーツウェアを取り扱っています。
価格も安く、ここ数年で日本のユーザーの間にも知名度が拡がってきたようです。
かつてはサロモンやアトミックの取り扱いもあったのですが、数年前からなくなりました。
スキー板で言えば、HEAD,FISHER,ELAN,VOLKL,ROSSIGNOL,DYNASTAR,K2,BLIZZARDなどがメイン。
それらのブランドを探している人には、いい選択肢だと思います。
多くのメーカーはジャパンモデルと称して、コスメだけを変えて販売している機種がありますが、オリジナルのモデルの方がデザインが秀逸であることも多いです。
スキーウェアに至っては取り扱いブランド数も多く、Webを見ているとよだれが出てきそう(^^;)
日本では入手が難しいブランドも多いです。

※2016/02/13追記: なんと、タナベスポーツさんで販売されていることを発見しました。
価格は64,800円。安い!ぼくが買った金額より安いです。ちょっと悔しいかも。
サイズも揃っています。
来期は日本でも販売されますが、定価が13万円台なので、いかにタナベスポーツさんの価格がお買い得であることか。
基礎用ニューモデルの欄にラインナップされているのですが、中級者用、女子用ときてその下に出てくるので、気づく人は少ないでしょうね。

2013年5月 3日 (金)

競技スキーの聖地・大原スキー場へ

かねてからの念願である、旧入広瀬村の大原スキー場へ日帰りで行ってきました。
ここは長岡市のヨーデルスポーツ店主・八木下さん率いるチームヨーデルの本拠地で、過去多くのトップレーサーを輩出してきたのです。
この日も、今年の全中で優勝した少年がトレーニングに来ていたらしいのだけど、それはスキー終了後、店に立ち寄って八木下さんと世間話をしているときに知った話なので、そうとしっていればじっくり滑りを見たかった・・・
スキー場のHPにリフトの長さや斜度など具体的な数字がなく、ゲレンデの写真をネットで検索しても、全容がはっきりとわかる写真はほとんどなかった。
なので、一度は実際に足を運んでみなくてはと思っていた次第。

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これがリフトを1本上がったところにある、大原スキー場のメインバーンです。
この日はGW後半初日とあって大勢のレーサーのグループが訪れ、10時過ぎにはなんと計7セットものポールが立ち並びました(この写真は9時35分に撮ったもの)。
コース幅は思っていたよりワイドです。
180cm以上のロングの板で、思い切り横にスペースを取って大回りできます。
しかし斜度はそれほどでなく、胎内スキー場のメインバーン上部と同じくらいか、それより1~2度きついかなという程度。ぼくの地元・ニノックススキー場の尾根コースは終盤に28度の1枚バーンが現れるのですが、そこよりは斜度は緩いです。24~5度くらいかなあ?
しかし、左手奥に見えるコース(次の写真参照)がこのスキー場で最も傾斜のきついところで、今回はポール練習をしていたので入りませんでしたが、手持ちの「全国ゲレンデガイド2002」の記事によると最大斜度27度とあるので、それは多分このコースのことを指すのでしょう。

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26~27度であれば、本当に練習にはもってこいですね。
今シーズンは訳あって営業を休止した、ぼくのホームゲレンデの村上市ぶどうスキー場上部のパノラマゲレンデが最大斜度30度あるのだけど、こうして数字を並べてみると、いかにぶどうスキー場が上級者にとって希有なスキー場であるか、改めて思い知らされます。
営業再開の暁には、ぜひレーシングキャンプを招致して欲しいですね。
大原ほどにはコース幅がないのでポールセットは1セット限定となるだろうけど、新潟から交通も(高速の開通によって)至近となったし、スキー場の強力な集客源となると思うのですが。

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ぶどうスキー場同様、大原スキー場のリフトの数は2本。
1本目のリフト下部の斜度(上の写真)は、まさにぶどうスキー場正面ゲレンデと同じくらいの斜度となっています。落ち込みの長さも同じくらいか。
右手の建物はレストハウス。
中は思ったよりきれいで、ゲレ食が比較的安価に設定されており、それでいて味も量も満足できるレベルだったのにも驚きました。
自販機の価格も、特に割高に設定されていなかったことも好印象。
大原スキー場の唯一の問題は、やはりアクセスの悪さだと感じました。
長岡から栃尾経由で来たのだけど、山道が結構急傾斜で、タイトなカーブの連続。
トップシーズン中はフルタイム四駆車じゃないと無理ですね。
春スキーの時期限定で、今度は平日に来てみたいと思いました。

2013年4月 3日 (水)

目標とする滑り

これは、今期初めてワールドカップスキーのアルペン女子で総合優勝を遂げたティナ・マゼの大回転の映像です。
会場はオーストリアのゼルデン。斜度30度以上の急斜面、もちろんアイスバーンのコンディション。
ここには、スキーのターンにおける運動要素のエッセンスが凝縮されています。
近年、日本の基礎スキー界は、従来バリエーションのひとつにしか過ぎなかった滑りが持ち上げられ、いろいろな意味でおかしな状況が続いていました。
技術戦においても、5年前のビデオと昨年のそれを見比べても、どう進化したのかさっぱりわからない。むしろ、退化している部分もあるのではないか。
ぼく自身、昨シーズンは谷回り系の滑りを主体に練習しましたが、厳密に考えると、どこがハイブリッドなんだかわからなくなるのです。
むしろ、レーサー達のフリースキーイングこそがハイブリッドであり、ラクに早く滑ることができる。雪質や斜面の変化にも対応しやすい。
個人的には今期、アイスバーンに準ずる硬い条件での斜度27~30度の急斜面での滑走に魅せられ、特にアイスバーンが出現する頻度の高い3月以降は、放射冷却の翌朝は逃すことなく滑ってきました。
その仕上げとして今週の月曜火曜と、チャンピオンコース擁する戸隠スキー場で滑ってきました。
特に月曜の朝イチは完全なアイスバーンで、10時半までは全く歯が立たず。
板を横にしないとコントロールができず、悔しい思いをしました。
そんななか、全力で急斜面に飛び込んでいくジュニアレーサーの一団がいました。
上は中学生くらいでしょうか、とても上手い子もいます。板を45度以上横にせず、縦目に滑っているのですから。
共通しているのは、みんな滑りに躍動感があり、速いこと。
これぞスキーです!これぞスポーツです。
見ていて本当に感動しました。
彼らのコーチと思わしき人は、さらに超絶な滑りを披露してくれました(昼飯時に知ったのですが、このコーチは今年の技術戦で9位に入った藤井守之さんでした)。
真に美しいものは、見るものに莫大なエネルギーと勇気を与えてくれます。
10時半過ぎ、アイスバーンがやや緩みかけてきたとき、彼らの滑りから得たインスピレーションを胸に抱いて斜面に飛び込んでいったら、今までにない感覚で斜面をえぐるような滑りをすることができました。
その後は正午までひたすらチャンピオンコースだけを滑ったのですが、滑るたびに身体が新たな感覚を習得していくようで、1時間半の間に劇的に上達しました。
ははあ、こういうことだったのか。
おおむね斜度が25度を超えると、習うよりは慣れろ、まずは実際に滑ってみないことには、どんなに理論的に精通していてもそれは役に立たないのです。
戸隠から帰ってきた翌日、やはり尊敬するワールドカッパー・清澤恵美子さんのブログでティナマゼの滑りを目にすることができました。
これです、これなんです。これが全てです。
これからやらなければならないこと。
こういう滑りを手に入れるには、もっと身体能力を高めていく必要がありますね。
今、スキーが面白くてなりません。




2013年2月28日 (木)

快晴のニノックス

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本日のニノックススキー場は快晴でした。
9時から正午まで、アイスバーン状態の右側のコース(写真)を攻め続けました。
新発田市民でありながら、胎内やわかぶな、ぶどうスキー場に比べると行く回数が圧倒的に少ないニノックス。
それにはわけがあったのです。

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この写真はスキー場上部から見た、三光川源流部。
中学高校時代、ぼくの最大の趣味は渓流釣りでした。
そして、三光川は自分で探し当てた秘密基地だったのです。
この川は加治川水系では最も開放的な渓相をしており、それほど釣れる川ではなかったけれど、大好きな渓流でした。
そこにで~んと作られたのがニノックスです。
今はマシになったけど、当初はソフトハード両面にいろいろ問題を抱えており(これはぼくの一方的な見方ですが)、感情的にかなりネガティヴなイメージを同スキー場に対して持ち続けてきました。
今でも、週末に徴収されるばか高い駐車場料金や、近隣のスキー場に比較して高いリフト代、やかましいBGM(スキー場に一律大音量でBGMを流すのは日本だけです)に反感を覚えることはありますが、このスキー場の斜面はエキスパートスキーヤーにはとっても魅力的であるという事実は認めねばなりません。
今まで毛嫌いしていたのは上記の理由だけでなく、かなり努力してきたにも関わらず、いつも撃沈される自分のスキー技術や体力のなさを直視したくないがために、ニノックスを悪者にしたてあげてきた面もあったのです。心理的に分析すると。
今期の自分は技術的にも体力的にもブレークスルーがあり、戸隠のチャンピオンコースのごとく、胎内やわかぶなでは経験できない、斜度25度以上のハードバーンでの滑走を渇望するようになりました。
そこで、再びニノックスに目を付けたわけです。
この日は、一番最初の写真のコース下部でさえ11時までアイスバーンが続くという難しい条件でしたが、脚力的も余裕を持って攻略することができました。
もちろんワールドカップのレーサーみたいに切れ切れというわけにはいきませんでしたが、暴走することもなく、どの場面でもアクセルのオンオフを切り替えることができ、今期の、今までにない向上を実感したのでした。

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ひとたび、やった!という達成感を味わうと、世界が瞬時にして変わります。
ヨロコビは連鎖を引き起こすのです。
ふと空を見上げると、パラグライダーが空を舞っているのが目に入りました。
どうやら標高925mのスキー場最上部、クワッドリフトを降りたところからテイクオフしている様子。

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一機、また一機とテイクオフし、2~3機が上空を闊歩しています。
見上げると、はるかかなたを飛行機がゆっくりと移動し、クリスタルのごとくきらきら輝く太陽の光のシャワーが一面に降り注いでいます。
10分くらいでしょうか、いや15分?
しばらくパラグライダーと太陽の光のダンスを楽しんだのでした。

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と、ここでスキーネタに戻ります。
本日の相棒です。ロシニョール・デモαのプレート違いバージョンが、この9SLです。
オリジナルはアクシウムビンディングですが、踵へのパワー伝達を増すため、他の板に付いていたアクシャルビンディングに付け替えてあります。
ちなみに、TPXプレートとアクシャルビンディングの組み合わせは、来期のデモαソフトバージョンと同じ構成になります。
ぼくの地元の下越地方ではアイスバーンで滑る機会が少ないので、R18プレートのデモαより、やや足下がソフトでたわみが出やすい9SLにしたのです。
普通の雪質だったら、高速安定性はデモαとなんら変わりはありません。
しかしながら、今日のようなアイスバーンになると、さすがに叩かれる場面が多くなりますね。

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ニノックスのゲレ食にもいいイメージは持っていなかったのですが、少し見方が変わりました。
これは新発田市の郷土メニュー”アスパラグリーンカレー”です。
値段はわずか700円。普通のカレーは800円するんです。100円安く、量もややこちらが多い。
ご飯はぐしゃぐしゃで上手く炊けていなかったし、味もやや薄く、おいしいとは言えません。
だけど、やるじゃないですか。
金曜夜のナイターは23時までやっていたりと、少しずつ変化が感じられる同スキー場。
来年からはもう少し滑りに来ようと思っています。

(カメラ:Canon SX260HS)

2012年3月 5日 (月)

秘蔵っ子

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コンデジを、キャノンのG10からSX260HSに買い換えました。
G10よりセンサーサイズは小さいけれど、画像処理エンジンは新世代のDIGIC5。
G10はすぐに白飛びする画質だったけれど、今度のはそれがかなり改善されているようです。(1枚目の写真参照)
アルツスキー場で磐梯山を撮ってみた限りでは、3年前に同じ構図でG10で撮ったそれと比較して、ほぼ遜色ありません。テレ端(35mm換算500mm)の解像力も充分。

ところで、これはぼくの主力機種・STOCKLI LASER CX 170cm。
今年1月に買い足した板だけど、質感の高さ、エッジや滑走面の仕上げの良さはオガサカを上回っています。おそらく世界一。
足下に伝わってくる情報量の豊富さも、他社のエキスパート用機種の比ではありません。
組み合わせたプレートがこれまた通です(自画自賛)。
VISTの一番価格の安いそれなんですが、剛性感は丁度オガサカのFM600とRC600FLの中間ぐらいでしょうか。RC600FLは530gとマーカーのワールドカップピストンプレートの500gより重く、フレックスがあまり出ない構造になっているので却下。
このVISTプレート、結構幅があるのでアトミックのXビンディング同様、力がダイレクトに伝わり、足下のグリップ力が適度に向上しています。
価格はそれなりに高いけど、オーストリーの主力メーカーの板に比べ、いかに丁寧に作られていることか。
質量も軽めでかなり柔らかめの板だけど、そこそこの高速域に入っても板はばたつきません。こちらの意思を汲み取ってくれるような、絶妙な反応と挙動。

話は変わって、再びキャノンのSX260HS。
次の写真は手持ちでの撮影です。ISO1600、F4.5、1/15秒。
コンデジには厳しい条件だけれど、思ったよりよかったです。
この写真は撮って出しではなく、それなりにフォトショップでフォトレタッチしてありますが、ピクセル等倍で見てもブレはありませんでした。ISの効きも強力のようです。

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(新発田市大栄町界隈)

2010年3月 4日 (木)

四天王そろい踏み

旧朝日村のぶどうスキー場山頂からは、鳥海山、月山、朝日連峰、飯豊連峰など、東北を代表する秀峰の数々が見えます。こないだは飯豊連峰が雲の中だったけど、今日は全方向視界良し!
コンデジなので画質はイマイチですが、それぞれの山のフィーリングの違いを感じてみて下さい。

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鳥海山

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月山

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朝日連峰(大朝日岳)

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飯豊連峰(飯豊本山~御西岳~大日岳)

昨日も今日もぶどうスキー場の来場者数は一桁。
ちょっと寂しい。こんな素晴らしいスキー場なのに。雪もまだたっぷりありますよ。
今日のトレーニングメニューは、グレープロードを上から下まで直滑降5本。気分はすっかりスーパーGのレーサーです。
林間コースであるグレープロード、意外にコース幅があり、下へ行くほど斜度が増していくので、ちょっかると結構スピードが出ます。最後の右ターン、最高です。
パノラマコースをちょっかってもいいのですが、こちらは途中に緩斜面が入るので失速します。グレープロードの方がレーサーチックな滑りを味わえます。
いずれにせよ、こんなアホな滑りが出来るのも、来場者数の少ない3月のぶどうならでは。
雪はちょっとソフトですが、いつもピステンがしっかりかかっているので、ジャイアントスラロームの練習にもいいです。
ということで、あとはフルスロットルで大回りを7~8本。大きめのインターバルの小回りをやはり7~8本。
ここ1ヶ月せいぜい8割の力でしか滑っていないので、飛ばすのは久し振り。
腰の調子も良く、遅ればせながら今シーズン、体力と技術のピークがやってきました。

2010年2月18日 (木)

ぶどうスキー場からの風景

久し振りに新潟県内に太陽が顔を出しました。
旧朝日村(現村上市)のぶどうスキー場はぼくのホームゲレンデ。
山頂の標高は約650mしかありませんが、ゲレンデ上部からの景色は実に雄大。

Panorama_budo

左に日本海、中央やや右に月山、右には純白の雪を抱く朝日連峰が指呼の元。
この日は飯豊連峰方面はもやっていてはっきりとは見えませんでした。同様に、本来なら月山の左に鳥海山も見えるのですが、やはり雲がかかっていてはっきりとは見えず。

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月山のアップです。
コンパクトデジカメ(パナソニックのTZ7)なので画質はイマイチですが、ソフトクリームのようななだらかな山容が素晴らしいです。今の時期、既に積雪は8mはあろうだろうと思われます。なにせここは日本一の豪雪地帯なのですから。
月山はその豪雪ゆえ、4月に入ってからスキー場がオープンします。リフトはペアリフト1本とポニーリフトが3本しかありませんが、例年7月上旬まで滑走可能です。

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こちらは朝日連峰。一番高い山が大朝日岳です。
登山するにもアプローチが長く、それゆえ自然が保たれています。
星を見るのにも最適で、国内のどの山塊より空が暗いです。

ぶどうスキー場はリフト2本のローカルゲレンデですが、中身はぎっしり詰まっていてエキスパートが丸々一日滑っていても飽きないゲレンデです。
斜面は南西に面しているので北西の季節風に強く、下越地方のどのスキー場もまともに滑れないときでも、ここは風も弱くいつでもまともに滑ることが出来るのです。
オフピステもなにげに充実しており、2本あるリフト沿いは自由に滑ることが出来ます。
そのため、パウダー目当てのスノーボーダーやファットスキーを履くパウダージャンキーの常連も多く、大雪の翌日には彼らが自由に急峻な斜面にシュプールを刻んでいることでしょう。
リフト代も安く、2軒あるゲレンデ食堂はおふくろの味を食べさせてくれます。
平日に行くと無料でホットコーヒーをサービスしてくれるし、商売っけのない今時珍しいゲレンデ食堂です。

スキースクールはありませんが、毎日のように地元のスキークラブの人たちが講習をしており、頼めば仲間に加えてくれるでしょう。
指導員、準指導員のほかに、テクニカルやクラウンプライズの所持者も大勢おり、目の保養になること請け合い。
こないだはトリノ五輪男子GSで24位に入り、現在技術戦で活躍中の吉岡大輔さんと、やはり技術戦に何度も出たことのある青木大輔さんがレッスンに来ていました。
他には、地元のスキークラブと縁のある湯殿山スキースクールの校長でかつての名デモンストレーター・渡部三郎さんも毎年ゲストでお見えになっています。
交通不便なところではありますが、みなさん、是非一度ぶどうスキー場へお越しを。
絶対に損はしません!

2010年1月22日 (金)

天狗の庭

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毎週金曜の夜17時、ぶどうスキー場のナイターゲレンデ(第一ペアリフト沿いのバーン、ダイナミックゲレンデ)は天狗の庭と化します。
天狗は現代に於いてもまだ生き残っています。嘘か誠か、現地へ来れば真偽のほどがわかるでしょう。

天狗達のドン(勝手にぼくがそう思っているだけですが)は、旧荒川町在住のW君。
以前から簡単な言葉を交わしたりはしていたのですが、今日はお昼を一緒に食べ、1時間半ばかり話し込んでしまい意気投合。
3時に上がってからも1時間以上再びスキー談義三昧。
朝9時に来たぼくは15時すぎには上がる予定でしたが、結局ナイター前半まで滑ってしまいました。
夕方からしんしんと雪が降り出し、みるみる車の屋根にも20cmほど積もっていきました。
こうなると滑らずにはいられません。
今年初出動となるセンター幅80mm、長さ177cmのセミファット、フォルクルAC30に履き替え、ナイタースタートと同時にリフトに乗車。
いやはや、最高でした。ぼくのスキー人生で最も快感度の高い滑りができました。
コース上には極上のパウダーが15cm。リフト沿いのオフピステには30~40cm。
ぼくもにわか天狗に早変わり、オフピステも含めて3次元の浮遊感を存分に満喫。
ほどなくして勤めを終えたW君の手下たちも駆けつけ、いよいよ天狗達の舞は佳境を迎えます。
彼らの圧倒的な滑りには神が宿っています。神の意志が感じられます。
あらゆる地形を駆使して予測不可能な芸術的なターンがピステに描かれます。
そしてその瞬間、同じターンは二度と再現されることはありません。そう、永遠に。
スキーをやってきてよかったとつくづく思いました。
スキーを続ける限り、毎年冬に最低一度はぶどうのナイターにはせ参じようと思います。
ああ、それにしても膝パウ以上の深雪を攻めるには、今の板では役不足だな。
センター幅90mm、長さ180~185cmぐらいのスペックの板が欲しいですね。

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