無料ブログはココログ

« 楽園・綱木川上流 | トップページ | 宴の終えた森 »

2017年7月13日 (木)

精霊のいる森

グリム童話に出てくるようなイメージの森を歩き回るのが、子供の頃からの夢でした。
ドイツの黒い森なんか、そのイメージにピッタリの森ですが、新潟県下越地方にはなかなかピンと来る森が思い浮かばず・・・
山歩きも好きなので低山ハイクを随分やりましたが、どこか満たされない思いが残ります。
小道を歩き回るのはつまらないのです。
道なき道を当てずっぽうに歩くのが面白い。
数年前、ヒメボタルに魅せられて以降、必然的に踏み跡がわずかに残っているだけの森を歩く機会が増えました。
前置きが長くなりましたが、12日の夜をぼくは一生忘れることはないでしょう。
県北の棚田に隣接するこの森には、道が全くありません。
5柔らかな林床を踏みしめ、50mほど緩やかな斜面を登っていくと、沢のせせらぎが近づいてきます。
と、眼下に高低差6~7mほどの谷が現れ、そこで行き止まりとなります。
この森には、県内では貴重なヒメボタルが生息するのですが、この谷間全体をヒメボタルが行き交います。
眼下を流れる沢へ苦労して入ったこともありますが、視界がよくありません。
ここへ辿り着くまでの杉林でもヒメボタルの舞は見られますが、数的にはそれほど多くありません。
ちょうどタイミングが良かったのでしょう、谷間を見下ろすこの場所で、これまでで最高の乱舞を見ることができました。

Img_0191_0250pp

EOS6D + SIGMA 24mm F1.4 DG (プロソフトンA使用)
総露出時間約30分。

右の大木が精霊の樹。もちろんぼくが勝手に名付けたものです。
そのやや下を沢が流れており、画面真ん中から向こう側は対岸となっています。
写真では平べったく見えますが、対岸の斜度は30~35度はあると思います。
足元から沢までも、やはりそのくらいの斜度があります。
V字谷のような地形です。
この場所、20時になるともう真っ暗になります。
19時台に早めに現地へ入り、下地用の写真を撮ります。
もちろん決め打ちです。
この日みたいにホタルの活性度が高ければまんべんなく飛んでくれるので、それほどアングルは気にする必要ないのですが、精霊の樹はどうしても入れたいと思いました。
PC画面上でピクセル等倍で見ると、対岸の急斜面を何十匹ものヒメボタルが写っているので驚きました。
これはすごい。
この森全体だったら、おそらく80~100匹はいたのではないでしょうか。
対岸のホタルは豆粒にしか写らないので、WEBサイズに縮小した段階でシャープネスをかけ、軌跡を目立たせています(具体的にはNik CollectionのSharpner Pro3の、RAW Presharpnerを少しかけています)。
ここへ辿り着くまで、本当にあちこちでヒメボタルが飛んでいるので、ひょっとすると歩行中にヒメボタルの雌を踏んづけている可能性だってあります(雌は飛べない)。
なので、ワンシーズン森へ入るのは2回までと自主ルールを作っています。

Img_0259_0307pp

EOS6D + SIGMA 24mm F1.4 DG (ノーフィルター)
総露出時間約20分。

森から出てきてみると、森の外でも多数のヒメボタルが飛び回っていることに気づきました。
従来の例ですと、森から出てオープンスペースを飛び回るヒメボタルはせいぜい2~3匹しか見ないのですが、これは異常です。
背後は水田となっているのですが、あまり遠くまでは飛ばないものの田んぼの上をヘイケと一緒になって舞っているヒメボタルを見ると、どっちがどっちだかわからなくなります。
標高が400m近くあるため、例年県北の他のポイントがピークを終えてから訪れることが多いのですが、今年はちょっと早めに来てみました。
田んぼのヘイケはまだ例年より数が少なかったので、来週以降も見られるでしょう。
しかしながら、ヒメボタルは今週一杯が山場でしょうか。

« 楽園・綱木川上流 | トップページ | 宴の終えた森 »

ホタル2017(下越)」カテゴリの記事

コメント

とうとう遭遇しましたね!
自分の体さえ見えない真っ暗闇にいると、存在するのは意識のみとなり、精神のみが距離感のない宇宙に浮遊している感覚に陥ります。
森のなかで見たい理由がここにあります。

写真がまた素晴らしいですね。
手前のボケと奥の鋭い光跡のコントラスト、この写真に今までの道程が集約されているようです。

今週末、安達太良の森に入ってみます。

相変わらずに精力的に行ってますね~
今回の姫様は過去最高ですね?私もこんな光景見てみたい。

お仕事でテンパってましたので、なかなか出撃出来ませんでしたが、ようやく出口が見えつつあります・・・・が、週明けたらもう時既に遅しっぽいですね(;;)

驚かせてすみません(^_^;)
丁寧なご返信ありがとうございます。
新潟は道ぞいどこを見ても植林だらけで、人の手が入った場所にはヒメボタルはいないと思い込んでおりました。ポイントのヒントとても、とても勉強になりました。ありがとうございます。頑張ってみます。^_^
ヒメボタルの素晴らしい乱舞写真、感動しました!新潟でもこのような乱舞が見られるとは…!

素晴らしいですね!
努力した人のみが出会える、貴重な光景ですね。
たぶんあのあたりなんだろうなあ、という想像はつきますが、私はとても行き着くことができないでしょう。1匹飛んでいるのを見るだけでもいいので、来年機会があったらあのあたりをさまよってみたいと思います。

もっちゃん、ありがとうございます。オープンスペースで見ると安心感があるのでくつろげますが、閉鎖的空間で見ると、心の雑音が消え去ってからは一元意識のみとなり、自己が消えます。写真はフォトショを駆使した画像処理でなんとかここまで持ってきていますが、本当は撮って出しでもう少しこれに近
ヒメボタル体験の核はここにあります。
い状態に写れば理想なんですけどね。
プロソフトンAはヒメボタル向きです。ゲンジの軌跡には向きませんが、姫やヘイケには合いますね。
ところで、6Dはあきまへんわ。熱ノイズが80Dよりも盛大に出るんです。熱被りも少々。ISO6400以上は使う気になれません。これは恐らく、固定式のモニター由来のノイズが発生しているせいでしょう。モニターを可動式にすると、それだけでかなりのノイズ減少効果が得られるそうです。だから、多分6Dの後継機種は大丈夫なんでしょうけどね。

Tomさん、今年はお忙しいようで。キスの写真もアップされてないから、よほど忙しいのかなと案じておりました。
Tomさんとご一緒したあそこは標高150しかないので、来週前半には見られなくなりそうですね。
一方、ここのポイントは標高が380あるので大丈夫かもしれませんが、小型車じゃないと入れないんですよ。Tomさんの車だとちょっときついかな。ここの棚田、あそこよりさらに美しいですし、よかったらいつでも案内しますよ。

yuriさん、こんにちは。中越や上越はホタル探しに行ったことがないので下越限定での話になりますが、山北町や朝日村管内は、探せばいくらでもヒメボタルのいる森はあると思いますよ。山熊田の周辺や、雷集落周辺だとか。
毎年2~3回、友達や知り合いを案内してホタルを見に行っています。ヒメボタルのホタルガイドもしておりますので、今年は来週前半でさすがに終わりなのですが、来年はよかったら声を掛けて下さいね。いつでも案内しますよ(もちろん、ヒメボタルに限りません。お好みの地形の所に案内します。また、ご希望によりお住まいの近くでのホタルの生息地をリサーチして差し上げます)。

まるひさん、こんにちは。このポイントは上級者向きですが、Tomさんも知っているもう一箇所のポイントなら、廃道とはいえ取りあえず道は付いているので、長靴さえあれば入っていけます。実は明日、一番星さんを案内してそこへ行きます。もう3人、ぼくの友人一家が来るので定員オーバーなので明日は無理なのですが、日曜か月曜の夜だったらご案内できます。もっとも、精霊のいる森は、森の入り口までヒメボタルが出てくるので、森へ入らずにヒメボタルを観察できます。1300cc以下の小型車じゃないと入っていけないので、その問題をクリアできるなら、いつでもご案内しますよ。メール下さい。姫のピークは短いので、見られるのは来週火曜あたりまででしょうか。

ご返信ありがとうございます(^-^)
当方新潟市街地在住でして、新潟市東区のじゅんさい池や岩室のホタルしか知らず…。
ただ今日は葡萄峠沿いの集落(越沢)に宿泊予定でして、晴れたらヘイケorヒメホタル探ししてみようかと思っています。
山熊田や雷!小俣に親戚がおりまして地名だけは知っていましたがかなり奥ですね。1人で行くには勇気がいるので…来年は山熊田限らずヒメorゲンジの観察にぜひぜひ、ご一緒させていただければと思います!お声がけ感謝いたします(^-^)

ヒメホタルの光跡で、これほど見事な写真を見た記憶がありません。森の奥を飛び交うヒメホタルの光跡は正に神秘的です。たまに普通の蛍に混じってヒメホタルの光跡?のような事はありましたが、乱舞に出会った事は一度もありません。

ヒメホタルらしいポッ、ポッ、っと光る暖かい色調も良いですね。これが目の前を飛び交っていたら凄いでしょうね。遭遇してみたいとは思いますが、夜の森、しかも道が無い所なんですね。私は絶対入れないなー

素晴らしい写真をありがとうございます。

yuriさん、越沢は標高が低いので、姫は難しいかもです。今は150m以上の標高の場所がピークです。でもヘイケは沢山見られると思います。大毎の周辺はその点よさげな森がたくさんありますね。姫の新規開拓は数年がかりとなるので、まだあっちまでは足を伸ばせていません。ゲンジは五頭山麓にもいくつかいいポイントがあるので、来年探してみて下さい。

tantanさん、コメントありがとうございます。このポイントもそうですが、場所によっては林からオープンスペースに散歩に出てきてくれることもあるんですよ。だから必ずしも森の中に入らないと見られないということはないんです。農道から森を覗き込むだけで神秘の世界を垣間見ることができます。高坪山山麓のどこかでいたら面白いでしょうね。ぜひ探してみて下さい。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 楽園・綱木川上流 | トップページ | 宴の終えた森 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31