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カテゴリー「天体写真2016」の3件の記事

2016年10月 6日 (木)

EF70-200mm F4L ISで写したアンドロメダ銀河

10月2日、天蓋高原で試写した中から、天体写真に使うのは今回が初めてのEF70-200mm F4L IS USMで写したアンドロメダ銀河の写真をアップします。

Img_5420_23dpp1

EOS80D改 + EF70-200mm F4L IS USM (200mm)
ISO2500, F4, 150秒X3枚コンポ (M-RAW)

この日初めてPoleMasterを使ったのですが、モニター開始後の微調整がうまくいかなかったため、結局いつも使っている極望に切り替え、それで極軸を合わせて写しました。
きっちり合わせたつもりなのですが、なぜか3分では微妙に流れてしまい、やや露出時間を短くして写しました。
しかし、これでもピクセル等倍で見るとかなりいびつです。
年に1~2回、新潟総踊りや花の望遠マクロ用で使う以外、防湿庫で眠ったままのこのレンズの写りを確かめる意味合いもあり、上位モデルであるEF70-200mm F2.8L IS IIを持っている身でありながら、あえてこのレンズを持ち出してみたのです。
ぼくのこのレンズ、フォーカスリングに全く遊びがなく、マニュアルによるピント合わせがラクにできるのではないかという期待もありました。
確かにナナニッパのそれよりは微調整が利くような感じがしましたが、それでも手動によるピント合わせの限界を感じました。
それにレンズの解像度がイマイチのようで、ナナニッパよりはピントの山がわかりにくかったからどっこいどっこいですね。
さらにダメ出しをすると、周辺部の星像もナナニッパのそれよりは伸びるようで、色収差もかなり見られました。
重量が700g台と軽いので機材にかかる負担は少ないのは利点なのですが、天体写真にメインレンズとして使うにはやや役不足と思いました。
露出時間を伸ばせなかったためISOを2500まで上げて撮りましたが、思ったより画質は荒れませんでした。
ここではかなり過度な画像処理を加えているのですが、それでも破綻をきたすことはなかったです。
60Daよりは上を行っていると思います。
これで80D改をメインで使っていく決断ができました。
自分のPHOTOSHOPはCS6なので、80Dの現像はできません。
なのでキャノン純正のDPP4で現像し(ここでは全く手を加えず、ほぼ撮って出しのままTIFFに変換)、それをCS6で処理しました。
ダークもフラットもなしです。
DPP4をRAW現像に使う利点として、画像本来の解像力を、厳密な補正により復元するデジタルレンズオプティマイザが使えるのではないかという期待があったのですが、残念ながらM-RAWには対応していないみたいで使えませんでした。
次回は、この機能がどのくらい効果があるのかを確かめたいので、フル画素で撮ってみます。

※10月7日、Silver Efex Proのファインアートプロセスで処理した画像に差し替えました。
今まではモノクロ用のフィルターなので、Silver Efex Proは使ったことがなかったのですが、天文ガイド11月号にありますように、Photoshopでの描画モードを輝度にすればカラー画像に対応できるとのことでしたのでやってみました。効果は絶大。
このプラグインソフトはいいですね!

2016年9月 6日 (火)

NGC7822付近

以前、初代トーストをGITZOの4型三脚に載せて運用していた頃、微動装置はタカハシの三脚アジャスターとFEISOLのPB90を使っていました。
PB90はとうにないけど、PB70と三脚アジアスターはまだ手元にあるので、ベルボンのN740と組み合わせて使ってみました。
ポタ赤は輸出仕様のSWAT300。
当たり前ですが、ユニテックのゴニオ式微動装置よりさらに剛性感は増しますね。
これはいい。
しかし、三脚アジアスターの上げ下げがやはり面倒。
スクワットの練習になります。足腰がかなり強化されます(^^;)
その前段階におけるパイプの伸縮にも時間がかかり、なんだかんだ15分以上かかってしまいました。
もうひとつ確かめてみたかったのは、トーストで使われているプラスチック極望による極軸合わせ。
この個体は電源を入れた途端に照明が一定の明るさになり、3点合わせで使う2点の星が見えなくなるのです。
なので、厳密に3点を合致させるのは難しいと、改めて実感。
結局前回と同じくらいの精度でしか合わせられなかったけど、100mm4分なら問題なく追尾できたので、これで妥協すべきか悩むところです。
(一応、妥協の方向に心は傾いています・・・)

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EOS60Da + EF100mm F2.8L IS MACRO

ISO1250-1600, F3.2, 180~240秒 計7枚コンポ

もっと重ねたかったのですが、風が出てきて空も曇ってきたのでここで終了。
実はこの対象、その場の思いつきで選んだものなのですが、撮りがいがあると思いました。
ケフェウス周辺は、興味を惹かれる星雲の玉手箱ですね。

この日(9月4日)、現地(新発田市赤谷付近)へ着いた当初は全天の半分が薄雲で覆われており、北極星も雲で見えませんでした。
北極星が見えてくるまでは、広角レンズで星景写真を撮って時間をつぶしました。

Img_9776_80p

これは西方向。林道の延長線上には阿賀野市と新潟市が控えています。
こちらの方角が最も明るいです。

Img_9781_82p

こちらは北東方向。まあまあ暗い。
星空部はISO800, F3.2, 180秒の1枚モノだけど、かなり透明度が良かったのでしょう、カリフォルニア星雲が写ってくれました。

Img_9783p

22時を過ぎる頃から雲が取れ、満天の星空が現れました。
最初の写真を撮る前に、レンズを天頂へ向けて写した1枚(ワンショット)。
しばらく地面に大の字になり天の川を見上げていました。
至福のひとときです。

2016年9月 2日 (金)

天体写真、再開!

最近ここ数年中断していた、望遠~中望遠レンズによる天体写真を再びやってみたくなって、いろいろ情報収集を始めました。
先月29日には村上市の山奥へコソ練?に行き、EF70-200mm F2.8L IS IIの200mm側でアンドロメダを撮ってみたり。
また、先週遅ればせながらステライメージをver6.5からver7にバージョンアップしたり、パイプ径36mmのカーボン三脚をアメリカのB&Hでポチッたり、少しずつ準備を進めてきたのです。
赤道儀は昨年仕入れたSWAT300K。
いつもは星景ばかりなのでPanhead EQなのですが、こちらを使うときは極望は使わず、本体の素通し穴に北極星を導入するだけです。超カンタン。
SWAT300Kで中望遠レンズを3~5分ノータッチガイドしようとなると極軸合わせの精度が肝となるので、極望でしっかり合わせる練習もしないといけません。
カメラは今まで60Daだけでやってきましたが、近々EOS80Dを誠報社へ送り、天体用にフィルター換装してもらう予定(9月15日にキャノンからEVF内蔵のEOS M5のアナウンスがありそうなので、そこでスペックを見てから決めますが)。
60Da一台体制だと、2時間前後の”放置プレイ”をやろうという気になかなかならないですし。
もう一つホタル撮影で感じたのですが、80Dの高感度性能及び外気温の高さに対する耐性が思いのほか良かったです。
どうしてもKissシリーズは熱に対する耐性が弱く、夏場は使い物になりません。
ですから、天体改造するならやはり二桁Dかなと。

というわけで、練習第二弾は西会津町高陽根で行ったわけですが、薄明終了直後は雲が思ったより多く、何も撮れませんでした。
21時頃からようやく雲が取れ、目の覚めるような満天の星空が出現。
4~5年前より西の低空は新潟市方面の光害がわずかに感じられたのですが、北~東にかけての空は相変わらず抜群の暗さでした。

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EOS60Da + EF100mm F2.8L IS MACRO USM
ISO800, F3.2, 3分X(上5枚、下3枚コンポ、2コマモザイク)

先日タムロンの45mmで同じ対象を似たような構図で撮りましたが、今回はHEUIB-IIは使っていません(次のハート星雲には使用)。
透明度はこの方角はあまり良くなく、やや眠い空でした。
なので厳密な比較はできないのですが、半分の焦点距離しかないタムロン45mmで撮影した画像は互角に見えるので、タムロンの新しいフラグシップのシリーズの45mm、光学性能は抜群であることが伺えます。
もちろん、キャノンのマクロレンズも解像度抜群。
しばらくはこのレンズを使い倒そうと思います。

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EOS60Da + EF100mm F2.8L IS MACRO USM
ISO1600, F3.2, 3分 (5枚コンポ) with HEUIB-II Filter

重さが700g前後のレンズだと足回りも32mmで全然充分なので、気が楽です。
このあとスバルとカリフォルニア星雲を撮ったのですが、こちらは露出時間を4~5分に伸ばして写してみました。
それでも歩留まりは8割を確保したので、テストとしては上々です。
ハート星雲と二重星団(上の写真)もそうなんですけど、焦点距離的には135~150mmがベストでしょうか。
サムヤンの135mm、そしてシグマの150mm F2.8 MACRO OS、ほ、欲しい(^_^;)
もう1年以上物欲と戦ってきました。
キャノンの70-200mm F2.8の望遠ズームがあるのでそれでカバーできるのですが、このレンズ重さが1.5kgあるせいか、歩留まりが極度に落ちるのです。
だから足回りを強化しようという作戦なのですが、36mmのカーボン三脚を買う予算でこれらのレンズのどちらかを買えましたね。
(ビクセンのAPP-TL130三脚がベストですが、超望遠レンズによる太陽のGF撮影にも使うことを考えると、そして個人的にカーボン製品の質感に対する好みもあり、写真用カーボン三脚にしたのでした。)
星景写真だと沼の深さは浅く、せいぜい膝元までしかありませんが、天体写真と言える範疇に少しでも踏み込むと沼の深みはとたんに増し、日本海溝へと一直線。
くわばらくわばら・・・

 

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