この一帯の田んぼは昔のまんまです。
中心を流れる川こそ護岸化されているけど、おそらくは既に40年は経過しているので、河床には植物も昆虫もかなり復活しているように見受けられます。
そして田んぼ。
川をはさんで南側は全くエンゾにコンクリートが見当たりません。
川に沿って走る農道から森との境目までの中間に湿地帯があるため、歩ける農道を熟知していないとたちまち行き止まりになります。
長靴を履いていても。リアル湿地帯だからです。
昨年はアプローチのしやすい一番奥の田んぼで写真を撮りました。
それが7月3日のこと。
時期的に当然なのですが、ほとんどヘイケでした。
そして今年6月9日、最初は昨年と同じ場所で撮影開始。ただし、田んぼの手前の川でです。
そこが最もチカチカしていたからです。
雨は20時頃上がると思って、それまでは車の中で待機。
あにはからんやちょうどその頃上がったので、20時5分から撮影開始。
ほとんど、大天城公園脇の水路状態です。
こちらの方が川幅があるため、より幻想的。
奥には、威圧的に厚い雲が立ちこめています。
このあと、この農道の終点まで、ホタルの分布を確認しながら移動したのですが、この橋から200mあたりまでしかホタルはいませんでした。
昨年は数は少ないながらも、農道終点手前の橋の前後にもホタルが舞っていたので、時期尚早なのでしょう。
上流部の下見を終え、今度は戻りながら下流部の視察。
時刻は21時を回っています。しかしこの状態です。
たきがしら湿原の2~3倍の面積があるこの一帯の田んぼの、まだ1/3しか知りません。
21~22時までは残り2/3の下見に時間を割いたのですが、びっくりしました。
基本的にどこでもホタルはいます。
ゲンジ主体ですが、昨日の場所もそうであったように、1割ほどヘイケも混じっています。
農道歩き30分。
やっと遠目で見えていたポイントへ辿り着きました。
もちろん長靴を履いての歩きですが、湿地帯を避けるのにかなり遠回りをしたりして時間を食いました。
時刻は22時になっていましたが、この日の雨が効いたのか、まだまだホタルは舞っています。
そして、この日最初に訪れた奥の田んぼより、このエリアの中間地点にあたるこの一帯の方がホタルは多くいました。
この田んぼ一帯に言えることですが、湿地帯の中に田んぼがあるという感じで、蛙の鳴き声もすごい。
あぜ道はでこぼこして、時にぬかるみの連続で非常に歩きにくい。
しかし、どの田んぼも水鏡のようで、とても美しい。田んぼと言うよりは池の連続。
スケール的には旧朝日村の松の木平の棚田には劣りますが、圃場整備がされているあちらより、田んぼ的にはこちらの方が芸術的です。
3枚目の場所の後ろの田んぼ。
22時20分からの5分間。
これでこのエリアの2/3を把握しましたが、まだ北側1/3は未開拓なのです。
昨年ほんの一部歩いてみた感じでは、南に比べぱっとしない印象でしたが。
それにしても、これだけ広い面積の田んぼが昔のままの姿で残されているなんて、奇跡以外のなにものでもありません。
阿賀町のたきがしら湿原も、昔は田んぼだったと言います。
標高こそ違うけど、地形的には結構似ていたりします。
人が住んでいた時代のたきがしら湿原の田んぼって、こんな感じだったのかな。
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