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2016年1月30日 (土)

クリアクオーツ・クリスタルボウルのススメ

フロステッド(クラシック)タイプのクリスタルボウルを第一世代とすれば、クリアタイプのクリスタルボウルは第二世代に該当します。
この辺の歴史については、クリスタルボウルの演奏者として活躍していらっしゃるまがりさんのサイトが詳しいので、そちらを参照してください。
現在、日本語で書かれているクリスタルボウル関連のサイトではもっともバランスが取れており、スピに偏っていない正確な情報を伝えている希有なサイトです。
まがりさんも言うように、クリアクオーツのボウルと、それと姉妹関係に当たるウルトラライトのボウルこそがクリスタルボウルの王道。
そこに金属や鉱物を混入させたボウルをクリスタルトーンズ社では第三世代と称していますが、純粋に音響工学的に見ると第二世代のそれに比べて音質的に向上しているわけではありません。
第三世代というより、あくまで第二世代のバリエーションと捉える方が健全です。
ところが、同社では最近クリアボウルとウルトラライトボウルの製造を中止し、アルケミーボウルのみを生産するようになったみたいです。
まがりさんからそのような情報を仕入れたぼくは、ちょうど欲しい音階のボウルがあったので試しに同社に問い合わせてみたところ(昨年11月の話)、やはり在庫はひとつもないと言われました。
社の方針に対して外野がとやかくいう筋合いはないので、それについての感想を述べることは控えます。
アルケミーボウルは安いものでも、クリアボウルの2倍はしますし、高いものでは4~5倍にもなります。
フロステッドに比べて1個のボウルで複数の倍音を含むことが多いので、1個でもリッチな音を満喫できるのは事実。
しかし、1万円台で買える格安のフロストボウルを、音響効果を考慮して、例えばパーフェクトピッチでFとAを買ったとします。
この2個を同時に鳴らしたときの音の響きの豊かさは、決してアルケミーボウル単体のそれに負けません。
1個10万円以上するアルケミーボウルしか販売されなくなった今、クリスタルボウルファンの裾野が狭まっていくことを懸念する次第です。
整理すると、第一世代(フロステッド)と第二世代(クリアorウルトラライト)の違いは、音のサスティンの長さ、倍音の豊かさ、ボウルの厚みなどです。
一方、第二世代のボウルと第三世代(アルケミー)の間に、本質的な音質の差はありません。
アルケミーは見た目がきれいですが、よく見ると気泡が多数入っていたりと雑な焼き方のものも多いです。
また、特に鉄やチタンが混入したものは独特のメタルチックな響きがあるので、そこが個人的には(その日の気分によっては)耳障りだったりします。
パワーストーンの性格をボウルに加味するのはセールス的にはアリだと思いますが、モース硬度の低い鉱物や、毒性の確認されているメタルを混ぜ合わせるのはどうなのかなと思います。
ぼくは昨日、同社のアルケミーボウルを一個紹介しましたが(モルガナイト)、半音違いのカリスキ製クリアボウルに比べると、音の伸びにおいても倍音の豊かさにおいても負けているのです。
決してモルガナイトも悪くないのですが、1/4の価格で買えるカリスキのクリアボウルの方がよりリッチに響きます。
クリアとウルトラライトを比較すると、やはりウルトラライトの方がやや優しい響きがするようです。一方、クリアはその響きに凛とした佇まいがあります。この辺は好みですが。
現実問題、クリアタイプのボウルはアメリカの老舗・カリスキ製や中国製などネットを通じて購入可能ですが、ウルトラライトは購入不可能となりました。
正確に言うと、のちに紹介するあわうみさんで同名のボウルを扱っていますが、この中国製ウルトラライト(ぼくも買ったことがあります)、ちょっと硬い音で、音質的には元祖ウルトラライトは大きな隔たりがあると言わざるを得ません。
なので、一押しはクリアタイプのボウル。
その入手先を紹介しようというのが、今回の記事の目的です。

(1) Silver Sky Imports
クリアボウルの在庫が豊富で、サイズも揃っています。ただ、1年のうち入荷する回数は限られているので、購入するタイミングによっては在庫が少なくなっている場合もあります。
クリアボウルは中国製と思われますが、CT社やカリスキ製クリアボウルと比べてなんら遜色ありません。付属するマレットがCT社のそれより一回り短く、購入するボウルの大きさによっては小さく感じるかもしれません。
在庫のボウル全ての回し弾きしたときのサンプル音を聞くことができ、ボウルの厚みもコンマ㎜単位で表示されています。
それらをデータベース化すると、ボウルの音階とサイズ・厚さとの関係が見えてきます。
このショップからは既に7個のクリアボウルを購入していますが、品質的には全く問題がありません。
クリスタルボウルはサイズと厚みが異なれば、音の伸びやサスティンは変わってきます。
なので、同じ直径、同じ厚さ、同じ音階で揃えた上でないと正確な比較はできません。
手持ちのボウルの中ではカリスキの9インチA#が一番素晴らしい音色なのですが、以上の理由から、だからといってカリスキがNo.1だとかは思わないようにしています。
同様に、今は製造休止となったクリスタルトーンズ社のクリアボウルと比べてどうのこうのというコメントも避けたい。
さて、カリスキは現在クリアボウルは9インチまでのそれしか作っていないのですが、Silver Sky Importsさんでは12インチまでのボウルが販売されています。
ワンランク大きなクリアボウルを狙っている方に、是非お勧めしたいショップです。

(2)あわうみ
滋賀県大津市あるショップ。2015年から特にクリアボウルの拡充に力を入れ始め、貴重なカリスキ製クリアボウルを入手できる唯一のショップです。
メーカーから届いたボウルを、電子チューナーで改めて測定した基音と倍音をオクターブも含めてHPに記載しており、非常に良心的。
昨年から一気に在庫も増え、ぼく自身もっとも頼りにしているショップです。
希望の音階やピッチ、サイズを伝えるとメーカーに問い合わせてくれるので、希望の音階のボウルが在庫になかった場合でも、問い合わせてみるといいでしょう。
カリスキはHPを持っていますが、それによるとホールセールしかしていないみたいなので、おいそれと入手できません。
まさに、あわうみさんは救世主。
まがりさんがリポートしているように、あわうみさんで扱っている中国製クリアボウルの音質も非常にいいとのことなので、ぼくも機会があれば購入してみたいと考えています。
ちなみに、店主の筒井さんは民族楽器や倍音楽器に対する造詣も深く、扱っている製品はどれも良質なものばかりなので、安心して買い物ができます。

(3)Ali Express
中国の財閥・アリババグループがやっているショッピングサイトです。フロストメインですが、クリアもあります。
価格的には最も安いですが、ぼくはまだ購入したことがありません。
正確なピッチは表示されていませんが、一部の業者出品のボウルにはPerfect Pitchの表示のボウルがあるので、買うならそれがいいでしょう。
ただし、写真で見ると薄いボウルが多いので、第三オクターブのボウルが多いかもしれません。第四オクターブの音ににこだわる人はあらかじめ問い合わせた方がいいでしょう。
フロストには色の付いたボウルもあり、チャクラカラーに合わせて揃えるのもいいかもしれません。
ただし、フロストにはPerfect Pitchのボウルがないみたいなので、いざ7音階揃えても、音の高さはちぐはぐになる可能性大です。
以前はあわうみさんでもこのようなカラフルなボウルを売っていましたが、現在は在庫がありません。

(4)Sound Travels
イギリスのショップです。どこのメーカー製かはわからないのですが、クリアボウルの在庫があります。あと、ドイツのメーカー(Sound Galaxies)とクリスタルトーンズ社のボウルも扱っています。

他にも2~3ありますが、それらはスルーさせて頂きます。
Sound Travelsさんで購入可能なMade in GermanyのSound Galaxies製クリスタルボウル、価格はアルケミー並みに高いですが、写真で見る限りにおいては質感は非常に高そう。
どなたか人柱になってください(笑)。
最後に、カリスキ製クリアボウルと、Crystal Vibvesブランドのもう一つの主力商品・Empyrean bowlの実音を紹介します。

(a)9インチ カリスキ製クリア 3rd A#+15
YouTubeでの実音はコチラ

Img_2524

ちなみに、昨日アップした10インチのクリアボウルは、Crystal Vibesブランドのそれです。
9インチのこちらカリスキ製クリアボウルの方が深みのある音質ですが、サイズと厚みを厳密に一致させた上で比較しないと公正な判断はできません。
中国製クリアもいい音です。
繰り返しますが、7インチなら7インチというサイズのボウルがあるとして、音階を無視すればそのサイズでベストな鳴り方をする厚さがあるはずなのです。
ところが、メーカー側ではできるだけ同サイズでドからシまで揃えたいわけで、厚みを変えることによって様々な音階を生み出します。
となってくると、同じ7インチでもサスティンの長さにおいて長短の個体差が生まれます。
一例を挙げれば、9インチのボウルでしたら3rdオクターブのFぐらいから上、4thオクターブのBぐらいまでの製品がみられますが、おいしい範囲は3rd Aから4th Gまででしょうか。
3rd Gになるとボウルがかなり薄くなるので、回し弾きしたときにビビリ音が出やすくなります。
また9インチで4th AやBを作ろうとすると極端に厚くなってしまい、サスティンが短くなるので、A~Bの音階は3rdオクターブで制作されているケースがほとんどです(元々厚みのあるフロステッドには当てはまりません。あくまで、クリアやウルトラライト、及びそれらをベースとしたアルケミーボウルの話)。

(b)10インチ Empyrean 4th C+10
YouTubeでの実音はコチラ

Img_2528

Silver Sky Importsさんにおける商品説明によると、Empyrean Bowlは革新的な手法で焼いた、フロステッドの進化形のボウルだそうです。素材の純度も従来より高めたとか。
外側の表面がざら浮いているフロステッドとは異なり、外も内もつるつるです。
色合いはフロステッドとほぼ同様、ウルトラライトよりは白の純度が高くありません。
サスティンも倍音もフロステッドよりは上を行きますが、ウルトラライトには負けます。
また、肉厚もフロステッドと同じレベルです。
選ぶ際は厚みが4mm前後のものをお勧めします。もちろんサイズにもよるのですが、あまり厚みがあると音のサスティンが悪くなります。
また、Crystal Vibesブランドのアルケミーボウルでは、一部Empyreanをベースとしているものがあり、そちらはお勧めできません。
サンプル音を聞いてもらうとわかるように、サスティンが極端に短いものが多いからです。
実際、ぼくは一昨年このタイプのボウルを買ったことがありますが(9inch GのSmokey Quarts Empyrean)、あまりにサスティンが短かったので返品しました。
当時、フロストで同サイズ同音階のボウルを持っていたのですが、それと比べても短かったので。
このショップは膨大な商品数を抱えるが故に、たまにははずれのボウルにも行き当たりますが、無条件で返品や交換を受け入れてくれる点はさすがですね。
Empreanは回し弾きがしやすいボウル。音が比較的割れにくいので、かなりボリュームを上げてもOK。
Perfect Pitchのボウルも入手しやすく、価格的にも値頃感大。
CT社のアルケミーで10インチを買った日には、安いものでも20万はしますから。
Empyreanはクリアの次にお勧めのボウルですが、クリアとの品質の差が少なからずある点はご留意ください。

※2016/02/10追記 : 鈴木さんのショップ(天使の樹)に、ウルトラライトとセラピューティッククリアのボウルが数個入荷しました。まだ細々と制作しているようですね。よかったよかった。

 

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