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2015年10月27日 (火)

奥胎内紀行 (2)

26日、奥胎内を訪れたのにはひとつの目的がありました。
そのきっかけとなったのが次の本。

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胎内市在住の登山家・五十嵐力さんが昭和52年に自費出版した本です。
学生時代、飯豊連峰にはまっていたぼくが、わざわざ五十嵐さんの自宅まで押しかけて買った本なのです。
今年の6月、新潟日報にある記事が載りました。
昭和16年、戦闘機が奥胎内に墜落し、操縦していた山口県出身の浅野少尉が亡くなりました。
懸命な捜索にもかかわらず遺体は見つからなかったのですが、パラシュートを始めとする遺留品は発見されました、もちろん大破した機体も。
戦後、遺留品が多数発見された頼母木川の河原の近くの林道沿いに慰霊碑が建てられました。
で、今年38年ぶりに関係者が集まって慰霊祭を行ったというのが記事の概要でした。
実は「山の話」には、この事故の顛末と事故にまつわる不思議な話が詳細に語られています。
最近再びこの本を読み返し、現場へ行ってみたくなったのです。

Img_2026

この慰霊碑まで、ヒュッテから2km、徒歩約35-40分。
慰霊碑の後ろには関係者の名前が記載されています。

Img_2030

ちなみに、飛行機の残骸が見つかったのは、大樽山の中腹、山の神沢と飯米沢を底辺とした三角形の頂点のあたり。
パラシュートは足の松尾根登山道の中腹の、大きな楢の木があるところで見つかったそうです。

Img_2043

これがくだんの足の松尾根ですが、もう少し上かもしれません。
本の記述だけではよくわかりませんね。大きな楢の木が今も残っていればいいのですが。
一方、林道沿いに沢の名前が書かれた看板は立っていないし、国土地理院の1/2.5万地形図に記載はないものの、山の神沢と飯米沢は地形的にすぐわかりました。
晩秋の今の時期だったら、飯米沢を詰めて墜落地点へ行けそうです。
現場には捜索に携わった人たちの名前~井上藤七、宮献、スターリン(誰が刻んだんでしょう?)~の切り付けが「昭和十六年六月二十三日」の日付と共に残っているそうです。
残念ながら飛行機の墜落地点と思わしき尾根は林道からは見えませんが、強い郷愁を感じました。

Img_2072

飯米沢と頼母木川の合流地点で、数カ所に渡って、飛行服、ズボン、靴、ハーモニカ、マッチ、たばこ、印鑑などが発見された、と「山の話」にはあります。
その河原がここす。
このあたりは林道から沢までそれほど高度差がなく、傾斜も緩やかなので比較的容易に河原へ降りられます。
時間切れで河原には降りなかったけど、おそらく浅野少尉もこの広い河原まで辿り着いてほっとしたことでしょう。
ここを基点に数泊ビバークし、やがて本流を下降中に誤っておぼれたか、枝沢に入って遭難したのではないでしょうか。

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もうひとつの目的は、足の松尾根登山道に入ってすぐの平坦なブナ林へ来てみることでした。
行ってみたら、御用平という案内板が立っていました。
そのいわれをネットで調べてみたのですが、全くわかりませんでした。
神林村在住の天体写真家・沼澤茂美さんによると、100年前までここには小さな集落があったそうなんです。
ここは本当に山奥なので、にわかには信じられない思いですが、奥三面ダムの底に眠っている三面集落も思い切り山奥ですし、昔の人の生命力とバイタリティーは現代人には想像もつかないものがあるようです。
さて、この御用平、野球場がすっぽり入るくらいの広さがあります。
大石山へと続く登山道はもう少しすると急登の連続になるのですが、ここは本当に気持ちのいい平坦地。
大人の隠れ家(というには山奥すぎるが)を発見した思いです。

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コメント

紅葉最高ですね〜!!
佐藤さん、今度その山のはなしの本貸して下さーい。とても読んでみたい!そしてそしてブナ林も気持ち良さそうな所じゃないですかー!!
今日もイイ天気。また、イイ所に行ってそぉー!笑。

りかしゃん、了解です。ぼくにとって山関係の本でバイブルとして熟読してきた本は2冊あります。1冊はこれ、もう1冊は藤島玄著「越後の山旅 上巻」です。これも貸しますね。来春からは本格的に山ガールとして活動を開始する予感。ぼくも来年は積極的にあちこち登ろうと思っています。

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