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2012年6月27日 (水)

EOS 60Daのダークフレームテスト

どうやら60DaのCMOSは厳選されたそれが使われていることが明らかになってきたので、60D改から乗り換えるべく購入しました。
ここ数日、X6iも含めいろいろテスト撮影してきましたが、ダークを撮ると確かに60D改に比べて違いが認められました(X6iのダークは大きく劣るので、ここでは結果をします)。

Hikaku_iso1600

室温23度、ISO1600、露出5分のダークです。
RAWで撮影、DPPで現像しています(+1EV)。ピクチャースタイルは忠実。
ぼくの60Dは誠報社での改造。
ここでの改造機は、ホワイトバランスオートのポジションに、あらかじめ今回の60Daのごとく普通の撮影でも使えるよう、ホワイトバランスを整えた設定が記憶されています。
ちなみに、ハワイとバランスを太陽光にすると、ちまたの改造機同様、色調はピンク褐色になります。
なので、ホワイトバランスはどちらもオートの設定です。それにしても、色味が違いますが、このレベルではノイズの質や量に、大きな違いは見られません。

Hikaku_iso3200

ISOを3200に上げ、現像時+2EVとしてさらにノイズを強調してみました。
60Daの方がノイズが滑らかで、赤いつぶつぶが少ないことがわかります。
ここではピクセル等倍画像ですが、全体像を見ると違いはもっと直感的にわかります。
とはいえ、もともとぼくの60Dは非常に優秀な個体で、違いは巷で騒がれているほど大きくはありませんが。

60d_60da_photoshop

ISO1600、5分で撮ったダークをフォトショップで現像してみました(各パラメーターは初期設定のまま。露光+1EV)。
予想はしていましたが、DPPよりはるかに黒っぽくなりました(ただし、こちらはピクセル等倍ではありません)。
ここにおいて、60Daは明らかなアドバンテッジを示しています。
ひたすら真っ黒。
ぼくは天体写真や星景写真ではほぼ100%Photoshop CS5で一環処理していますので、これは期待できます。

Daytime_comparison

ついでに、一般風景をX6iも交えて撮ってみました。
(レンズは共通で、シグマの17-70mm F2.8/4 DC OS HSMの70mm側を使用。)
この風景はぼくの部屋から見えるもの。つまり、撮ってその場でパソコンモニターに映し出される実際の色合いを比較することができます。
意外や、もっとも現物の色に近かったのは、ホワイトバランス太陽で撮ったときの60Daでした。
誠報社改造の60Dのオートも悪くありませんが、色の階調がやや単調かなという感じ。
60Daの方が立体感があります。
実は昨年マウイ島を旅したとき、この60D改1台で通したのです。
思ったより昼間の風景でもまともな色調で撮れましたが、問題だったのはAFの精度。
60Daもメーカーサイドでは300mm以上の望遠レンズを使った撮影においてはマニュアルフォーカスするようにとコメントしていますが、60D改は通常の焦点距離においてもピントを微妙にはずことが多かったです。
60Daはホワイトバランスオートでも太陽でも結果が予想できる色合いになるので、これは一般撮影においても使いやすそうです。

※おとといの夜、60Daで初めて星を撮ってみましたが、画像処理がとてもラクだったことを書き添えておきます。人工光が混じり合った難しい状況下でも、ナチュラルな色合いに写ってくれました。

※X6iと60D改で、室内をISO6400で撮って比較したところ、こちらはわずかですがX6iの方が色ノイズが少なく、シャープ感がありました。天体写真など、長秒露光には向かないと思いますが、2~3秒以内の撮影でしたら素晴らしい絵を吐き出してくれます。
ちなみに、Imaging Resourse というサイトで、客観的に主なメーカーのDSLRの高感度画質を比較することができます。
二つの絵柄で各メーカーの主力機種をISO12800もしくはISO6400で比較したところ、キャノンの5D3が一番良かったです。X6iも悪くない。60Dと同等か、わずかに上だと感じました。
G1Xもなかなか。7Dはわずかに60Dに劣るでしょうか(この辺も、両機種所有しているぼくの感想と同じです)。
他のメーカーでは、大ヒットしたオリンパスのEM-5が検討していましたね。
一方、ニコン機は??でした。特に、APS-C機でありながら、画素数を一気に上げてきたD3200の絵はかなりノイズまみれ。D800でさえ・・・あとはみなさんがご自分の目で確かめてみてください。

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コメント

えっ、なんか展開が予定より早すぎませんか?
X6iはまだしも、60Daまで到達してしまうとは・・・。
でも、身近な方から60Daの感想を伺えるのはウエルカムです!
掲載された60DとDaの画像をレベル切りつめて比較しましたが、圧倒的な差がありますね。
冷却60Dと遜色ないのではないでしょうか?
その比較が見たいところです。

やるときはやります!その代わり、純正24-70 F2.8L IIを買うのはあきらめました。ちぇり小屋さんとこで60Daと5D3のダークの比較がありましたよね?あれで決意しました。60D自体が非常にノイズの少ない機種だったので、これを冷却仕様にしたものは敵なしだと思いますよ。でも、冷却40Dと同じぐらいのレベルには到達しているのでは?と感じます。少なくとも、冷却X2を既に凌駕しているのは間違いないでしょう。

60Daが冷却よりノイズが多いのは当然だと思いますが、価格と電源などの課題も考えれば、Daは非常に魅力的だと思います。

冷却60Dはまるひさんが所有されていますよね?
身勝手な言い分ですが、その差がどの程度なのでか比較してみては如何でしょうか?

冷却機に魅力を感じない理由:ファインダーが覗きにくい、重くなるのでポー赤には向かない、大容量の電源が必要、長くても4~5分の星夜・星景写真にはオーバースペック。なので、すみませんが冷却機との比較は興味がないんです。それより5D3との比較を知りたかったのですが、それはちぇり小屋さんがやってくれたし。でも、実写はまだ違いますけどね。1分前後でOKの星景写真なら、X6iも十分戦力になると思っています。

こんばんは、ちぇり小屋のちぇりたです。
60Daを購入されたのですね。おめでとうございます。
60Daで撮影された天体写真を期待しています。

ところで1つ伺いたいことがあります。
天体撮影の現像ソフトなのですが、多くの方がフォトショップを使われているようです。
有名で実績のあるソフトですからユーザーが多いのは分かりますが、実際どうなのでしょう。
廉価なソフトにステライメージという天体専用ソフトがあります。
自分としては後者の方が手軽ではないかと考えています。

天体初心者の導入にお勧めなソフトがあれば教えて頂けると有り難いです。
因みにPSはCS1まで使っておりました。

ちぇりたさん、こんばんは。70Dがよさげですが、高く重くなりそうなので60Daで妥協しました。キャンセル品(多分)なので、市価より2万安く入手できました。ソフトはステラももちろん持っています。SilkypixにDPPと一通り使ってきましたが、Photoshopが解像感とノイズのバランス、発色すべてにおいて他のソフトを大きく上回っているので、おととしあたりからは9割方こちらで現像、及びその後のフォトレタッチ処理を行っています。ステラはコンポじっとするとき使っています。コンポにおいてはどのソフトより厳密に合わせられるますから。しかし、キャリブレーションに対応していないのと、ノイズ処理がもっとも下手だと感じます。冷却CCDでなければ、こちらを使うメリットはないかと。またPhotoshopだと豊富なサードパーティー(個人を含む)が有料・無料で膨大な数が用意されており、こちらもメリットです。ぼくはNik SoftwareのColor Efex Pro4を愛用しています。また、20ドルほどの天体写真用アクションツールを併用しています。こちらも、簡単に天の川や散光星雲を強調することができ、ノイズ処理のフィルターもありますし、直感的に操作できるのが気に入っています。あと、いろいろなメーカーの主要なレンズのプロファイルが用意されており、周辺減光や歪みなどワンタッチで補正することができるのも強みです。
ステラできちんとダーク減算やフラット補正をせずとも、CS5のCamera Rawで現像した方が質のいい絵が生まれます。天体望遠鏡ならやはりフラットは行った方がいいですが、カメラレンズならCS5だけの処理で充分かと。
Photoshop Elementsも安いですが、16ビット処理ができないし、意外と重いソフトなのでお勧めしません。Lightroomも広く使われていますね。でも、幾つかの機能制限があるので、Photoshopにはかないません。
また、星景写真の場合、地上風景と星空とぼくは分けて処理しているのですが、その場合Photoshopを使うと枝の1本1本まできれいに分離できるのです、しかも簡単な操作で(もっとも、入門書でなく、上級者向きのハウツー本でないとやり方は書いてありませんが)。
最近はDPPもかなり進化してきたので、ちょっとした処理で済ませるのだったら、こちらでもOKです。無料ですしね。こういったソフトでの処理の仕方は過去ログにいくつか書いてきました。記事が多いし整理整頓できていないので探すのは大変かと思いますが、探してみてください。

ちぇりたさんへ補足です。星景にしろ天体写真にしろ星を撮るときはM-Rawで撮影されることをお勧めします。60Dだと1000万画素になりますが、単にキャノンのそれは間引き処理しているわけではなく、全画素を使って秘密の処理をしているとのこと。これはメーカーの人がどこかで言及していましたし、海外のサイトでも確認しています。海外のコアなサイトで(天体写真ではないですが)、MRawで撮影した方が物理的に上質な絵が吐き出されるらしいです。かなり詳しく検証されていました。その記事を読んでから、ぼくはひたすらMRaw設定です。明らかにフル画素で撮るよりノイズが少なくなります。フル画素で撮ってそののちに1000万画素に縮小した画像と比べても、Mraw画像の方が上なのです。
1000万画素でもA2までは引き延ばせますし、Photoshopを使うと最大300%まで画素を増やすことができるので、ポスターサイズに引き延ばすことも可能なのです。5D3もMRawで撮ったらさらに高感度耐性が上がると思われます。

早速のお返事ありがとうございます。
しかも非常に詳しく、そして丁寧なコメント内容に感謝いたします。

やはりフォトショップがベストなようですね。
私のPSでは、すでにアップグレードサービスが終わっていますので、頑張って新規購入いたします。

それと興味深いmRAWのお話ありがとうございました。
意外ですね。こちらも参考にさせていただきます。

僕も冷却が欲しいとは思ってません。
冷却と良い勝負をしているのではないか?という疑問に終止符を打ちたいだけです。
基本、重装備は嫌いですから・・・。
まあ、直焦点はそうはいきませんがね。

ちぇりたさん、ぼくもちぇりたさんの記事は大いに参考にさせて頂きました。これからも情報交換し、お互いいい写真を撮っていきましょう。

もっちゃん、もっちゃんは大砲を持っていますからね。何かと気になることでしょう。
今日、おとといの夜アヤメを60Daで撮った画像を処理してみましたが、うっかりMrawに設定するのを忘れて、普通のRAWで撮りました。それほど差があるとは感じませんでしたが、変なカラーノイズは本当に出ないですね。ホットピクセルがほとんど皆無なのにも感動しました。
冷却だと重量が1kgいきますので、三脚もごっついのを用意しないと行けません。ま、それは5D3でも同じですが。あと、カラーバランスを取るのは本当にラクでした。

60Daですかー。いいですね。写真ぜひみたいですね。

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