棚田と天の川 (2)
最近、星景写真を撮るのに使うレンズは二つ。
シグマの魚眼レンズ10mm F2.8と、キャノンのEF14mm F2.8L IIです。
前者は若干ですが、絞り開放での倍率色収差がキャノンのそれより少なく、ピントの許容範囲が広いです。
キャノンの単焦点は、価格がとても高いですが、現時点ではキャノンマウントのレンズで画面の隅まで星がびしっと点に写る広角レンズはありません。
しかし、ピント合わせが非常にシビアです。また、絞り開放では特に周辺部で色ズレが見られます。
画角としては35mm換算で22.4mm、とても汎用性の高い焦点距離で、最も出番の多いレンズとなっています。
EOS60D改 + EF14mm F2.8L II USM
ISO800, F4.0, 4分 (TOAST PROによる追尾撮影、以下同じ)
EOS60D改 + SIGMA FISHEYE 10mm F2.8 DC HSM
ISO800, F4.0, 4分
同じ絞りと露出で、くだんの2本のレンズで天の川全体を捉えてみました。
35mm換算で16mmとなる魚眼レンズは、どうしても地上風景が隅に入りやすいので、構図を決める際には注意しなければなりません。
標高の低いところで撮影する場合は低空に色被りが発生することがほとんどなので、その辺も考慮する必要があります。
しかしながら、射手座から白鳥座までの天の川を収めようと思ったら、キャノンの14mmでははみ出てしまうのです。ですから、目的に応じて使い分けるようにしています。
14mmで撮った方の天の川は、そのとき透明度が上がっていたせいもあり、とても満足のいく写りになりました。
織り姫(ベガ)と彦星(アルタイル)に意識を向けながら構図を決め、シャッターを押しました。
EOS60D改 + EF14mm F2.8L II USM
ISO2000, F2.8, 50秒
ISOを2000まで上げると、一気にノイズが増えます。
その代わり、水田に写り込む天の川、このカットが最もクッキリと写ってくれました。
EOS60D改 + EF14mm F2.8L II USM
ISO1600, F2.8, 60秒
松の木平は南の方が低くなっています。
ですから、奥行き感のある構図が得られます。
高根集落のもやっとした蛍光灯の灯りがなければ最高なのですが・・・
EOS60D改 + EF14mm F2.8L II USM
ISO2000, F2.8, 45秒
水田に写り込む星が、灯籠のように印象的に写ってくれました。
狙って撮ったものではありませんので、再現性はありません(^^;)
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コメント
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美しい星景ですね。私は写りすぎる天の川より、こういう情緒ある写真が好きです。
土曜日は夜半から晴れたようですね。夕方まで雲が厚かったのですっかりあきらめてしまいました。夜中に外に出てみたら雲がなかったので、あ~しまった、と思いましたが後の祭りですね。翌日の青空を見てずっとため息をついていました。
私の天蓋遠征はいつになることでしょう。
投稿: まるひ | 2012年5月28日 (月) 19時49分
まるひさん、こんばんは。コメントありがとうございます。奇しくも、2週連続で土曜が快晴になりました。実は先週の土曜、現地で知り合いのsさんと遭遇したのですが、天蓋からの帰りだという彼によると、何人か星を撮っている人がいたということでした。おとといも帰りに天蓋へ立ち寄ったのですが、一人星を撮っている人がいました。週末が晴れると、誰かしら天蓋にいますね。いいことだと思います。
投稿: 佐藤俊彦 | 2012年5月28日 (月) 21時01分
こんばんは。
この棚田の星景もすばらしいですね。
田毎の月ならぬ田毎の星ですね。
先週の土曜の夜に天蓋高原で写真を撮っていたのは私です。他に横浜から晴れ間を追って北上してきた人がいました。機材はアトラクス赤道儀にタカハシFSQ106でした。もう一組10センチ双眼鏡で観望の年配の夫婦がいました。
たしか、一台駐車場の入り口を通り過ぎてUターンしておりて行った車がありましたが、sさんだったのでしょうか。
投稿: skmae | 2012年5月28日 (月) 21時35分
19日の夜にいらしてたんですか?帰りに立ち寄ればよかったですね。Sさんは、「デジタルで見ていた風景」というブログをやっていらっしゃる方です。昨年の今頃も池ノ平でお会いしたんですよ。この方の行動力は私以上で、まさに神出鬼没。あの数日後には鳥海山まで出かけていたくらいですから。
投稿: 佐藤俊彦 | 2012年5月28日 (月) 21時48分