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2011年12月16日 (金)

Rogelioさんをリスペクト!

先日の皆既月食の日、曇ってしまったのでおとなしく家に帰り、久々にNASAの天体写真紹介サイト「Astronomy picture of the day」をネットサーフィン。
実はこの記事を書いている今(16日22時すぎ)も新たな記事を読んでいるのですが、本当にいつも大感動させられます。
つい先日の皆既月食の写真がアップされていたのですが、思わずうなってしまいました。う~ん、こういう切り口もあるのか。同じ被写体でも、撮る人が違えば百人百様の絵が生まれます。そんな単純な事実を思い知らされたのでした。
さて、月食の日の夜、このサイトで同じ人の写真が掲載されていることに気づき、その人のサイトを訪問してみたのです。
Deep Sky Colors」サイト主はRogelioさんという方。お住まいはサンフランシスコのやや南、サンホセにほどなく近い町。
間違いなくこの方は世界最高峰の天体写真家ですね。PCのモニターで見る絵で、これだけ感動したのは初めてです。
どの写真も人間離れしているというか、近未来人が撮影した画像のよう。
この方、荒野のど真ん中に住んでいるわけではなく、光害地に住む住人です。
よく行く撮影地はかなり標高があるみたいですが、それにしてもまるで宇宙空間から撮影したようなスーパーリアリティーの写真がこういう普通の場所で撮影されているなんて。
この方、いろいろなジャンルの天体写真を撮っていますが、一番の真骨頂は散光星雲の写真(Nebulasという文字をクリックすれば、ギャラリーが見れます。わからない方はこちらをクリック)。
どの写真も立体感がスゴイ。3D映像を見ているような錯覚を覚えます。
どんなすごい機材を使っているのかと思いきや、普通のハイアマチュアの方と変わらないのです。しかも、望遠鏡と赤道儀はメイドインジャパンですし。

赤道儀:タカハシEM200&400
望遠鏡:タカハシFSQ 106ADX & VIXEN VC200L(後者はファーストライトがまだだそうです)
カメラ:SBIC STL-11000 モノクロCCDカメラ & CANON EOS40D (IR フィルター換装、しかし冷却機ではない)
画像処理:PixInsight & Photoshop

1枚1枚詳細な撮影データが用意されているのでつぶさに見ていくと・・・総露出時間が半端じゃないです。10時間越えはざら、ぼくの好きな作品"Clouds of Perseus"に至ってはなんと128時間!
このサイトのもうひとつの見所は、画像処理について初心者にもわかりやすい丁寧な解説がされていること。
もともとこの方はインターネット関連の小さな会社の経営者なので、画像処理はお手の物。それでいて、常によりシンプルでスピーディーな処理を心がけているそうで、そんな姿勢に共感したりします。
この方のメインのソフトはPixInsightなのですが、この方が作成したこのソフトのマニュアルが公開されていますので、興味のある方はどうぞ。
各項目を拾い読みしただけで、頭がくらくらしてきます。天体写真専門ソフトの金字塔と言われるゆえんですね。本当に高機能で奥が深い。
今の僕にはとうてい使いこなせそうにないので手は出しませんが、やはりモノクロCCDを導入した日には使わざるを得なくなると思います。
そして、この人に好感を持ったのは、自分にとって天体写真とは何か?と題したエッセイでした。
内容は省略しますが、まったく気取ったところがないのです。
天体写真を特別視しているわけではなく、朝飲む一杯の珈琲がおいしいのと同じ意味合いにおいて、満天の星空を眺めるのは素敵なひとときであり、それ以上でもそれ以下でもない。機材の選定から撮影計画の立案、現地へのドライブ、実際の撮影、そこでの様々な些細な出来事、晴れたり曇ったりの天気の移ろい、撮影後の画像処理、完成した写真のブログやHPへの掲載作業、そして次なる被写体の選定、それらの総体が天体写真なのであると。

きっと家庭では暖かいパパなのでしょうね。
自己紹介のページにお子さんと撮った写真が小さく載っているのですが、人柄が伝わってきそうな雰囲気です。
そんな余韻をひっさげて先日二王子山で写した他の画像をチェックしていたら、面白い写真を見つけました。長辺2100pixelでアップします。

Img_4034p

星が尾を引いています。
最初はレンズのゴーストかなとも思ったのですが、星図で調べてみるとそもそもこの位置に明るい星はないのです。リゲルは左にありますし。
フシギはフシギのままにして、そっとしておくのもいいかもしれませんね。
なんだろう・・・?ワクワク

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天体写真」カテゴリの記事

コメント

すごい写真ぞろいですね。条件のいい撮影地、いい機材、撮影者の努力のたまものなのでしょうね。
だけどいつも不思議に思うのはどうしてこういう写真を日本のハイアマチュアの方が発表されないのでしょう。長時間露光できないという、日本の天候の事情もあるのでしょうが、決して作れない写真ではないと思うのです。
そこには多分に西洋と東洋の美意識の違いがあるのでは、と思っています。このところのYさんのブログにそんな意味のことが書いてあるので、興味深く毎日読んでいます。

まるひさん、単純に感動を覚えるでしょう?ぼくがこのサイトを紹介した動機の一つに、機材の善し悪しや画像処理のテクニックをを超越して、どんな人にでも他者の心を打つ素晴らしい写真を生み出すことは可能なのだということを伝えたかったというのがあります。美意識はもちろんですが、エゴの本質について東洋と西洋というより、個人によって大きな価値観の違いはあるでしょうね。美しいものを追求するのと、他人の視線を意識して枝葉の部分でよりよく魅せようという意識は根本的に違います。悲しいかな、その部分で日本人は悪い意味でストイック。そもそも宇宙の姿や色について、突き詰めれば客観性という尺度はないというのがぼくの考えです。各人、見たいように見ている。受け取りたいように受け取っている。そこを踏まえた上で、何を創り出したいのか、何を表現したいのか。その部分は人間の数だけの可能性があるべきで、だからどんな作品も宇宙ではそれがただひとつの存在。みんな自分の作品をもっと慈しむべき。他者のそれと既成の価値観で比較するのはエネルギーの無駄遣いです。もっと自分のやり方や感性を大切にして、白紙の状態で宇宙と対峙したいなあと個人的には思っています。

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