カノープスを求めて
まずはお詫びと訂正です。
昨日、カノープスの撮影に成功した旨の記事をアップしましたが、実際はカノープスは写っていなかったため、記事は削除しました。(Sさん、ありがとうございます!)
11月2日、昨年から目を付けていた山古志村の種苧原郊外の某所へ行ってみたのですが、結構高い木立があちこちにあり、当初の場所を変更しなければいけませんでした。
とはいえ、新たに探した場所もすぐ近くですし、標高490m近くあります。
ステライメージのシュミレーションだと見えるはずでした。
しかしながら実際に写った星を精査してみると、カノープスはこの場所からは見えないようです。
本当にあと少しの所で稜線に顔を出してくれません。あと100m高かったら見えるのだろうけど、かといって長岡の八方台では見えないし、本当に見える場所探しは困難です。
EOS60D改 + Samyang 35mm F1.4 AS UMC (with LPS-P2 & プロソフトンA)
ISO1250, F2.8, 1分
ぼくがカノープスと勘違いした右の稜線に近い赤い星は、τPup (とも) 光度 2.94。
ステライメージでバイエル名を表示させると、カノープスのすぐ左隣にこの恒星を見つけることができます。
EOS60D改 + Samyang 35mm F1.4 AS UMC (with LPS-P2)
ISO1600, F2.8, 1分15秒
カノープスと思い込んでいたτPup が見えていたのが、おおむね2時55分から3時40分頃まで。
上の写真は3時50分に写したものですが、既にτPup は沈んでしまっています。
画面中央下の稜線に近いところに輝く明るい星は、アルスハイルアルムリフ。
この星だったら、随分長いこと見えているんですけどね。
場所の確認のために装着した拡散系フィルターを外して撮ってみると、とも座付近にはいろいろと特徴的な天体が多くあることに気づかされます。
その代表格がNGC2477でしょう。真ん中よりやや下にもやもやっとした雲のようなものが写っていますが、これがそう。
かなり密集した散開星団で、今度は望遠レンズで狙ってみたい対象です。
その左には同じく散開星団のNGC2546、すぐ上にはNGC2451があります。
地平線近くなので赤い散光星雲はほとんど写っていませんが、南半球へ行けばこのあたりはかなり真っ赤に写るはず。巨大なガム星雲の一部だからです。
あと、この日撮った写真を幾つか掲載します。
EOS60D + EF14mm F2.8L II USM (with LPS-P2)
ISO1250, F3.5, 3分 (8枚コンポ、トリミング)
光害カットフィルターを付けているのを忘れて、超広角レンズを使ってしまいました。
そのため周辺部が激しく流れているので、その部分を大幅にカットしています。
初冬らしい星座の組み合わせです。
EOS60D + EF70-200mm F2.8L IS II USM (with LPS-P2、200mm側にて)
ISO1600, F2.8, 4分 (ワンショット)
カモメ星雲と散開星団M50の組み合わせです。
EOS60D + Samyang 35mm F1.4 AS UMC (with LPS-P2)
ISO800, F2.8, 7分 (2枚コンポ)
EOS60D + Samyang 35mm F1.4 AS UMC (with LPS-P2)
ISO1600, F2.8, 4分 (2枚コンポ)
カノープスが現れる予定時刻は3時。それまで間があったので、ひたすら双眼鏡で星空散歩を決め込みました。
カメラの電池切れでとも座付近のガム星雲(最後の写真)はたっぷり露出をかけられず、いつものショボい写りになってしまったのは残念。
南天のとの格闘はまだまだ続きます。
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佐藤さん、こんにちは
いつも美しい星景写真を楽しんでおります。
種苧原は残念でした。記事が削除されて?と思いましたが、そういうことだったのですね。τ-pupを検索したら勘違いが有るようですね。アストロアーツに写真も?付きで載っていました。
これからも沢山の情報を楽しみにしています。
投稿: けんちゃ | 2011年11月 4日 (金) 10時20分
けんちゃさん、お恥ずかしい限りです。その一言に尽きます。でも、早速今度は99%見えそうな所を見つけました。もちろん弥彦山以外でです。カノーオウスもいいですが、ほ座の超新星残骸SNRにもっと興味を持ちました。ガム星雲の一部ですが、こちらの方が高度が上だし、是非撮ってみたいです。
投稿: 佐藤俊彦 | 2011年11月 4日 (金) 10時42分
カノープス残念でしたね。新潟からカノープスが写ればすごいことだと思います。がんばってください。
昨晩話題になっていた弥彦山から挑戦した方の写真も、結局判定グレーで認定されませんでした。まるひさんも弥彦から挑戦する機会を狙っていますが、なかなか条件の良い日は少ないです。
投稿: tantan | 2011年11月 4日 (金) 12時45分
tantanさん、こんばんは。早速99%見えそうな所を見つけました。小千谷と山古志の境にある金倉山(582m)です。山頂直下まで舗装道路があり、5分で山頂。山頂には立派な展望台があり、そこへ上がれば360度の視界が得られ、カノープスも弥彦山山頂から見る以上に高いところに昇ってきます。個人的には天蓋山山頂から撮りたいのですが、かなりぎりぎり。しかも10分ぐらいしか見えません。福島県へ行くとたくさん見える場所があるのですが。
投稿: 佐藤俊彦 | 2011年11月 4日 (金) 22時23分
けんちゃさん、こんばんは。体調はいかがですか?
今回の失敗のおかげであの辺の星図を頭にたたき込んだので、次回は間違うことはないと思います。
福島県へ行くと見える場所が豊富にあるのですが、やはり初見は新潟県からにこだわりたいです。
投稿: 佐藤俊彦 | 2011年11月 4日 (金) 22時26分
こんばんは。
カノープスへの挑戦残念でした。
でもこの日は低空までよく晴れていたのですね。
ここならオメガ星団も間違いなくみられますね。
カノープスは雪を考えるとチャンスはあと一回くらいでしょうか。
投稿: skame | 2011年11月 6日 (日) 00時20分
skameさん、カノープスが全天で4番目か5番目という明るさならこれほど夢中にはならなかったでしょうけど、2番目ということであればやはり興趣をそそられます。今回シリウスが地平線に顔を出す瞬間をよく観察し、ひとめでそれだとわかりましたから、カノープスも次回は間違えないと思います。11月下旬は1-2時台に現れますから、体力的にはやや楽です。ついでに、ほ座の超新星残骸もと思っています。
投稿: 佐藤俊彦 | 2011年11月 6日 (日) 01時29分