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カテゴリー「ホタル2010-13(新発田市)」の15件の記事

2016年4月22日 (金)

田んぼの小宇宙

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37 54 56.5N 139 25 16.4E (標高58m)

これは2010年にぼくが田貝(新発田市)で撮った写真です。
左手に水田がありますが、右手は広葉樹が生い茂った丘となっており、水田と丘の境を小川が流れていました。
小川の周辺は湿性植物が生い茂り、道もないことから水生昆虫やホタルの楽園だったのです。
ぼくがホタルの生態に興味を覚え、6~7月にかけて頻繁にホタルの写真を撮るようになったのは、このポイントとの出会いがきっかけだったのです。
2010年と2011年は、もう一ヶ所の棲息地~二王子岳登山道へと通じる林道入り口の広大な湿原地帯~と共に素晴らしい乱舞が見られました。
ところが、2012年はどちらのポイントもぱっとしなかったのですが、2013年は再びホタルの楽園たるにふさわしい乱舞が復活したのです。
(2010 7/2, 7/3, 2011 7/3, 2013 6/28のブログ参照)
だけど、これらの場所で多数のホタルを見たのは2013年が最後。
登山道へ通じる林道入り口の湿原に棲息するホタルがなぜ2014年から激減したのかは、昨年、近くの集落に住むホタル好きの人から教えてもらい、納得しました。
林道と湿原の境を流れる小さな水の流れがあったのですが、そこにU字溝が設置されたのです。
この湿原も昔は田んぼだったところですが、とっくに耕作放棄地になっています。
湿原に一番近い家も空き家となり、ここより奥には人家もないし、U字溝化する合理的な理由が見当たりません。
それはさておき、U字溝化するとホタルにとってはアウトです。
そして1枚目の写真の場所ですが、とうとうここもU字溝が設けられたのでした。

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一体何のために・・・
この湿原をそのままにしておいても、なんら不都合はないはずなのに。
これを施行した土建業者や地元の人々がNOという声を挙げないと、際限なく身近な自然は破壊され尽くしていくことでしょう。
農作業の効率を高めるために”圃場整備事業”が実施されてきたのは、1960年代以降のこと。それまでの素掘りの水路は次々と護岸化され、生物多様性は著しく失われていったのです。
効率重視の農業は(酪農でもなんでもそうですが)、近年様々な弊害が明らかになってきました。
そして、100年先でも持続可能な環境保全型農業が模索されているのが21世紀以降の流れです。
ここ3週間ばかり新発田平野の田んぼや里山をしらみつぶしに歩いているのですが、昨日行った宮古木近くの丘の周囲も真新しいコンクリートの用水路が張り巡らされていましたし、昔ながらのあぜ道の残る田んぼを見つけるのは至難の業になりました。

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上の写真は4月20日の記事で、1本桜が立っている丘の周囲のU字溝です。
かなり深い、つまり高低差があります。
このように深く掘り下げられた水路は、ドジョウや蛙の生息場所として適さなくなり、産卵のために田んぼへ移動することも妨げます。
サギ類の採食場所としても不適格となり、鳥類の活動にも影響が出ます。
ある調査によると、圃場整備で畦がなくなり、コンクリート張りの深い水路に覆われると、生態系の多様性が9割方失われる、つまりそこに暮らす動植物の数が激減するのだそうです。
イナゴが跳ね、鳥が舞い、魚が泳ぐ小宇宙~田んぼ自体が生態系の一部なのです。
今回、この記事を書くにあたって特に参考にしたのが次の本。

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にぎやかな田んぼ

二王子山麓に話を戻すと、田貝・南俣 集落のあたりは特に電気柵が綿密に張り巡らされています。
川や田んぼはコンクリートで覆われ、地域の子供達が自然とふれあう機会をも奪いました。
こうして、ますます人間は自分たちを自然から切り離して生きるようになってきています。
その”分離”の勢いは加速するばかり。
記憶に新しい東北大震災は、文明のあり方を見直すよい機会であったはずですが、文明の方向性が修正されるには至りませんでした。
人間も地球という巨大な生態系の一部のはず。
それとも、人間は地球という生態系に発生したがん細胞なのでしょうか。
決してそうではないと信じたい。
破壊するのは本当に簡単です。しかし、回復させるにはその何十倍何百倍もの時間と労力を必要とします。
地方創生ってなんでしょう。地域振興ってなんでしょう。
お金の循環を基礎に置く経済システムは、その根本に機能不全を抱えています。
機能不全を覆い隠すためには、マネーゲームを延々と規模を拡大しながら続けるしかありません。まさにチキンゲームですね。
地方において、その収奪先は常に山や川などの大自然でした。

次の写真は、田貝の集会場に立つ看板です。
ここは毎年行われるホタルまつりの会場となる場所であり、今回リポートした、数年前までホタルの乱舞が見られた湿原から70mくらいしか離れていません。

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中央の看板にはこう書いてあります。
「にのうじ山麓 景観ゆめみの里 平成17年11月30日 田貝地域ビジョン実行委員会」
この看板を立てた関係者は、何を夢見たのでしょうか。
今、目の前にははげ山に近い状態になった丘が拡がります。
保つべき景観、守るべきいのちとはなんでしょう。
水と生き物に親しむ絶好の空間である田んぼ。
その機会を自ら損ねる行為のおろかさに、少しでも多くの人が気づいてくれることを”夢見”ます。

2013年6月29日 (土)

新規開拓したけれど・・・

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EOS60Da + EF24mm F1.4L II USM (3コマモザイク)

今日は田貝にてホタルまつりが開かれるので、昨年から目を付けていた新しい場所で上の1枚だけ撮影してきました。
前回撮った場所と同じかさらに広い湿原が拡がっており、湿原の中は長靴でもずぶずぶ埋まっていくので、田んぼのあぜ道を歩くしかありません。
場所もちょっとわかりにくいので、このポイントは今後もコンスタントにホタルを見ることができると思います。
パノラマにし、画像処理して初めて気づいたのですが、車のヘッドライトが当たるあたり(赤茶けて写っている部分)はホタルがあまり写っていません。
丁度背後40mの所に道路があり、といっても道路は3~4mの高さの土手の上にあるのでヘッドライトは肉眼ではわずかしか届かないように思えたのですが、こうして見ると見事にその部分だけホタルが避けて飛翔しているのがわかります。
ここ1~2年で、車のヘッドライトの明るさも一気に増しました。フォグランプを常時点けている車も多いですね。
外灯も、どんどん交通量の少ない田んぼの中や山奥へ進出してきています。
無駄な人工光を厳密になくしていったら、どれだけ素晴らしい自然が眼前に蘇ることか。
ホタルが増えるだけでなく、人間の心身のバランスも劇的に良くなるのにね。

2013年6月28日 (金)

復活!田貝のホタルたち

昨年全滅に近かった二王子山山麓・田貝のホタルたちが復活しました!
ホタルたちの乱舞がなかなか始まらないのでやきもきしましたが、20時10分頃から一斉に舞い始めました。
3年前の大乱舞にはまだ及びませんが、取りあえず例年並みの数は見ることができたと思います。
明日の夜は、恒例のホタル・ウォークが田貝を舞台に行われます。
ぼくは最近10年間参加したことありませんが、明日はきっと参加者にとってサプライズとなるでしょう。

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EOS 60Da + EF24mm F1.4L II USM(比較明合成・総露出時間約20分)

乱舞が見られたのは、田貝の入り口の湿原。
登山道へ続く分岐点の付け根の湿原は、こちらより日当たりが悪く標高がほんの少し高い分だけあまり飛んでいませんでした。
ユーレイみたいなのが写っていますが、記念なのでそのコマもコンポジットしました(^^;)

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EOS 60Da + EF24mm F1.4L II USM(比較明合成・総露出時間約50分)

バックの一番高い山は二王子山(1421m)のピークです。
やっとお気に入りのアングルを見つけたので、ここでレンズのテストも兼ね、様々な絞りとシャッタースピードの組み合わせでバシャバシャ撮りながら、1時間くらい粘ったでしょうか。
重ね合わせる枚数を半分に減らした方が絵的には美しくなるけど、あえて全ての画像をコンポジットしました。ホタルたちの復活記念ですから!

2012年7月 3日 (火)

二王子山山麓のホタル

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EOS60Da +  TAMRON 24-70mm F2.8 Di VC HSD(24mm側にて)

処理内容は7月1日のポストと同一。画像のサイズも同じ横幅1500ピクセルに合わせました。
先日より若干コンポ枚数を増やしていますが、絶対数が少なかったため、乱舞というにはほど遠い。
場所は二王子山登山口の入り口の湿原地帯。
おととし、昨年と6月末に多くのホタルを目撃した場所です。
昨日雨が降ったのでどうかなと思って行ってみたのですが、土曜(あまりに少なかったので写真は撮らなかった)に比べて15%増しといったところ。
まだまだ少ないですね。本当に今年はどうしちゃったんだろう。
ただ、ひとつ希望もあります。
4日が満月なので、それからはホタルの活動時間帯である20~21時が闇夜になってくるということ。
月没が金曜は20時40分、土曜が21時10分なので、週末に期待です。
昨年初めて行った蒲萄集落背後の野原は標高が180mあるため、気温的にもその頃から丁度いい条件になってくると思います。ぼく的にはこの場所が本命です。
もう一箇所、新規開拓ということで関川村のかじか谷へ近日中に行ってみるつもりです。
知人がここに住んでいるのだけど、ホタルがたくさんいるそうな。
1/25000地形図で見ると、地形的にはいい感じ。
今日ホタルが舞っていたところは、やはりというか月明かりの当たらない杉林の木陰が主でした。
闇夜になることによって、果たしてホタルは爆発的に増えるのでしょうか?
まずは検証検証・・・

2011年7月11日 (月)

ホタル日記 (7) そして白鳥座が現れた

日曜日、往生際が悪い僕は、かねてから気になっていた姫田川上流部へ行ってきました。
二王子神社のすぐ近くに妹背滝がありますが、そこから北に平行して流れている川はずいぶん奥まで舗装された林道が延びています。
丁度標高200m地点まで20時前後に行ってみたのですが、ホタルはまばら。
でも、蒲萄や田貝周辺のどこより広大な湿原が標高170m付近に広がっており、ひょっとしたらひょっとするかもという期待を抱かせてくれる風景に出会いました。
久々によく晴れ上がり、頭上には白鳥座がくっきり見えています。
今年もっとも通い詰めた南俣 集落外れの、登山道入り口林道下部の湿原へ立ち寄り、半月より大きな明るい月のもと、ポータブル赤道儀を使って数枚記念写真?を撮影。

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EOS60D改 + EF14mm F2.8L II USM
ISO800, F2.8, 60秒, 追尾撮影 (LEE社 SOFT3フィルター使用)

時刻はすでに21時半を回っているので、さすがにホタルは数匹しか飛んでいません。
運良く画面左に入ってくれましたが。
やっぱりこの場所が一番ですね、ホタルと星を一緒に写し込むホタル星景用の場所としては。
これだけ明るい月が出ていても結構天の川のディテールは写るので、闇夜で快晴だったらすごいでしょうね。
来年も多くのホタルに再会できますよう。

2011年7月 6日 (水)

ホタル日記 (4)

火曜日は前日の予報だと晴れということになっていたので、念のためポー赤を持って田貝集落へ行ってきました。
新しい場所も下見したけど、そもそもこの日はとても涼しく大雨の後だったので条件としてはよくありません。そのせいか、どこへ行ってもホタルはまばら。
結局登山道入り口ポイントへ行ったのだけど、おとといの1/5くらいしか飛んでいなかった。

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これは去る6月30日に撮った写真です。
場所は田貝集落への坂を下る途中の田んぼ。道路を挟んで反対側が昨年一番多くホタルがいた湿原です。
去年も今年もこの場所は飛び抜けてホタルが多くいるわけではないけど、どんな条件のときでもコンスタントにホタルの飛翔をみることができます。
今日も帰りに立ち寄ってみたら、他のどの場所より多くいました。

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これは7月1日に、登山道入り口林道の二つ目の区画で撮ったもの。
一時的に星が見えていたので、星の軌跡が映り込んでいます。
しかしながら霞がひどく、追尾撮影をする気にはなれませんでした。ちょうど上に送電線があり、それが入ってしまうのも気に入らなかったし(一番奥の区画へ行けば入りませんけど)。
時刻もすでに21時半を回っており、ホタルもあまり飛んでいないので(それでも、今日よりは飛んでいますが)、当初ボツにする予定でした。
今年の地元でのホタル鑑賞会はこれにて終了。
晴れて蒸し暑い日に、もう少し標高のある場所へ行ってみたいと考えています。
旧朝日村はまだ未知の領域なので、そちら方面を狙っています。

2011年7月 5日 (火)

ホタル日記 (3)

7月2日は、前日の夜最後に行った場所へ直行。
早めに現地へ着き、周辺のインスペクションを済ませてから20時ジャスト、撮影開始。

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EOS7D + EF14mm F2.8L II USM (総露出時間 約4分20秒)

ここは昨夜の森のちょっと奥の部分です。
手前に小さな沢が流れており、その沢を渡って対岸の岩場から写しています。
この4日間で最も幻想的な乱舞が見られました。
ところがこの日撮った写真は、8割方ピンぼけ。
岩場を歩いているうちに、ピントリングが動いてしまったようで・・・
でも、脳裏には完全に乱舞の一部始終の映像が保存されているのでよしとしましょう。

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EOS7D + EF14mm F2.8L II USM (総露出時間 約7分50秒)

ここは上の場所と一続きになっている林。昨夜ラストに写した場所の後方側から撮りました。(やはりピンぼけです。悲しい・・・)
なぜかここの、幅50mほどの区間の林一帯にホタルが集中しています。
小沢の流れはほかにもあるのですが。
二王子山麓には、まだまだホタルが群れているところがたくさんあると思います。
自分だけの場所探しは本当に楽しい。
みなさんも梅雨の時期の楽しみの一つとして、ホタル探しに出かけてみてはどうですか?

2011年7月 4日 (月)

ホタル日記 (2)

7月1日は昨年通い詰めた湿原をあきらめ、登山道入り口の林道へ直行しました。
ここは非常に暗いので、できれば開放値F1.4の明るいレンズを使いたいところ。
しかし、フルサイズ機ならともかく、APS-C機の場合、広角でそのような明るいスペックのレンズは存在しません。
なので、あえて焦点距離85mmの中望遠レンズを使い、ホタルが最も多くいる場所を林道入り口から写したのが次の写真です。

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EOS7D + SIGMA 85mm F1.4 EX DC HSM (総露出時間 約9分)

撮影開始時刻は20時18分、すぐ近所の親子連れも来て、奥の方へと消えていきました。
ひたすら幻想的でした。ものすごい乱舞でした。
この日は21時半近くまでこの場所にいましたが、その間3台の車が林道へ進入してきました。

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この場所は林道を100mほど進んだところ、道路左側に車1台分のスペースがあり、その少し奥に2台くらい停められる広い路肩がやはり左側にあります。
ほとんどの車は奥の広い路肩でUターンしてすぐ出て行きます。
上の写真は、奥まで行った車が引き返してくるところ。
車のヘッドライトのなんと明るいことか。右側に3人の親子連れが佇んでいるのが見えます。
この方たちはマナーをわきまえており、歩行時だけ懐中電灯や赤いLEDライトをつけ、観測場所に着いたらライトを消して静かに鑑賞していました。
このブログを読んで、この場所へ今度行ってみたいと考えられている方にお願いです。
多くのホタル観賞スポットでは車の乗り入れが禁じられており、それによって生息環境が守られています。
ところが田貝集落周辺のポイントは観光化されていないため、まだ何の決まりもありません。
特にこの場所は、二王子山登山道入り口へ通じる林道がホタルの生息地のど真ん中を走っているため、できるだけ車の乗り入れは避けたいものです。
上の写真を見ておわかりのように、ホタルにとって車のヘッドライトはほとんど凶器に近いのです。
集落内にはいくらでも車を停めるところがありますので、どうか徒歩での鑑賞をお願いします。

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EOS7D + SIGMA17-50mm F2.8 EX DC HSM (総露出時間 約20分)

二王子山への登山道入り口への林道に入らずさらに100mほど進むと、南俣集落を抜けます。抜けたところ、道路の左側に車を停められますし、さらに数十メートル進むと左手に農道が合流しますからそこにも駐車できます。
この日は後者に車を停め、帰りにこの農道の奥へ下見に行ってみました。
元々この場所は10年以上前に山菜採りに来たことのある場所で、やはりホタルが多くいるのではないかとずっと想像してきた場所なのです。
上の写真は撮り始めが21時40分です。
とうにホタルの乱舞のピークは過ぎているはずなのですが、まだかなり飛んでいました。
ここも登山道入り口林道ポイント同様、完全に山の中なので非常に暗いです。
おそらく地元の人でもこの場所にこれほど多くのホタルが生息していることは知らないのでは?
新たな聖地発見です。

2011年7月 3日 (日)

ホタル日記 (1)

6月29日から7月2日まで、4夜連続で新発田市の田貝集落へ行ってきました。
昨年は田貝集落周辺だけで10カ所は下見しましたが、そのなかで最も多くホタルが見られた場所はここでした。(6月29日20時10分頃撮影)

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EOS7D + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM (焦点距離17mm、総露出時間 約6分)

田貝集落ふれあいセンターのすぐ近くにある湿原地帯なのですが、今年は昨年の半分以下しか飛翔していませんでした。
2週間前の下見で懸念していたのですが、左手に水田があり、その土手に使われている除草剤が例年より多く、湿地帯の左半分まで草が枯れており、その影響が現れているのはないかと思いました。
写真中央によく見ると車が写っていますが、この道路の向こう側の水田の方が今年は多くいるようでした。

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EOS7D + SIGMA17-50mm F2.8 EX DC HSM (焦点距離35mm、総露出時間約14分)

日付は変わって翌30日、今度は昨年No2だったポイントへ駆けつけました。
そこは二王子山の登山道入り口の林道なのですが、ここは大きく三つの区画に分けることができます。
昨年は一番集落側に近い区画にホタルがたくさん見られたのですが、今年はなぜかほとんど飛んでいません。その上の区画にはその代わり、昨年以上に飛んでいました
上の写真はその一番奥の区画で撮ったものですが、ここまで来ると周囲の木立のせいもあって非常に暗く、雰囲気も抜群です。
今年は個人的にこの場所が一番のお気に入りとなりました。


2010年7月 7日 (水)

2週間のダンス

ぼくが初めてホタルを見に行ったのは6月21日でした。
それから写真を撮らなかった日も含めると、丁度10回ホタル狩りに出かけました。
ホタルが成虫になって、光を発しながら舞うのは2週間程度と言われています。その間にパートナーを見つけて交尾し、雄は交尾のあとすぐ死に、雌も産卵後死にます。
6日、これが最後と思って田貝とその周辺の集落へ行ってみたのですが、ホタルの数は再生時の10分の1までに減少していました。
約2週間の間、幻想的な風景を見せてくれてありがとう。
心からホタルたちに感謝したいと思います。本当にありがとう。
ホタルにも天敵がいますが、生息数に最も影響を与えるのは水質の悪化だそうです。
ホタルが餌としている水生昆虫のカワニナは非常にデリケートな生物で、農薬に弱いのです。
田貝周辺が際立ってホタルが多いのは、おそらく除草剤の使用が比較的少ないからだと思います。
あちこちのポイントを訪れてみてわかったのですが、あぜ道が茶色に変色しているところ、つまり除草剤が使われている田んぼがいかに多いことか。
一昔前と違って稲に対する農薬の使用はそれほどでもないと思うのですが、除草剤の使用は野放しになっているようです。
昨日の昼間、蓮の開花状況を調べに福島潟へ立ち寄ったときのこと。
蓮畑周辺の草むら、蓮畑に至る小道周辺の草むらが軒並み除草剤で枯れていました。
5年前に来たときはこんな光景は見られなかったのですが。
環境意識の高いと思われている福島潟でさえ、現状はこうです。
ここだって、その気になればホタルの楽園になると思うのですが、野鳥以外の生物はあまり留意されていないようです。

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田貝で一番生息数の多いと思われるこの場所も、水田側は除草剤が使われていることが伺い知れます。手前がやや褐色になっているでしょう?

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来年もまた夢の飛翔が見られることを願いつつ。

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