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2010年4月11日 (日)

オメガ星団との邂逅(後編)

オメガ星団がなんとか見える位置まで昇ってくるまで時間があるので、気になっていた幾つかの天体を撮りました。

Img_1002_p

まずはソンブレロ銀河。
300mmの望遠レンズは持ってきていなかったので、200mmで撮っています。
丁度300mmで撮ったらこのくらいの大きさになるのかなあ、という大きさでトリミングしています。

Img_0985_p

ぎょっしゃ座の勾玉星雲付近。オメガ星団の位置を大雑把に知るため、最初は100mmの中望遠レンズを使用していました。
これは1枚もの。特に星雲を浮き立たせるためのフィルターは使っていないのでうっすらとしか写っていませんが、星々のシャープな写りに、改めてキャノンの新マクロレンズの解像度の威力を思い知らされました。(絞りは開放です。)

Img_0999_m83p

これはオメガ星団のやや上に位置するM83。
200mmで写し、ほぼピクセル等倍サイズまでトリミングしています。でないと豆粒みたいでディテールがわかりませんから。
思ったより小さくしか写りませんでしたが、憧れの銀河だっただけに、その姿を捉えたときは感動しました。

Img_1008_1011p

昨年は好条件に恵まれず、さそり座のアンタレス周辺のカラフルなガス雲をきれいに写すことができませんでした。
まだこれからの季節の天体なので、あくまでテスト的に写しただけです。
昨年の経験から複数枚、できれば8枚はコンポジットしないときれいにガス雲が浮き立たないことを知りました。
しかしおまけで撮ったので、今回は3枚のみのコンポ。(他の写真は全て1枚撮りです。)
大気の透明度が非常に高かったおかげで、それほど露出をかけているわけではないにもかかわらず(ISO640、F2.8、4分)、そこそこ満足のいく仕上がりとなりました。

Img_1021p

これは終了間際(9日、1時頃)に写した、夏の天の川が昇ってきたきたところの写真。
画面左の天蓋山上空に、織り姫(ベガ)と彦星(アルタイル)が写っています。
右のオレンジ色の恒星はさそりの目玉ことアンタレスです。

一番の目的のオメガ星団は、23時と0時の2回それぞれ撮影しました。

Img_0986dp

まずは100mmのマクロレンズを、それらしい方角に向けてみました。
おお、一発で写ってくれました。感動モノです。時刻は22時38分。

Img_0991_dp

続いてレンズを200mmの望遠レンズに付け替え、本番撮影。時刻は23時6分。
特に強度の画像処理をしていない、ホワイトバランスを合わせただけの画像です。地平線に近いため、大気も含めてかなり暖色系の発色をしています。
まだこの頃は低空の透明度がそれほど良くなく、双眼鏡で見てもなんとか丸くぼやけて見える程度。取りあえず3枚撮って終了。

Img_1004_p2

0時頃、南の低空の透明度が上がったような気がしたので、双眼鏡で再びオメガ星団を探してみました。すると、すぐわかりました。アンタレスの横の球状星団M4の倍くらいの大きさに見えます。はっきりとわかります。
こんな見え方をする天体は初めてなので、とても感動しました。
再びレンズをオメガ星団に向け直し、撮影再開。
やはりオレンジ色っぽく写るのですが(上の写真は多少画像処理を施しています)、それでも解像度は23時に撮ったものに比べ、格段に向上。
全天一の球状星団らしい存在感を、まがりなりにもたった200mmの望遠レンズでかなりあぶりだすことができました。(300mmで撮ったらこんな大きさになるであろうサイズにトリミングしています。また、この写真のみSXGAにて掲載しています。)

この日は0時がベストでした。1時頃でもずっとほぼ同じ高度に見えていましたが、少しづつ西の方角へ移動していきます。1時に見えていた位置だと、村上市の光害の影響を受けるようになるのです。
オメガ星団を写すには、時間的にも場所的にもピンポイントで狙わないといけません。
地図で判断する限り、他に近県で条件の良さそうなのは、月山の南斜面。
春スキーシーズンが4月から開幕するため、姥沢まで問題なく車で入ることができます。
4月8日から開通した磐梯吾妻スカイラインもオメガ星団を見ることができますが、残念ながら肝心の南方向にかなり光害があるものと想像されます。
それにしても、色々な意味で天蓋高原は貴重な天体観測スポットと言えます。
ぼくが村上市の職員なら、オメガ星団の見える場所として観光の目玉にするでしょう。

機材: キャノンEOS40D(天体用改造)+EF200mm F2.8L USM & EF100mm MACRO F2.8 IS USM
ポータブル赤道儀赤道儀: TOAST

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天体写真」カテゴリの記事

コメント

オメガ星団の撮影成功おめでとうございます。
新潟県内で撮られたオメガ星団の写真は初めて見ました。周辺の星々も分離していて見事です。
すぐ北にあるNGC5128は写野に入らなかったでしょうか。

ありがとうございます。新潟市のベテラン天体写真家Sさんが、魚沼市で撮影に成功しています。Sさんのブログですが、「きらり一番星」で検索してみて下さい。実は昨年2回も山形県の某所で偶然Sさんに出会いましたNGC5128も当然撮る気でいたのですが、その頃になるとすっかり舞い上がってしまい、撮るのを忘れてしまいました。5月上旬に再度挑戦してみます。

NGC5128ですが、100mmレンズで撮られた写真の左端に写っています。失礼しました。私も同じ日に旧村松町へ写真を撮りに行って、撮影の合間に7X50双眼鏡でこの星雲を見ているので付近の星の配列がまだ記憶に新しいです。白山の右奥の稜線のすぐ上に見えて驚きでした。
一番星さんのHPはよく見ているのですが、最近のギャラリーは見ていませんでした。オメガ星団とNGC5128がありました。さすがですね。

ω星団、撮影成功おめでとうございます。よく見ると、初めの写真の左上の方にケンタウルスA(NGC5128)も一緒に写っていますよ!私が撮影した時よりもよく写っています。南の人ならいつでも見られる星雲・星団ですが、ここ新潟から撮影できたというのはひとしお感激ですね!

skameさん、一番星さん、ありがとうございます。あ、ほんとだ、写っていますね。あのもやっとしたのがそうなんですね。あれだとかなり高い位置で、大気もよりクリアなので、300mmを使えばポー赤でもそこそこの写真が撮れそうです。次回への意欲が湧いてきました。そもそもオメガ星団を撮ろうと思ったのは、一番星さんのHPでその写真を見てからです。一番星さんの写真の数々には本当に深く影響を受けています。ありがとうございます。ただ、天蓋高原からだと(多分他の場所からもでしょうけど)、南の方角があれほど晴れ渡ることはやはり稀です。今回は幸運でした。

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