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2009年12月11日 (金)

2時間の祝祭

10日は良く晴れました。丁度木曜日だったので、以前から疑問に思った漁師さんの定休日が果たして木曜なのかどうかも併せて確かめるべく、山形県へ行きたい気持ちを抑えて村上市の天蓋高原へ行ってきました。帰りに笹川流れに立ち寄るつもりで・・・(結局、立ち寄りませんでしたが)
しかし、好天は日没後2時間しか続きませんでした。どうも今年は夜の晴天率が例年になく悪いようです。これも気候変動の一環でしょうか。
こないだ月夜の晩に二王子神社へ行ったとき、広角ズームの詳細なテストを行いました。
絞りをF2.8からF7.1まで1/3段づつ絞っていき、11・12・13・14・16mmの各焦点距離ごとに撮ったのです(トキナー SD11-16mmDX F2.8)。周辺部の流れを確かめるのが目的でした。
11-12mmではF8まで絞っても流れます。これは仕方ないですね。
しかし13mmからはF5.6まで絞れば流れが気にならなくなります。F7.1との違いもそれほどありません。
ですから、広角レンズでの星野写真は思い切ってF5.6まで絞り込めば満足のいく周辺画質が得られるはず。ただし、焦点距離は13mm以上で。その分露出時間は長くなりますが、広角レンズなのでガイドミスの心配は不要。
ですから今日は星野写真にはたっぷり露出をかけるべく、星野写真専用のポータブル赤道儀も用意してきたのでした。つまり、一般撮影用のトーストと星野写真用にトーストプロの2台です。
残念ながら透明度は良くありませんでしたが、それでもほぼ満足のいく絵を得ることができました。

Img_0664dpp

ISO400、F5.6、13mm、790秒 
19時丁度に撮った天の川です。この時期でも早い時間帯にはまだ白鳥座が見えています。左下の明るくぼやけた部分は光害の影響です。

Img_0668dpp

ISO400、F7.1、12mm、790秒
上の写真の1時間後に撮った天の川。この頃にはかなり靄がかかってきており、30分後には本曇りとなりました。
今回は星を重視しているため、星景写真のごとく地上風景の写し込みは無視。ひたすら長時間露光をかけています。

Img_0665pp

ISO400、F5.6、14mm、600秒
反対側の方角にはオリオン座が昇ってきました。その上にはスバル(プレアデス星団)も見られます。さらにはカリフォルニア星雲やコーン星雲、エンジェルフィッシュ星雲など、赤系の散光星雲もその位置を確認できます。

Img_0669dpp

ISO400、F7.1、13mm、830秒
ポー赤を1台、星野写真専用にあてがうと気が楽です。ここでは画質にこだわりISO400で通しましたが、別にISO200にしてもいいわけで。
最後に天頂付近を撮って終了。
今年の秋、奥三面ダムでも素晴らしい天の川の写真が撮れましたが、絞った分だけこちらの方が少しシャープな絵になったかもしれません。薄雲のせいで散光星雲の色が出なかったのが惜しまれます。
この解像度ではわからないかもしれませんが、オリジナルをピクセル等倍で見ると、広角レンズにも関わらずアンドロメダの上にくっきりとM33が写っていました。

Img_2886pp1

ISO1250、F4.5、300mm、360秒(1枚)
もう1台のポー赤では、300mmの望遠レンズでスバルの撮り直し。
もともとスバルに魅せられて始めた天体写真なのですが、今年はスバルを撮ろうというときはいつも条件が悪く、満足のいく写真がまだ撮れていません。
今日は日没直後から気合いを入れて撮り始めたのですが、どうもガイドが上手くいきません。たまにありますね、こういうこと。
できれば7-8分の露出をかけたいところですが、6分がせいぜいでした。(6分でも歩留まり40%。バランスの関係で天頂付近の対象はポー赤では難しいです。)
星野写真の方は天体用に改造したEOS40Dですが、こちらは無改造の7D。
40DのISO800と7DのISO1250のノイズ量はほぼ同じくらいでしょうか(ただし、7DはMRAWモード)。
いつの日か8枚くらいはコンポジットして淡い分子雲の広がりを描き出してみたいのですが、ノータッチガイドを前提にした場合、F4スタートのレンズでは難しいですね。

Img_2891dpp

ISO1250、F4.5、300mm、390秒(1枚)
構図を変えて撮った1枚から、おおむね400mmの望遠レンズで撮ったのと同じぐらいの画角になるようトリミングしてみました。
サンヨンに1.4倍のテレコンを付けて撮るのと、サンヨンで撮った絵を相応のサイズにトリミングするのとどちらが画質は上なのでしょうか。一度試してみたいです。

この日は21時に撮影を終え、22時まで天候回復を待って待機。
雲は厚くなる一方なので見切りをつけ、山形県の小国町へと急行しました。笹川流れ立ち寄りはキャンセル、まだまだやる気満々です。
国道113号線から県道に入り、5分ほど走る間に3台の車とすれ違いました。こんな夜中にあり得ない。
考えられることはただひとつ、みなさんあのT峠で写真を撮っていた方々ではないかと。
結局ここまで来ても曇ったままなので、何キロも走らない間に引き返しました。不完全燃焼だわ。
早くも次の晴れ間が待ち遠しくてたまりません。

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コメント

おはようございます。

今週は少し晴れましたが、新潟の天文好きには辛い季節ですね。にもかかわらず、精力的ですね。私は既に冬眠モードで過去の画像を使って、画像処理の練習をする毎日です。

カメラレンズの作例は、とても勉強になります。今期こそ冬の星景写真を頑張ろうと思っているので、撮影地、レンズ、いずれも貴重な情報です。ありがとうございます。

tantanさん、こんにちは。星景写真といえば、ズームと単焦点であるとを問わず、35mm換算20mmより広角側で周辺部まで星が点像に写る広角レンズはニコンの14-24mm F2.8しかありません。沼澤さんなんかもマウントアダプターを介してキャノンの1dsに付けているみたいですが。来年の早い時期にキャノンから純正の同スペックを持つレンズが発売されそうです(最近のキャノンはレンズに関してはいつも後出しじゃんけんですね)。欲しいのですが、高そう(20万ぐらい?)。
tantanさんのボーグ、特に60EDで撮った写真は本当に参考になります。撮影対象の選定も含め、何もかも参考にさせてもらっています。ありがとうございます。

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