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2009年11月の11件の記事

2009年11月30日 (月)

天体観測適地・番外編

今年色々訪れた中で、まだこのブログで紹介していない場所からここだけはという場所をお教えします。

(1)福島県喜多方市陣ヶ峰峠
飯豊山の福島県側には観望適地がたくさんあります。ここはそんな中のひとつ。
飯豊山南麓は北麓の山形県側より晴天率が高いのもポイント。
荻野から県道338を上がってくると、丁度峠の一番標高の高い地点(400mくらい?)にさしかかると、右に広い空き地が現れます。そこが撮影ポイント。
ベアグラウンドですがよく整地されており、全く問題ありません。
今年ぼくが何回も足を運んだ西会津町高陽根地区に比べると人里が近いので南はやや明るいですが、それでも平均的には胎内平より一段暗いいい空です。
すぐ近くに立ち寄り湯「ふれあいランド高郷」があり、ちょっと早めに行って一風呂浴びるのも乙なもの。
夕食は旧山都町でそばはいかがでしょう。宮古集落まで行かなくても、駅裏に美味しいそば屋があります。また駅裏に私の親戚がやっている食堂(たんぽぽ)があり、ここのソースカツ丼とラーメンも美味。

(2)福島県喜多方市熱塩加納村赤崩山
ひめさゆりの群生地で有名な熱塩加納村ですが、その群生地から五枚沢林道を谷地平方面へと進みます。
私は峠までは行ってないのですが、オフロード愛好家の人たちのブログやHPの写真を見ると、少なくとも峠から南側は広い展望が得られるようです。
道はずっとダートですが、それほど荒れていないらしいです。峠の標高は1000mあり、地図から判断すると光害も皆無であることでしょう。一度行ってみたい場所です。

(3)新潟県村上市間島周辺
今年10月の木曜日、新月期の時にいつものように国道113号線を村上市へと車を走らせました。目的地は県内でぼくの一番好きな場所・天蓋高原です。
このときいつもと何かが違うことに気づきました。
海が暗いのです。漁船が一艘も見えないのです。
風はやや強めではあるものの、漁に出られない天候ではありません。ぼくは漁師さん達の就業パターン?について全く知らないのですが、もしかして木曜日は休みなのでしょうか??(どなたかご存じでしたら教えて下さい。)
帰りも113号線を使いましたが、やはり漁船の姿は全く見えず。
その日はたまたま空気の透明度が夜中から上がってきたせいもあり、車からもたくさんの星が見えます。
途中あまりにきれいっぽいので中条の荒井浜に立ち寄り、双眼鏡片手に天体観測。
このときの日本海の素晴らしさは忘れられません。沖合に石油を採掘しているターミナルがあるものの、とにかく地平線まで星がびっしりと見えるのです。
粟島の灯台の光以外は真っ暗。本当に真っ暗。
この日、もし笹川流れ方面へ行っていたら、ひょっとしたら天蓋高原以上に超絶的星空を拝むことができたかもしれません。
日本海に漁船がなく、大気の状態がいい場合は海岸地帯でも極上の星空にありつけることを知りました。
この場所は今年の夏に見つけた場所。もちろん天体観測用にです。
旧朝日村の猿沢に抜ける道へ柏尾から入っていきます。2kmほどで右に道が現れるのでそこを右折します。
その道は標高300mほどの斜面をトラバースするように村上側へ伸びているのですが、能化山のあたりで行き止まりになります。
木を伐採したあとの斜面なので展望がすこぶる良く、実際3ヶ所ほど展望台が設置されているのです(広い路肩が何カ所かありますが、そこが展望台入り口です)。その展望台が撮影ポイント。
なお、ヤフーの地図にはこの道の記載がありませんが、国土地理院の地図には載っています。
空も申し分なく広く、漁船のない快晴の夜に行ったら素晴らしい星空に出会えるでしょう。
今年はその後訪れていませんが、来年は必ず行きます!

2009年11月29日 (日)

All That 上川村

旧上川村(現阿賀町)をくまなく探査、天体観測に適した場所を探してきました。
まずは本命の県道227号線の奥、本名上川林道から。

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だそうです。昨年の今頃来たときより少しだけ奥まで入れたけど、がっかりです。
もう10年くらいこの区間は工事で完全通行止めになっています。バイクでさえも進入できないようになっている。
それでも誰でも困らないのだから、そもそもこの林道は必要ないわけです。無駄な公共工事の典型です。


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鍵取集落の近くにまずは好適地発見。左に見えている青い欄干が宮の沢橋。
小型車に限られますが、舗装された農道の真ん中まで来ると視界が開けます。
ただ、宮の沢橋に3~4本のナトリウム灯が立っており、それがどのくらいの明るさか、夜になってみないとその影響はわかりません。
次に行ったあすなろ森林公園は、裏山のキャンプ場の行き詰まりにある広場までいけば、なんとか北極星が視野に入ります。でも視界は狭いので面白くなさそう。

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以前から気になっていた蕨峠(標高390m)も、空があまり広くありません。
北西から東にかけてはそこそこ見晴らしがいいのですが、南が狭い。(白く雪化粧している山は飯豊連峰の大日岳です。)

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上川支所から約2km、西川小学校の南東方向の高台に拡がっている田んぼ(三階原地区)が上川村の極私的ベストスポットです。
上の2枚のパノラマ写真はいずれも三階原で撮ったもの。農道も舗装されており、空もすごく広いです。台地の上なので、比較的霧も発生しにくいと思うのですが。
位置取りによっては何本か外灯が入ってきますが、気になるほどではありません。
室谷地区まで行かなくとも、空の暗さ、光害の少なさはほとんど同じだと思います。
飯豊連峰の核心部が手に取るように見え(会津地方以外で飯豊本山~御西岳~大日岳の核心部が眺望できるところって意外と少ないのです)、とても気持ちがいい場所です。
この辺で標高は約180mといったところ。

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さて、最後の場所です。上川B&G海洋センターの手前300mほどのところで右に小道が見えてきますが、そこを右折。200mほどで左に縦長の路肩が現れます。
そこに車を停めると、松林の向こうに広い空き地が拡がっているのが夜目にもわかります。そこの路肩から撮ったのがこの写真。月が出ていましたが、実際は夜なので真っ暗。
空き地だと思っていた広場に行ってみたらビックリ。そこはアイビスゴルフクラブのコースの一部なのでした。
地面はすごく柔らかく、また対岸には高圧電線があり、回りを取り囲む松林も結構な高さがあるためそれほど空は広くありません。
しかし、芝生に寝ころんで双眼片手にスターウォッチングする分にはいい場所です。
(上川B&G海洋センターは駐車場入り口のナトリウム灯が明るく、いい場所がありませんでした。)

2009年11月28日 (土)

PETZL(ペツル)のヘッドライト

天体写真を撮るときや天体観測では、赤いヘッドライトを使う方が多いです。
赤い色だと、いったん暗闇に慣れた目がまぶしさを感じることなく順応しやすいからです。そのため、赤いセロハンをレンズの上に貼ったりして皆さん工夫しているようです。
国産のメーカーでは赤いLEDを使ったヘッドライトは見かけたことがないのですが、最近フランスのPETZLというメーカーからそういうタイプのヘッドライトが販売されていることを知り、次に紹介するお店から通販で購入しました。
ナチュラム本店
非常にたくさんのモデルがあり選択に迷ったのですが、タクティカプラスというモデルを買いました。
これはLED自体は白なのですが、赤いプラスティックのカバーが取り付けられており、ワンタッチで赤と白の切り替えができる優れ物です。
照度も三段階に調整でき、照度の切り替えができない単独で赤のLEDが付いている機種よりオンオフのスイッチの切り替えの手間が少なくて済み、操作性に優れます。
タクティカプラスは防滴仕様ではありませんが、防滴仕様のもんも用意されています。
実際先日初めて使ってみて、照度を最大にすると思ったよりも明るく、性能は満足のいくものでした。
お値段は国産の一般的なものの倍しますが、それだけの価値はあると感じました。

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昨日撮った写真より、テレ側(50mm)によるえぶりさし岳方面。

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先日、田村市の仙台平へ行ったとき、40Dだけでなく7Dでもオリオンを撮影しました。
これはそのときの1枚(こちらのレンズはキャノンのサンヨン使用。ISO800,F4.0,5MINx1)。風が強く2枚撮っただけでギブアップ。従ってコンポはなし。
フィルター換装していない普通のカメラでの絵も、それはそれで味わいがありますね。

PETZL#ペツル#タクティカプラス E49P PETZL(ペツル)タクティカプラス E49P

販売元:ロッジ楽天市場店
楽天市場で詳細を確認する

2009年11月27日 (金)

新規開拓

11月中旬に入ったらわかぶなスキー場の中腹へ通じる林道のゲートが開いて通行できるようになると聞いて、それが本当か確かめに行ってきました。
確かに中へ入ることはできたけれど、クワッドを降りたところにある2階建てのレストハウスを見てびっくり。非常口を示す電光板が館内で何カ所も煌々と照っており、その明かりは建物全体を明るく浮かび上がらせています。
スキー場入り口のレストハウスも同様で、オフシーズンもひたすら明かりが点いています。
そこの広場に車を置き、10分ほど林道を登るといい場所がありましたが、なんだか気乗りしません。わかぶなはパスだな。
入り口レストハウスの玄関にはサーチライトが2本もあり、広大な駐車場の半分を照らし出しています。この無駄な明かりさえなければ、この駐車場はいい場所なのですが。
それでも、隣にある臨時駐車場へ行けばそのサーチライトが駐車場の隅に停められた雪上車の影になり、ピンポイントで影になる場所があることはあります。

帰りは県道272号線経由で胎内平へ抜けたのですが、大石川沿いにある金俣集落から黒俣集落への途中で素晴らしい場所を発見しました。
ここの区間はずっと高原状の台地の上を走っていくので、以前からじっくり下見したいと思っていた場所です。
金俣から登り坂を登りつめ、平らになった道を700mくらい走ると火の見櫓のような鉄塔が右に見えてきます(写真参照)。そこに右へはいる道がありますから、そこを右折。
火の見櫓の裏に回り込むとさらに脇道が現れます。その脇道は最初の5mほどが舗装されていてフラットなので、そこが赤道儀を設置するのに好適な場所です。

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272号線からはずれた時点で脇道に入ったと言え、ですからさらに脇道に入らなくても夜は車が通ることはまずないでしょうから、道の真ん中に店を広げても大丈夫だとは思います。
もちろんダートでよければ、ポイントは無数にあります。砂利道とえいえ非常に路面は硬く締まっているので重量級の器材でも沈むことはないでしょう。
この場所の利点は、まず第一に空が広く暗いこと。
かすかに関川村方面に光害が認められますが、間違いなく胎内平より全方向一段暗いです。また、高原の上なので気流もいいと思います。
南の方角に飯豊連峰のはえぶりさし岳が見え(写真では雪を被っています)、夏の天の川の撮影にも最適です。

胎内平へ移動してきたら薄雲がさらに拡がってきました。
でも新たに購入したタムロンの標準ズームのテスト撮影をしたかったので、月が沈んだ直後から40分だけ撮影タイム。
この文章を書いている27日に、GANREFでこのレンズ(17-50mm F2.8 VC)のテストデータがアップされたけど~それはまさに予想通り素晴らしいものでした~ぼくが購入したのは1週間前。少し冒険ではありました。
でもプロカメラマンの田中希美男氏がブログのなかでこのレンズを絶賛していたので、誰よりこの人の高度な知識とセンスを信頼するぼくはそれだけで充分でした。(もちろん店頭で一応触ってみました。ビルドクオリティーの高さにも感心しました。他の同社のレンズはおしなべてチープですが。)
キャノンのハイエンド17-55mm F2.8 ISにしろ、シグマの18-50mm F2.8にしろズームリングのトルクが軽めなので、24~35mmの焦点距離を使うと途中でずるずると前玉が下がってくることがあるのです。
この点タムロンのニューズームはトルクが硬め。キャノンのそれと違い逆光にも強く(シグマも強いですが)、星の実写を楽しみにしました。
結果、予想以上にシャープネスは抜群でした。GANREFのチャートでも広角側は開放からピークに近い解像度が得られていますが、確かに(この日は2.8は使わなかったけど)3.2の絞りでも充分な解像感でした。
ちなみに、地上撮影ではVCの効きも抜群でした。これでお値段はキャノンの半額ですから本当にお勧めです。

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17mm (ISO800, F3.2, 4minx1)

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24mm (ISO800, F4.0, 5minx1)

天体用改造の40Dを持ってきていなかったので、カメラはノーマル7Dです。
写りは40D以上にシャープだけど、Hα系の星雲が写ってくれないのでちょっと絵は地味になります。オリオンのバーナードループもほとんど写りません。

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24mm (ISO640, F3.5, 5minx1)

月が沈んだ30分後には一気に曇ってきました。これは最後に大急ぎで写したもの。
先日、しし座流星群の話題をもたらしたくだんの獅子座です。
運良く明るい流れ星がさーっと走ってくれました。
中央のオレンジ色の明るい星は火星、その上の星の集まりはM67、右にはうみへび座が写っています。

2009年11月26日 (木)

一角獣座の散光星雲

阿武隈高原では月の入りの22時から撮り始めましたが、時折吹く強風を防ぐため、赤道儀の前に仁王立ち。露出時間を4分と短めにしたものの、やはり多くのコマで星像が肥大してしまいました。
シリウスとオリオンの周辺は被写体の宝庫です。
バラ星雲、わし星雲(IC2177)と続けて撮影。後者は今回が撮るのは初めて。
300mmの焦点距離だと丁度いい具合に画面に収まります。
かなり淡いので、シャープな光学系でたっぷりと露出をかけたいところ。次回の課題です。
(やっと画像処理を終えたのでアップします。)

Img_0637_0638stpst
ISO1000,F3.2,4minx2

2009年11月25日 (水)

阿武隈高原の空(2)

昨年10月下旬、晴天率の低い新潟の冬の代替撮影地として開拓したのがこの場所でした(2008年10月29日のブログ参照)。
この日も昨年同様仙台平は風が強く、しかしながらここだけが晴れています。周囲の山々はおおむね標高800m以上が雲の中。
すぐ近くに滝根天文台があるのですが、やはり天文台が設置されているところは晴天率が高いようで・・・
昨年来たときは強風と光害の強さに辟易してすぐ他の場所へ移動したけど、この日は仙台平に腰を落ち着けました。
シーイングはイマイチでしたが、それ以上に改めて光害がすごいなあと感じました。
標高870mの独立峰なので展望は抜群。それが逆に下の街明かりがダイレクトに飛び込んでくる弊害となっています。
この辺は傘の付いていない無指向性の外灯が多く、しかも照度が非常に明るい。
なので深夜になっても低空は常に光害にさらされたままです。
ここから南の山々は地図を見ると大きな町もなくよさげなんですが、実際には山中や山頂に多くの鉄塔が建っています。これらの鉄塔は工場地帯のそれのように発光しているので、周囲の空もそれなりに影響を受けているでしょう。
新潟から片道3時間以内で行ける冬の代替え地としては、恐らく桧山高原がベストではないかと思われます。もしくは船引三春ICからさらに近い殿上牧場周辺か。
桧山高原の昨年ぼくが行った場所はやや窪地になっているので風も当たらず、空も充分に暗いものでした。

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画面右の大滝根山も理想の展望地。
裏側の高塚高原はアプローチは長いながら、行ってみる価値はありそうです。右に写っている赤い明かりは自衛隊の施設のそれ。
この辺の山にはあちこちに自衛隊の施設が置かれています。
時刻は既に22時を回っています。地平線のオレンジ色の光は日没後の太陽によるものではありません。
地図を見ると福島市がこの方向に位置しています。都会の光害、おそるべしですね。

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天頂付近は良い空です。それでも天の川のくっきり度は下越の山奥に比べたら物足りなさが残ります。

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画面中央の明るい星はシリウス。その左には天体写真をやる人たちに人気の散光星雲IC2177が見えます。
光害の影響はこのくらいの高さまであります。あえて補正せず、掲載してみました。

Img_0624dpp

これは24mm F1.4の明るい広角レンズによるもの。オリオン座付近がこの日は一番透明度が良く、いきおいオリオンをたくさん撮る結果になりました。
レンズが明るい分だけ露出の面で有利になるため(ここではF2.2を使用)、今までで最もバーナードループをくっきり写すことができました。

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オリオンの左にある通称バラ星雲です。望遠レンズはこの日初めてトキナーのサンニッパを使いましたが、設計が古いため解像度はそれほどよくありません。
シャープな光学系でもう一度撮り直してみたいですね。どこか心が惹きつけられる美しい星雲です。

Img_0643ptest

オリオンの馬頭星雲周辺(トリミングあり)。オリオンの三つ星も惹きつけられてやまない星々です。宇宙史をひもとけば、その理由は歴然ですが。

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最後に二重星団を撮って終了。体力も尽きました(^_^;)
二重星団も、そこはかとない"愛"の感じられる星の集まりです。撮っても撮っても飽きることがありません。

Camera: EOS40D(天体用改造)+EF24mm F1.4L USM、Tokina SD11-16mm F2.8 DX & AT-X AF II 300mm F2.8

2009年11月24日 (火)

阿武隈高原の空(1)

月曜の夜、星空を求めて福島県の阿武隈高原へ行ってきました。
月の入りは22時10分頃。0時には撤収するつもりだったけど、その頃から天頂付近の透明度が上がってきたので、なんだかんだと2時40分まで現地にいました。
天体用に一眼デジカメのIRカットフィルターを換装したのが今年の8月。
撮るたびに様々な発見があり、宇宙の神秘を垣間見ます。
やっと納得のいくオリオンが撮れました。コンポジットは5枚。やはりコンポするとグンと画質が上がりますね。
プレアデスは3枚のコンポ。もう2枚ほど重ねたいところです。
この日は1時半まで風が強く、望遠レンズでの撮影は露出時間を4分に抑えざるを得ませんでした。プレアデスがややノイジーなのは、オリオンのそれよりISOが高いからです。
ラストの1時間は風がやみ、露出時間も6分に延長。オリオンはこのとき改めて撮り直したものです。
光学系の限界か、星像は決してシャープとは言えませんが、ポータブル赤道儀によるノータッチガイドでここまで撮れれば御の字でしょう(いずれの写真も1割ほどトリミングあり)。

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場所:田村市仙台平(入水鍾乳洞の近くです。標高870m)
Camera: EOS40D(天体用改造)+Tokina AT-X AF II 300mm F2.8

2009年11月13日 (金)

旧朝日村の空

車で星空を見に行くとき、いざ現地へ着いて車を降りる瞬間は本当にドキドキします。
ヘッドライトの明るさは相当なものなので、どんなに真っ暗なところへ行っても、消灯して外へ出てみないとどれくらい星が出ているかはわかりません。
そして、この瞬間が私たち星空ファンを魅了してやまない部分です。
家を出るとき晴れていても、現地が晴れているとは限らないし、それゆえ曇っていてがっかりすることもしばしば。
12日は可もなく不可もなしといったところだったでしょうか。全天星が見えているのだけど、透明度はイマイチ。もやっているようです。
結局この日は0時40分まで現地にいたのですが、透明度は深夜になってもあまり上がりませんでした。しかしながら、この日の湿度の低さは特筆もの。
帰るとき、車のルーフの3分の1だけに夜露が付着しているだけという素晴らしく乾いた空気のなか星見が楽しめました。

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これは帰る間際に撮ったものだけど、低空はさすがに靄のせいで肉眼ではぎりぎり白鳥座が確認できる程度。写真に撮るとしっかり写っていますが、色合いはムラが出ました。
左の鉄塔の下にも林道があり、そこでも撮ったことがあります。

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上の写真は北方向ですが、これは南の方角を撮ったもの。南は空が暗く視界が開けているので、春から夏にかけては賑やかな天の川が楽しめます。
2ヶ所ある駐車場のうち、奥にある駐車場がお勧め。ここだと村上市街の街明かりも届きません。トイレも完備しています。

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先日も50mmで撮ったぎょっしゃ座ですが、先日は超悪条件での中だったので再度トライしてみました。勾玉星雲はいつ見ても格調の高さが感じられます。

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これも撮り直しバージョン。やはり50mmでのオリオン座全景です。
これでもまだ露出不足気味でしょうか。言い訳になりますが、バッテリーを充電してくるのを忘れてきてしまったので、露出時間を節約しながらの撮影だったのです。
インジケーターの目盛りがひとつになってからでも1時間は撮影できちゃいましたが。
それにしても、エンゼルフィッシュ星雲は淡いですね。V3フィルターを付けて撮っていらっしゃる方が多いのも納得です。

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この日は20時から22時まで特に風が強かったので、300mmの望遠レンズで撮ったものは全て微妙に像が肥大してしまいました。
天体写真をやりだしてから、プレアデス星団はずっと憧れの対象でした。これからもずっとそうであり続けることでしょう。
この写真のみ2枚コンポジット。他の写真は全てワンショット。
300mmではこのほかにM33を4枚撮ったのですが、全て風のため流れてしまいました。

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この日撮った中でもっとも気に入っているのはこの1枚。
50mmで撮ったヒヤデス星団です。双眼鏡で眺めても抜群の美しさ。
双眼鏡で眺めたときのきらきらした宝石のようなきらめきを、少し画像処理を工夫して再現してみました。

天蓋高原への行き方:村上市より国道7号線を北上、早稲田交差点を右折。
500mほどでT字路にぶつかるのでそこを左折、高根川沿いの県道205を高根集落へ向かってひた走る。高根集落入り口の、高根川にかかる橋を渡る手前に左に入る道があるので底を左折。5kmほどで見晴らしのよい広場に出る。そこが天蓋高原。
そこかしこに農道や林道があり、そのほとんどはコンクリートで固められているか舗装されているうえ見晴らしも効くので、ポイントは無数にある。

2009年11月 9日 (月)

西会津と奥阿賀の空

天気予報では0時まで晴れマークが付いていましたが、日没から40分もすると曇ってきましたね。
日曜日の夕方は福島県西会津町の奥川地区、中ノ沢集落の農道へ行ってきたのですが(今年はこれで4回目。前回は雨天で1枚も撮れず)、3枚撮ったところで一気呵成に曇ってきました。
トホホ・・・

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既に薄雲が流れ始めているのがわかります。基本的には、このあたりは高原状の地形なので晴天率は比較的高い方なのですが。今日は読みがはずれました。

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30分待っても晴れる気配はないので見切りを付け、三川経由で帰途に。三川村が晴れていれば、三川温泉スキー場の駐車場で続きをやる心づもりです。
ところが、津川を過ぎたらあたりは霧にまかれ始めました。
でも、上の方は晴れていそうな気がしたので、急遽JR五十島駅から車で10分の、日倉山くりの里へ移動。すると晴れているではありませんか。ラッキー。
とはいえ透明度はかなり悪く、晴れていると言っても3分の2は雲の中です。
雲が広がり始めていることだけは明らかだったので、欲張らず昨日の構図の撮り直しだけ行いました。
昨日は100mmを使いましたが、今日は150mmを使って二重星団とハート星雲をひとつのフレームに入れ、光害カットフィルターを装着して撮ってみました。ちょっとハート星雲が切れていますが、150mmはまさにどんぴしゃですね。

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この場所でも薄雲は瞬く間に拡がりだし、1時間後には月が昇ってくる時間となりました。
最後は50mmの標準レンズでぎょっしゃ座全景を狙ってみたのですが、既に東の空が月明かりで白み始めていたのと薄雲の影響でへんてこりんな発色になっています(これでもかなり補正したんですよ)。
これはP2フィルターの色被りによるところが大だと思うのですが、このフィルター、純然たる光害にはいいですが、雲が出てきたらかえってはずした方がベターですね。
プレアデスも見えるか見えないかの雲のベールの中、勾玉星雲がうっすらとその存在を示しています。

ところで、この場所は本当に穴場かもしれません。晴天率の高さ、気流の良さという観点からすると。
前回も下に雲海ができていましたし、今回もそう。見晴らしのいい尾根上に立地しているせいなのでしょう。実際、対岸の尾根には新潟市のアマチュアの方の個人天文台もありますしね。
こことは逆に、三川温泉スキー場付近は霧がたまりやすいことは確かなようです。この日も帰りは赤谷までひたすら濃い霧の中。
日倉山くりの里という地名は地図にもないですし、道路に看板もありません。
でも行き方は意外と単純。
五十島駅から五十母川沿いの道を南下します(一本道です)。
3kmでT字路にぶつかります。左折すれば三川自然の森、右折するとその道は沼越峠経由で早出川にたどりつきます。
右折するとすぐ橋を渡りますが、渡ったら10mも走らないうちに左に小道がありますので、そこを左折して下さい。あとは道なりに走っていけば(途中からうねうねとした登坂になります)5~6分で見晴らしの良い広場に出ます。
道路の左に小屋が立っていたら、そこがこの場所です。道はその先にも続いていますが、150m先で行き止まりになるので、この広場で車はUターンするとよいでしょう。
ちなみに、ヤフーの地図を最大に拡大すると、この尾根上に付いている小道が確認できます。(日倉山という地名も載っていますが、正確に言うとこの小屋の立つ尾根はマンダロク山の尾根なのです。紛らわしいですね。)

Camera: Canon EOS40D(天体用改造)+Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM, 150mm F2.8 MACRO EX DG HSM, 50mm F1.4 EX DG HSM

2009年11月 7日 (土)

奥三面の空

9月16日のブログで奥三面に下見に行ったことを書きましたが、今日はかねてから念願の奥三面で天体写真を撮ってきました。
とても大きなダム湖ゆえ、湿度の高いことが予想されますが、地図で見る限り光害の少なさは日本有数と思われます。事実、事前の予想はどちらも当たりました。
前回下見に行ったときはダム湖の中ほどにあるメモリアルパークに目を付けたのですが、ダムサイトの外灯が全部消灯されていたので、ダムサイトから200mくらい奥に入ったところにある右岸の駐車場で今回は撮影してきました。

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空の暗さは天下一品。山形県の樽口峠と同等かそれ以上です。
日没後1時間もするともやが発生してきて、対岸の山の中腹に肉眼でそれとわかるほど薄雲がかかってきました。気象条件さえよければ、またとない天体観測スポットなのですが。
ダムサイト近くのこの駐車場、メモリアルパークに比べるとやや空が狭いです。
三面ダムからここまで約13km、ひたすらうねうねした狭い道が続くので、運転はかなり疲れます。なので、ここで妥協したのでした。

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この日の透明度は決して良くはありませんでしたが、一瞬天頂付近の透明度が上がった瞬間に天の川を撮ってみました。
なんだかんだ言って、ぼくは天の川を見ること、撮ることが一番好きです。
かなり満足のいく作品が撮れました(この日の写真は全て1枚ものです)。

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この日の月の出は20時半。2時間しか撮影時間がなかったので、広角レンズの他は100mmのマクロレンズを使っただけ。余裕があれば300mmも使いたかったのですが。
今日が天体デビューとなる、キャノンの最新マクロレンズ。
MTFチャートは旧レンズのそれと同じような感じですが、間違いなくこちらの方がよりシャープで色乗りもいいです。
写真は北から東にかけての空で、ぼくが一番好きなペルセウス座。
双眼鏡で見るとその珠玉の美しさがよくわかります。これぞ宝石!といった感じです。
ここではレンズの色収差を消さず、あえて恒星の色を強調してみました。

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100mmマクロで撮った対象はもう一つ、カシオペアの二重星団とおなじみハート星雲です。光害カットフィルターを付けていないので星雲の浮きはいまひとつ。次回はP2フィルターを装着して撮ってみたいです。
焦点距離の如何を問わず、性能の良いレンズで撮った写真はやはり見ていて気持ちがいいですね。今月はこのレンズともう少しお付き合いをしてみるつもりです。

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月が昇った瞬間の東の空。プレアデスが輝いています。
月はまだ半月より大きいので明るさも相当なもの。星の輝きが一気に薄れてしまいます。
明日の月の出は21時46分。3時間は闇夜が楽しめますね。
明日も晴れるといいなあ。

Camera: Canon EOS40D(天体用改造)+Canon EF100mm F2.8L MACRO IS USM、Tokina11-16mm F2.8 DX

2009年11月 6日 (金)

奥胎内の空

6日の月の入りは19時24分、再び闇夜が訪れる時期になりました。
この日は日没から1時間半、久し振りの星空を堪能しました。
向かった先は先月下見をしておいた奥胎内の某所。胎内第一ダムがすぐそこです。
胎内平より空は狭いですが、空の暗さは一級品。なにせ二王子岳の裏側ですからね。
ただし谷間に位置するので、霧が発生しやすいのが難点。この日も日没の30分後には上空がもやってきて、夜露の付くこと付くこと。
ノイズの発生もすごく、ISO400で撮ったコマでもかなりノイズが乗っていました。思うに、気温だけでなく、湿度もかなりデジカメのノイズの発生には関与しているようです。

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星景写真を撮るには最低限F2.8の明るさが必要。ところがAPS-C専用の広角レンズにはフィッシュアイを除き、そのような仕様のレンズがほとんどありません。
唯一トキナーが11-16mmの広角ズームを発売しているのみ。11-13mmくらいの焦点距離だと周辺がかなり流れます。5.6に絞っても。
それがいやで昨年売却したのですが、先日今使っているシグマの10-20mm F3.5と過去撮った写真を比べてみて、意外とトキナーの画質がいいことを再認識しました。色合いがとても自然なんです。解像度もいいし。
そもそも35mm換算で20mmよりワイド側の焦点距離を使う場合、どんなレンズでも周辺部は流れるものです。ニコンのあの巨大な広角ズームを除いては。
当時はそれを知らなかったもので・・・
上の写真はISO1600、F3.2、60秒の露出。1分程度だと、風景の流れもほとんど気になりません。ぼくは星を点像に写すことを最優先にしているので、ポータブル赤道儀は必須。
星景写真用に1/2減速モードもありますが、ぼくはまず使いません。

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この日は再び買い戻したトキナーの広角ズームとシグマの広角ズームの撮り比べを兼ねていたので、天の川で実験。
上がトキナーで、ISO1000、F5.6、5分、12mm、下がシグマで、ISO400、F4.0、8分、12mm。
条件が違うので比較になっていませんが、もちろんこれ以外に複数の組み合わせで撮りました。なにせ湿気がひどく一枚一枚写りに一貫性がなかったので、写りの良いものをチョイスした次第。
画質は僅差ですが、やはりシグマの最新広角ズームに軍配が上がります。周辺部の流れも少ないようです。
ですが、トキナーの利点はレンズが明るいことに付け加えてもう一点、無限遠がどの焦点距離でもピントリングを一杯に回したところで来る点。
これは便利です。他の広角ズームは通常焦点距離ごとに無限遠の位置が変動しますから、その都度ライブビューモードでピント出しをしないといけません。この手間が省けるのは精神的にも本当にラク。
こうして見ると、初冬の天の川も乙なものです。白鳥座とケフェウス座、それにアンドロメダはいいコンビ。
それにしてもさすが奥胎内ですね。まだ18時台だというのにこれだけ写ります。
来週からいよいよ新月期に突入です!

Camera: Canon EOS40D(天体用改造) + Sigma 10-20mm F3.5 EX DC、Tokina 11-16mm F2.8 DX

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