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2009年10月の19件の記事

2009年10月30日 (金)

300mmで夢の10分露出

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今年の夏以降、どうもぼくはノータッチガイド・フェチと化している感があります(苦笑)。
先日、300mmの望遠レンズで8分の露出に成功したのですが、それを高確率でいつでも再現できなければ意味がありません。
本当は次回の新月期まで待つつもりだったのですが、あまりに昨日今日と天気がいいので思いきって夜中に胎内へ行ってきた次第。
月の入りがAM2時11分だったので、わずか1時間半テスト撮影しただけですが。
残念ながらピーカンの前日と違ってこの日は薄雲が全天を覆っており、ポーラースターと3点合わせで使う近傍の星がよく見えません。
あきらめかけていたところ一瞬透明度が上がったので速攻で極軸を合わせ、どうせなら今まで撮ったことのない対象をと、シリウスのすぐ下に位置する散開星団・M41にレンズを向けました。
結果、いきなり6分露出をかけましたが難なく成功、続いて8分も完璧に成功。
だめもとで10分に露出を伸ばしてみたら、ピクセル等倍で見るとやや肥大気味なものの、その差は極めて小さく、うるさいこと言わなければ成功と呼んでいいぐらい普通に写っていました。これはイケル。M41は割と低空にあるので、ポー赤にとってはラクな対象ではないのですが(上の写真は8分もののほう。)
今回、どの方角の天体を撮るときでも東側荷重ができるよう、秘密兵器?を導入。
それが1枚目の写真のアルミダイキャスト製ツインプレートです。
実際の撮影では、反対側に600gの重さの自由雲台をバランスウェイト代わりに同架しました。
やはり、徹底した東側荷重が功を奏したのでしょうか。失敗コマがなかったので、明らかに微妙なバランスのよしあしが追尾精度に影響していることは確かなようです。
まだ枚数を多く撮っていないので歩留まりは本当のところどのくらいなのか、それはまだわかりません。
しかしながら8分だとかなりの確率でいけそうな気がするので、次回の新月期が楽しみです。

Camera: Canon 天体用改造EOS 40D + EF300mm F4L IS USM

2009年10月26日 (月)

マウイ島4日目~光のダンス~

ハレアカラ・ハイキングのあと、ホキーパ・ビーチへ立ち寄り。
今日はおとといほど波がなかったけれど、風はおとといより強かったです。びゅんびゅん吹いています。沖合に立つ白波がその風速を物語っています。

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そんな強風の中、こんな女の子達も。すげぇ~の一言です。

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彼らのパフォーマンスを見るだけでもマウイ島へ行く価値はあります。
彼らは波と一体化しているというより、光と、太陽と一体化しています。
11月も中旬を過ぎると、今度は鯨たちがマウイの光と戯れにアラスカからやってきます。

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Camera: Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM(1.4倍テレコン付き)

2009年10月25日 (日)

マウイ島4日目~ハレアカラを満喫~

カアナパリから車で約2時間半、午前10時にカラハク展望台着。
昨日の夕方来たばかりですが、思った通り午前中の光の方が似合うようです。というか、山の気の質が朝と夕方では全然違います。ぼくはやはり朝の山が好きです。

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ハイキングトレールはこの先、ホワイトヒルにあるビジターセンターが基点です。
天体写真を撮る場合、この駐車場は比重鬼混み合うし、トイレの明かりが漏れるのでカラハク展望台の方が適していると昨日のガイドさんが仰っていました。

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ハイキングトレールの総延長は58km。山小屋も三ヶ所ありますが全て予約制。人気があるので抽選制だそうです。
ぼくの目的地は最初のクレーターの淵まで(1枚目の写真、一番右のそれ)。標高差は500m、距離は4kmあります。
行きは下り、帰りは登りなので、帰りは酸素不足による頭痛も相まってヘロヘロになりました。

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間違いなくぼくが生まれてこのかた見てきた風景の中で、最も美しい風景です。
一番天国のイメージに近く、女性性のたおやかな、全てを微笑の中に包み込む究極の包容力を有しているようです。
それもそのはず、ハレアカラは地球のクンダリーニエネルギーの通り道に位置しているからで、お隣のキラウェア火山もそうですが、最も地球の愛が溢れている、流れている地域ということになります。

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ここが最初のクレーター。標高は約2500mあります。30分ほどエネルギーワークしてから帰途につきました。
ハレアカラとはハワイ語で太陽の家という意味。ぼくなら太陽の神殿といいたいところです。
単に晴天率が高いからというのではなく、ここにいると本当に太陽の素の波動がよく感じられます。ネイティブの人々にとっての聖地たるゆえんですが、この感覚はやはり来てみないとわからないでしょう。
ちなみに、日本の浅間山(黒斑山から噴火口にかけて)や磐梯山の裏側、旧噴火口一帯がよく似た気を有しています。個人的な感覚ですが。

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この植物は銀剣草。マウイ島のハレアカラ山頂付近が原産で、世界では他にハワイ島のマウナケア山とヒマラヤ山中の一部にしか生育していない稀少な高山植物なのです。
この植物は写真のような姿で10年前後を過ごし、一生に一度の開花時期になると中央部から高三が2mにも及ぶ茎が伸びてきて変態します。そして茎の周囲に、ヒナギクのような黄色と紫色の花を付けるのです。
全く予期していなかったのですが、ハイキングトレール沿いには何カ所か銀剣草の群生地がありました。

2009年10月24日 (土)

マウイ島3日目~いよいよハレアカラへ~

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さて、今日は待ちに待ったハレアカラへ行く日。
やっと熟睡できたので、早朝から快適気分です。朝のビーチはいいですね。散歩している人、ジョギングしている人が大勢。
ちなみにマウイのリゾートホテルは宿泊者のみしか立ちいることができない一部の区画を除き、誰でも敷地内に入れます。
そのため、リゾートホテル・ホッピングが流行っているとか。どのホテルも美しい庭園を持っているので、確かにこれはいいアイデアです。

ところで、ハレアカラとはハワイ語で太陽の家という意味。その意味をぼくは翌日体感するのでした。
3055mの頂上まで車で上がることができ、四駆車限定のハワイ島・マウナケアとは違い、普通車でOKです。
ハレアカラへ登るツアーは大きく2パターンあり、ひとつは夜明け前にホテルを出発し、ご来光を拝むというもの、もうひとつは午後3時前に出発し頂上で日没を見学、その後スターウォッチングをするというもの。
ぼくは初めての土地へ旅行する場合、できるだけ一度は現地のオプショナルツアーに参加するようにしています。ガイドさんから貴重な情報を得ることができることが多く、のちのち役に立つからです。
レンタカーをベタで借りてはいたけれど、いきなり3000mの頂上まで車で運転するのは不安ということもあったので、今回はツアーに参加してサンセットを見てきました。

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標高3000mクラスの山に登るのは数年前のマウナケア以来です。
マウナケアより標高が約1000m低いのでマウナケアよりは透明度がかすかに劣る気がしますが(しかもこの日は少し薄雲がありました)、それでも大感動。日本では同じ3000mクラスの北アルプスなどでも、よほど条件が良くない限りここまで鮮やかな色彩は見られません。
ハレアカラ山頂にもマウナケア同様、天文台が置かれています。
ガイドさんの話によると、太陽を専門に観測する世界最大の天文台を建設する計画もあるそうです。晴天率90%を誇るハレアカラならではです。

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ここがハレアカラの核心部。頂上直下に拡がる噴火口群です。
明日は昼間、ここを一人でハイキングする予定。実はこの風景を見た瞬間、そう決めました。

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ガイドさんがお客さんに天体望遠鏡で星空を案内している1時間ほどの間、ぼくは隣で天体写真撮影です。
丁度月のいるあたりが天の川の一番濃い部分。残念ながら雲が少しかかっていたので、あまり美しくは撮れませんでしたが。
2枚目の写真は反対側の北東の空です。カシオペアを中心に広角レンズで撮りました。
地平線近くが水色っぽく写りました。これは月の影響なのでしょうか。初めての経験なのでよくわかりません。こちらの方角には町はなく、光害はありえないのです。
3枚目は、レンズを50mmに付け替えて撮ったカシオペアの全景。
4枚目がおなじみ、白鳥座付近の天の川です。
光害カットフィルターのP2は付けていないのですが、よく写ります。新月期の胎内平の午後10~11時くらいの平均的な条件の時と同じくらいには写ります。
これで月が出ていなかったらすごいことになるでしょうね。

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撮影している合間には、ガイドさんからミード社の大口径シュミカセで導入した様々な天体~木星、アンドロメダ、月、二重星団、リング星雲など~を見せてもらいました。
木星と月は今年の胎内星祭りで見たものより、ディテールがくっきり見えたと思います。
中心部をどアップで狙ったアンドロメダ銀河の迫力も凄かった。
口径が20cm以上の望遠鏡ともなると、眼視も楽しいですね。
最後の写真は、ぼくたちが天体観測をしたカラハク展望台駐車場から見た下界の風景です。予想通り、カフルイの街明かりがダイレクトに飛び込んできますので、西の低空は光害の影響が出ます。
ハレアカラ山頂付近の複数ある展望台は全てこの街明かりが入ってきてしまいます。
より完璧を求めるなら、Sliding Sands Trailに入り、20分ほど歩いたところで撮影するといいでしょう。もっとも歩きが入るので、ポータブル赤道儀が前提になりますが。
ちなみに現地の絵はがきで、ここで撮影された素晴らしい星野写真をたくさん見かけました。
ハレアカラ以外の風景写真もそうですが、マウイ島の絵はがきのレベルはとても高いです。もともと芸術家が多く移住している島だけに、アートの感性は独特のものがあります。
この次来るときはこういうアングルでこういうものを撮ってやろう、というインスピレーションをそれらの絵はがきからもらいました。

Camera: Canon EOS7D & 天体用改造40D + Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM, 18-50mm F2.8 MACRO EX DC (最後の夜景以外の天体写真はポータブル赤道儀を使用)

2009年10月23日 (金)

マウイ島2日目~続き~

この日も非常に蒸し暑く、ぼくの体力はホキーパ・ビーチで1時間ウインドサーフィンを見学しただけで終了。睡眠不足がまだ解消されていません。
ふらふらになりながら向かった先は、エンチャンティング・フローラル・ガーデン。
日本の大手園芸会社に勤務されていたことのある武田さんがご夫婦でやっておられるガーデンです。
ここはとても素敵でした。標高800mの高原に拡がるその広大な庭園には、熱帯性植物が一杯。ご夫婦の愛情を受けてどの植物もイキイキしており、かなり元気をもらいました。
ハレアカラの登山口に位置するこのクラ地区にはもう一箇所、クラ・ボタニカルガーデンという植物園もあります。ここもHPを見ると素晴らしそうです。(実は帰国後知ったので、行っていない。残念。)
エンチャンティング・フローラル・ガーデン
クラ・ボタニカルガーデン

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日本の植物も結構あり、ザクロなんかも見られました。

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最後の3枚はこの地方の特産、プロテアです。色々な種類があるのですが、どれもボリュームがあり、ゴージャス。切り花にもいいようです。

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Camera: Canon EOS7D + EF100mm MACRO F2.8L IS USM

2009年10月22日 (木)

マウイ島2日目~飛んでます~

この日のハイライトは、ウインドサーフィンの世界的な聖地・ホキーパ巡礼でした。
ぼく自身20代前半の頃、一時期ウインドサーフィンをしていたせいもあり、また近年新潟の五十嵐浜でサーフィンの写真を撮ることも少なくありません。
そんなぼくにとって、今回のマウイツアーでハレアカラとホキーパへ行くことが最大の目的だったのです。
この日のホキーパのコンディションは最高でした。浪は最大で4~5mはあり、風も理想的な貿易風が吹いています。
この日の感動をぼくは一生忘れないでしょう。来て良かった。そして、生きてて良かった!
真っ暗闇で星を見るのもいいけど、これ以上ない燦々たる太陽の光のもと、言葉の本当の意味で人間と自然とが一体化して奏でるシンフォニーを見るのも等しく感動的です。
思っていたより女性も多く、みんな筋骨隆々の鍛えられた身体をしていたのが印象的でした。
ここでは飛ぶのは当たり前。一回転するのもごく普通に行われます。
彼らのパフォーマンスは何時間見ていても飽きません。

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ホキーパビーチではあくまでウインドサーフィンが主流。
サーフィンをやっているのは地元の少年達がほとんどですが、一部20~30代の女性もいます。特に女性は少数派ながら、みなさん超うまいです。やはり鍛え上げられた素晴らしいボディーを持っています。
なんか渇!を入れられた思いです。ぼくもこうしてはいられません。シャキッとしなくちゃね。

Camera: Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM(1.4倍テレコン付き)

2009年10月21日 (水)

マウイ島1日目

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21日から4泊6日でハワイのマウイ島へ行ってきました。
予約をぐずぐずしていたら思うようなフライトが取れず、予定より一週間日本を発つのが遅れてしまいました。この日の月の出が20時半、翌日は21時半です。
天体写真を撮るには初日が一番のチャンス。しかし、思ったより現地は暑く湿度も90%あり、機内で全く寝れなかったせいもあり、早くもダウン気味。
とてもハレアカラまで車で上がる体力も気力もなく、初日はホテルの近くのラハイナの散策のみに終わってしまいました。
マウイ島のカパルア空港に降り立ったとたん、目の前に拡がる景色に心を奪われました。
眼前に横たわるラナイ島が素晴らしい。
この島はネイティブの人々にとっては聖なる島であり、かつてビルゲイツが島を借り切って結婚式を挙げたことでも知られています。
確かにその佇まいには神秘的なところがあり、強く惹かれました。

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ラハイナは実にいい町です。気に入りました。端から端まで10分もあれば歩けてしまうのですが、個人的にはこのくらいの規模の町が最も落ち着けます。
緑も多く、その暑さは半端じゃないもののそぞろ歩きが楽しいです。

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泊まったホテルはロイヤルラハイナリゾート。カアナパリ地区のリゾートホテルでは最も安いかも。でも、そこは一流ホテル。もともとハワイのホテルの質は世界的に見ても高いので大満足です。
数年前ハワイ島のヒロへ行ったときは予算をケチってスタンダードクラスのコテージへ泊まりましたが、エアコンがなく、死ぬ思いをしました。
ホテルの部屋から天の川を撮ってみました。
丁度大きめの三日月がいて座方向にあるのですが、それでもしっかりいて座の散光星雲が写っているのにはびっくり。
ISO3200、わずか20秒の露出でこれだけ写ります。周辺のホテル街の光害がすごいですが、それでも肉眼で多くの星が見えます。
2日後にハレアカラへ夕方上がる予定ですが、月が出ているもののどんな星空が見られるか、期待がふくらみます。

Camera: Canon EOS7D + Sigma 18-50mm F2.8 MACRO EX DC, 10-20mm F3.5 EX DC HSM

2009年10月17日 (土)

天体合宿5日目(ファイナル)

とうとう天体合宿も5日目に突入。好天も16日が最後となりそうです。
この日は個人的に下越で最もリラックスできる、開放的な雰囲気が特徴の旧朝日村天蓋高原へ。
昨日よりはシーイングが良くないけれど、満天の星空です。最高です。幸せです。
2台のカメラを同時進行で使うのは神経が疲れるので、この日は40D台のみ。
300mmの敷居の高さに懲りて、この日は200mmをチョイス。5-6分の露出だったらかなり歩留まりもいいので気が楽です。
撮影対象は二つ。ハート星雲と勾玉星雲です。ボーグ60EDで胎内市のTさんが素晴らしい写真を撮っておられるので、似たような焦点距離の200mm望遠レンズでも撮れるはず。
特に勾玉はここ数日撮っているのですが、どうも上手くいきません。
今日は露出をたっぷりかけて、なんとか星雲をあぶり出したいもの。

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勾玉はガイドが調子よくシャープに撮れたので、まずまずです。でも、画像処理は苦労しましたが。一方、ハート星雲は8枚くらい撮ったものの、なかなかシャープに撮れません。
極軸合わせって、本当にシビアですね。
でも、まあなんとか初期の目標は果たせたのであとはリラックスムード。
瞑想していたらカリフォルニア星雲のことが頭に浮かんだので、レンズを向けてみました。
そういえば、この星雲もまだじっくり撮ったことがありませんでした。

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そして、最後にプレアデス。200mmだと開放F値が4の300mmより露出をかけられるので、むしろこちらの方が上質に写ります。1枚だけだとそれでもノイズが見え隠れしますが、8枚くらいコンポするといい作品になりそうです。
でも、まだまだ天体用改造40Dを使い始めて3ヶ月。撮りたいものはたくさんあり、星野写真も撮りたいし、一つの対象に1時間も費やすのはノーサンキューです。
当面、一つの対象につき最大4枚ペースで行こうと思います。

追記:この日は0時前に急に曇ってきたので早めに撤収し、高坪山と胎内平経由で帰宅しました。高坪山の小長谷奥の斜面は道が悪くてUターンするのも一苦労。視界はそこそこ広いのでその点はいいのですが。
胎内平も深夜を回ると充分に暗くなるので、ぼく的には胎内で充分かな。(持倉周辺はどうも霧が停滞しやすいようで、気流が悪いようでした。)

2009年10月16日 (金)

天体合宿4日目

15日の夜の天気は3ヶ月に一度の快晴でした。湿度もそれほど高くなく、期待を抱かせてくれます。そういう千載一遇のチャンスの時はとっておきの場所へ行きたくなります。
で、選んだ先は山形県の飯豊山の山懐に抱かれた標高490mのT峠。
この日は初めてポー赤を2台持ちだし、トーストで300mmでメジャー天体を狙い、トーストプロで標準~広角レンズで星野写真という作戦。

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頭上には久々に見るコントラストの高い天の川。いて座の散光星雲や南斗七星もまだ見えます。これには感動。大気の透明度も高く、変な色被りもありません。
撮り始めて40分ぐらいして、一番星さんと遭遇。お互い奇遇を喜びました。
ところがイプシロンの大事なパーツを忘れてきたらしく、地団駄を踏んで悔しがる一番星さん。かわいそうに・・・
でも、サブのGPD赤道儀にタムロンのレンズを載せ、星野写真を撮り始めたのでした。
この日は間近で、パソコンを使っての撮影の一部始終を見せてもらい、大変勉強になりました。
ぼくの方はなぜか300mmのガイドがどうしても上手くいかず、途中でギブアップ。
まあ、肉眼でこの素晴らしい星空を瞼に焼き付ける方が先決と、一番星さんとのおしゃべり優先で楽しいひとときを過ごしたのでした。ありがとうございました。

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後半、一度はしまいかけたトーストをセッティングし直し、ちょうこくしつ座のNGC253を撮影。デネブカイトスのすぐ下にあるので、簡単に見つけることができました。
これより低空はさすがに透明度が悪かったので、もうひとつ狙っていたNGC300は撮ることができませんしたが、300mmで撮ると意外と大きく棒渦巻銀河が写ってくれたので大感動。おまけに球状星団のNGC288もしっかり写っています。
この日の一番の収穫となりました。(この写真だけ7Dによるもの。1枚撮りですが、40Dよりノイズが少なかったです。ただし、MRAWの場合。)

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あといろいろ撮ったのですが、4分でも微妙に流れます。おかしいなあ。
季節先取りで北東~東の空ばかり狙っていたので、西荷重となります。トーストでは特にバランスが重要とのことで、メーカーでは極力東荷重を心がけるようにアナウンスしていますが、こんなところにも原因があるのかもしれません。
東荷重のこの棒状銀河は一発で上手くいきましたから。
プレアデスとオリオンもかなり撮りましたが、写りはイマイチ。ぼてっとした写りになってしまいました。でも、雑誌で見るような淡い星雲の拡がりが写ったのでよしとしましょう。

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上は50mmレンズによるぎょっしゃ座全景、下は18mmでのオリオン全景とプレアデス星団です。
50mmでもオリオン全景を撮ってみたのですが、昨日のそれ以上にバーナードループが淡くしか写っていません。
あとで一番星さんが同じものを撮り、データを拝見したらF3.5、ISO800で6分の露出でした。ぼくはISOを欲張って400に設定したので、全然露出が足りないようです。
北アメリカより淡いので、同じセッティングではだめなのですね。この辺は経験を積んでいくしかありません。
深夜に入りますますいい空になったのですが、いかんせん4日目となって体力が残っていません。ガイドも上手くいかなかったので気力も途切れ、2時前には撤収しました。

Camera: Canon 天体用改造EOS40D & 7D + EF300mm F4L IS USM, Sigma 18-50mm F2.8 Macro EX DC, 10-20mm F3.5 EX DC HSM

2009年10月15日 (木)

天体合宿3日目

天気が日を追うごとに回復の兆しを見せてきました。
新潟市内の新潟中央インターから磐越自動車道を20分、三川インターで降りて五十島駅後方の山の尾根を上がると格好の展望台があります(9月16日の記事参照)。
この日は初めてそこでの撮影です。
標高は350mくらいしかないのに、下に雲海が既にできています。

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シーイングはまあまあ。でも湿気が多く、薄雲がひっきりなしに上空を行き来する状況。
今回初めてキャノンのEOS 7Dを使ってみたのですが、ダークフレーム・テストの良好な結果同様、実写でもノイズの少ないシャープな画像を得ることができました。
天体用に改造してある40Dと7Dとでプレアデスを撮り比べしてみたのですが、無改造機でもほとんど写りに差はないと言われながら、実際には少し色調が淡泊になるように感じました。
次の写真は40Dによるもの。この日は300mmのガイドの成功率が低く、コンポジットを念頭に6枚くらい300mmの望遠レンズで撮ったものの、流れのないのは2枚だけ。
よって、次の写真もコンポなしの1枚ものです。

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12時前には一気に雲海が波のようにこちらへ押し寄せてきたので、撤収を余儀なくされました。帰りも赤谷までずっと濃霧の中。標高2000mクラスの山ではさぞかし見事な星空が見えていることでしょう。
新発田の赤谷にはいると雲がないばかりか、今まで見たこともないくらいオリオン座が空にへばりついて見えます。こいつはすごい!
もうへとへとでしたが、この機会は今度いつ巡ってくるかわかりません。
2-3箇所場所探しをしながら、辿り着いた先は二王子山の麓の丘の上。二王子温泉病院がすぐ近くにあります。
オリオンを狙うのは来月からにしようと思っていましたが、おいでおいでをしているので50mmの標準レンズでバーナードループが入るよう、全体像を撮ってみました。

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オリオン以外の上の2枚は無改造機の7Dによるものです。
ちょっと写りは淡泊ですが、1000万画素に落として(M-RAW)撮っているものの、同じ画素数の40Dより解像感は高いようです。
午前3時前、三日月が登ってきたのでやめざるをえませんでしたが、新発田でこんな超絶的星空を見られるなんて、ちょっと感動ものでした。

Camera: Canon EOS7D&天体用改造40D + Canon EF300mm F4L IS USM, Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM, 18-50mm F2.8 Macro EX DC

2009年10月13日 (火)

300mm、8分の追尾に成功

乾いた空気が日本列島を覆い、今日は秋晴れの一日になるでしょうとのことだったので、今日こそはと遠征しました。
目指すは入広瀬村の浅草岳の標高800m地点にある大駐車場。ここなら光害は皆無のはず。
枝折峠より暗いかもしれません。行く途中栃尾の道院高原へ下見に立ち寄るも、この頃から雲がわざわさと空の半分を覆いだし、目的地を変更しなければならないことを実感(以前グレステンスキーの練習できたことがあるのですが、ここはいい場所です!)。
次に向かったところは福島県の西会津町。奥川地区の先月見つけた場所を目指したのだけど、やはり会津地方もいけません。全天曇っています。
次は奥三川のやはり先日見つけた尾根筋へ行こうとしたのですが、ここも麓まで来たところで断念。
昨年は10月に7回星の写真を撮りに行っているのですが、今年は今のところ9月も含めて晴天率が非常に悪いですね。
とまああきらめて赤谷経由で帰途についたのですが、あれあれ、どうしたことでしょう。
赤谷に入ると北東の空に星がたくさん瞬いています。今までの苦労はなんだったん?
じゃあと胎内スキー場近くの某所へ移動したのですが、誰かがラリー走法の練習をしています。ぼくの車が入ってきてもやめる気配はありません。
仕方ないので持倉集落郊外へ移動。あれあれ、もやってきました。
念のためと思い、今度は胎内平へ。もやが薄雲に変化してきて、西の方から一気に曇ってきました。
もう一度2km離れた持倉へ移動し、星の見え方の違いを観察。そうこうしているうちに全天曇ってきたので、最初行った風倉ゲレンデ入り口駐車場へ再度立ち寄り、帰ろうとしました。(やはり胎内周辺ではここが最も気流がいいようです。)
ところが例の車はいなくなっていたので、機材を速攻でセッティング。
全天薄雲に覆われまともに星を撮れる状況じゃなかったけれど、300mmを何分追尾させられるかの実験はできそうです。
いきなり6分から始めたら2枚とも成功しました。だけど、7分、8分は敷居が高いですね。
三脚の強度は充分です。その流れかたから判断すると極軸が微妙にあっていないことが原因かなあと。
北極星もやがて見えなくなったので、再度の極軸合わせもできなくなり、1時間くらいで帰りました。なので、それほど枚数は撮れなかったのですが、7分は50%、8分は20%くらいの成功率でした。ただし7-8分の主な被写体はオリオン。まだ低空にあるので、追尾精度が悪くなるのは自然なこと。だからあまり気にはしていませんが。

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白鳥座のサドルでテスト撮影。露出時間は6分。ほとんど本曇りのなかでの撮影です。
光害カットフィルターを使わなかったら、サドル付近だと認識できる写真にはなっていなかったことでしょう。
今までは300mmの望遠レンズでは3分が限界だったので、一気に倍まで露出時間を伸ばすことができました。

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23時45分を回ったところで、一時的に北東の空に星が見えだしました。でも、20分後にはまた雲の中。
ポータブル赤道儀を使い始めたのは昨年の8月からですが、天体写真用に改造したカメラを使い始めたのは今年の8月14日からです。
ですから、オリオンを改造カメラで撮ったらどういう写りになるか興味がありました。
薄雲の中での撮影にしては満足です。下は昨年の今頃、改造前の40Dで撮ったオリオンですが、やはり上の色合いの方が好みです。ディテールも良く出ています(今回改めて去年のそれも同じ手法で画像処理を施しました)。ちなみに、上のオリオンはISO640、F4.5、露出時間8分です。
あと、三脚座による1点支持でなく、2点支持にするとよりシャープになるかもしれません。
でも、ベルボンのレンズサポーター(SPT-1)を使うとカメラを回転させられなくなるのが難点です。

Cameara: Canon EOS40D(天体用改造) + EF300mm F4L IS USM

2009年10月10日 (土)

EOS7Dでサーフィンを撮る

先頃発売されたキャノンの7Dはスポーツ写真に最適です。
毎秒8コマ撮ることができ、オートフォーカス性能もプロ機の1D系並に進化。ファインダー倍率も1倍に上がり、まずは文句ありません。
ぼくが7Dを購入した動機も舞台やサーフィン、動物など、動くものを撮るためです。
さて、サーフィン撮影での使い勝手はいかに?

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雨の上がった午後から新潟の五十嵐浜へ出撃。いい感じで波が押し寄せています。
4-5分に1回は大波が来ます。

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毎秒8コマはすごく使いやすいですね。あまり多いとビデオとの差がなくなってくるし、個人的にこのくらいのコマ数がバランス的に万能だと思います。
AF性能は予想以上に進化していました。
1.4倍のテレコンを付けるとかなりまったりした動作になるのが常ですが、テレコン装着を意識させない俊敏さでピントが来ます。食いつきもよく、歩留まりは90%を超えました。
ちょっと露出がピーキー気味のところもなきにしもあらずですが、いいカメラです。
画素数が非常に多いので、先日のコンサート撮影も今回もサイズはMを選んでいます。
その方がノイズも減少し、画質も上がることはいろいろなサイトでレポートされているところ。
でも、そろそろキャノンでも高感度に性能を振ったモデルが出てきてもいいと思うのだけど・・・

Camera: Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM (1.4倍テレコン付き)

2009年10月 9日 (金)

市島邸を撮る

新発田市豊浦に立つ市島邸は、敷地8000坪、建坪600坪の豪農の館。明治初期の建築で、県の文化財に指定されています。
下越にはこのような豪農の館が何軒もあり、一般に公開されているのは嬉しいことです。
1年に2-3回はこれら豪農の館へ半分写真撮りに、半分なごみに来ます。
同じ部屋を撮っても、毎回同じアングルから撮っている部屋もあれば、毎回違う絵を撮っている部屋もあり、面白いですね。
伝統家屋や日本建築を撮るのは大好きです。
ぼくは個人的にディストーションが誇張される魚眼レンズは好きではありません。
できるだけ歪みの少ないレンズで、直線を直線として(もちろんきちんと平行を取った上で)びしっと描写するのが好み。
ところがこのような古い建物は床も柱も歪んでいるので、なかなかきちっと決まってくれません。そこがまたいいんですけど。
パソコンで画像処理するときも、できるだけ傾きや歪みを補正する処理をします。

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今回のお気に入りは屏風の写真。
かなり厳密にセッティングして撮りました。構図を決めるために屏風とゆっくり向かい合うひとときに至福を感じました。

Camera: Canon EOS50D + Sigma 18-50mm F2.8 MACRO EX DC

2009年10月 8日 (木)

温室内は花盛り

台風も何のその、新潟県立植物園の温室はたくさんの花が咲き誇っていました。

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花を付けない普通の熱帯植物たちも、今日はなんだかイキイキとしていました。
熱帯チック?な嵐だからでしょうかね。

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この3つの花はダチュラ。熱帯性のチョウセンアサガオです。温帯性のものは花が小ぶりで色は白。これらは新潟県でも自生していますが、熱帯性のこのような巨大なラッパ型の花を付けるタイプは日本では九州にしか見られません。
メキシコが原産で、古来シャーマンの人たちに力の植物として儀式などに用いられてきました。強い芳香があり、見た目がゴージャスなので近年園芸植物として日本では人気があります。
オーラ視のできる人が観ると、人間と同じくらいの大きさのオーラフィールドが観察できます。

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温室の出口のテーブルにザクロが置いてありました。
子供の頃、近所にザクロの木があり、毎年こっそり取って食べていました。
それゆえ、なんであんなにザクロジュースが高いのか、理解できません。
秋と言えばイチジクも有名ですが、庭にイチジクの木があったので、やはり毎年いやになるくらい食べまくっていました。なので、スーパーでお金を出して買う気がしません。

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Camera: Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM

2009年10月 6日 (火)

新潟版ターシャ・テューダーのガーデン再び

新潟市濁川公園に隣接している市民分区園(市民農園のようなもの)には、妖精が潜んでいます(5月28日の記事参照)。
あれ以来の訪問でしたが、農園はすっかりコスモスに覆われ、ススキや露草も目立つようになっていました。もう秋なんですね。
やっぱりここは素晴らしいです。
かなり雑然としているのだけど、不思議な調和が保たれています。
来るたびに思い起こすのは、あのターシャ・テューダーの庭です。
今日もターシャ・テューダーと同年配のおばさん達が花の手入れに汗を流していました。

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2009年10月 5日 (月)

和楽器の心髄に触れる

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知人の依頼で、新潟市民芸術文化会館、通称りゅうとぴあで10月4日行われた和楽器集団”ぐるーぷ新潟”の第10回記念コンサートの写真を撮ってきました。
2時間20分に及ぶ本格的なコンサートを聞くのは、ジャンルを問わず久し振り。
思った以上に素晴らしかったです。単にプロとかアマとかカテゴリー分けするのは無意味に思えてしまうほど。日本人に生まれて良かった!
特に初めて生で聞く琵琶の幽玄な音色にはしびれました。

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立ちながら生け花をいけ、ステージの反対側では抹茶のお手前が同時進行。
ステージ中央では三味線の演奏が行われるなど独創性に富んだ演目が多く、飽きることがありませんでした。
ぼくの母も生前は生け花の先生だったのですが、改めて華道も素晴らしいと思いました。
(この演目では気が付くと、立花のパフォーマンスを最も多く撮っていました。)
下の写真はグループの中心的存在、尺八の朝倉劫山氏。
今回のぼくの依頼者はこの方の息子さんなのです。
演奏中手元にずっと注目していました。というのも、手元からゆらゆらとオーラのようなものが立ちのぼっているのが見えたからです。さて、その手は必要最小限の動きしかしません。
その動きも極めて滑らか、風のようにしなやかで、力みや強い自己主張がありません。
指が非常に柔らかそう。ぼくは20年くらい前、大ファンである画家の横尾忠則氏と握手したことがあるのですが、そのときの感触を思い起こしました。
朝倉さんも横尾さんも、手の平から慈悲もしくは慈愛が溢れ出ているのでした。

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2009年10月 3日 (土)

秋バラとハザ木のある風景

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入手したばかりのカメラボディーとレンズを持って、長岡市の越後丘陵公園へテスト撮影しに行ってきました。
秋バラはまだ咲き始めといったところでしたが、昨年から大改築していたイングリッシュガーデンがいい感じで仕上がっており、こちらに植栽されている植物の方を多く撮りました。
それにしても、四季咲き性のバラだったら秋にも咲くのは当たり前ですが、思ったより花数の多いことにびっくり。
やはりきちんと手入れして花に愛情を注いでいれば、花はそれに答えるんですね。
一方、自分の庭を省みると・・・もうバラさんたちは雑草に埋もれています。ご、ごめんなさい。肥やしも夏以降全然与えていません。ひー、許して。

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帰りに旧西川町の郊外へ立ち寄ってみました。ハザ木並木の風景を見るためです。
ハザ木とは、刈り取った稲を乾燥させるために田んぼに沿って植えられている木のこと。
秋の越後平野には、今なお、こうした昔懐かしい日本の風景が残っています。

Camera: Canon EOS7D + EF100mm F2.8L IS USM & Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM

2009年10月 2日 (金)

試写

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台湾のFEISOL社から注文していたパノラマベースが届きました。
これは架台ベース部の直径が90mmあるGITZOの4型三脚に合わせて、既に持っている70mmのパノラマベースに追加して注文したもの。
直径2cm違うだけですが重量は400gほど重く、しっかりした剛性感があります。
ただ個体差なのか、クランプを締めると若干本体が上下し、ほぼ完璧な70mmのPB-70に比べややスムーズさにかけるきらいあり。
三脚にもオプション購入したスパイク石突きを取り付け、早速室内で組み立ててみました。

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実際に300mmの望遠レンズを付けたカメラを雲台に取り付けてみましたが、いい感じ。
今までの組み合わせで一番がたが少ないです。これは期待持てます。
昼間あまりにもいい天気だったので、月が出てはいるけど実際に試写してみたくて夜胎内へ行ってきました。

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ところが、日が暮れると一気に雲が湧きだし、特に北の空は全面曇ってしまいました。北極星もカシオペアも見えません。神林村に移動したのですが余計曇ってきたので、再び胎内へ。
持倉集落郊外の農道でセットアップし、北極星の代わりに同じような高度にある南の空の木星をポーラーファインダーで覗いてみました。
懸念していたパノラマベースの歪みも、実際に総重量5kgオーバーになる機材を載せるとほぼ解消。とてもスムーズに、かつ正確に木星の導入に成功。
次に月にカメラを向けてみました。カメラ側自由雲台のクランプを締めたときにもほとんどずれが生じず、一段増した安定感を実感。

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持倉集落郊外の農道から、ヘンな形の雲と稲刈りの終わったばかりの田んぼをパチリ。
この場所、胎内平から2kmしか離れていないのだけど、より空が広くちょっとだけ暗いのでたまに立ち寄ります。しかし霧が発生しやすい地形らしく、いつも天気はイマイチ。
この日、深夜に入ると雲は消滅し始めました。
2時にトイレに起きたとき外に出てみると、ありゃー、快晴に近い状態です。オリオンが高コントラストで見えます。
2時40分ぐらいに月が沈むので、この日の明け方にかけては素晴らしいコンディションだったことでしょう。オリオンにおやすみを言いながら、後ろ髪引かれる思いで再び布団に潜り込んだのでした。

2009年10月 1日 (木)

渡部佳規さんの写真展

昨日の夕方、新潟県立図書館へ英語の勉強しに行ったら(1階のロビーの机で自由に学習することができるのでよく行きます)、偶然渡部佳規さんの写真展をやっていました。
新潟県には星好きの人が多いんですね。
どの写真も明るい広角レンズ(多分キャノンF1.4 24mmと1D系もしくは5Dの組み合わせ)による星野写真です。赤道儀は使わず、カメラの感度を最高に上げ、明るい単焦点レンズの絞りを開放気味にして20~30秒ほど露出。そんなとこでしょう。
星々と地上の風景を両方うまく写し取っています。
素晴らしいです。どの写真も星達から生命力が吹き込まれています。心の琴線に触れる写真ばかりでした。
ロケ地も旧朝日村や新発田市、阿賀町など馴染みの場所ばかり。
秋田県の名瀑・安の滝の写真を見つけたときは嬉しくなってしまいました。
ぼくもかなり無茶なことしているけど(夜中に山登りしたり)、渡部さんも夜中に安の滝くんだりまで(もの凄い山の中にあります)ハイキングしたり、気合い入っていますね。

さて、今日は朝から覚えたばかりのデジタル・デフュージョン(拡散)処理を練習していました。最近撮ったなかで比較的シャープに写った写真をチョイスし、この処理を色々パラメーターを変えながら施してみました。
今までもフィルターの効果を弱めるために、露出時間が3分だとしたら1分たったところでフィルターをぱっとはずす(すぐ取り去れるよう、ねじ込んでは起きません。かぶせておくだけ)ような小技を使ってきました。
この小技を使ったときの効果が適度で自分では気に入っているのですが、それと全く同じ絵にはなりません。ちょっと別物ですね。
広角レンズによる星野写真では効果的に魅せることが難しいかもしれませんが、中望遠~望遠レンズの画角だとうまく効果がはまるようです。
ちょっと自分でも驚きました。
以下の写真がそうですが、全て1枚撮り、ダーク&フラット補正なしです。
ノイズが目立たなくなる効果もあるので、散光星雲にはうってつけかもしれません。

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南の天の川ですが、ノーマル処理より星がきらきら輝いています。一歩間違うと煩くなりますが、個人的にはあまり気になりません。星って輝いてこそ星ですから。

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これは今年6月中旬、改造前の40Dで撮った天の川の写真です。
場所は胎内。確かにこのときの条件も良かったのですが、マウナケアで見るようなコントラストの強い天の川が出現しました。

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これはついこないだ撮ったカリフォルニア星雲。オリジナルは露出不足だったのですが、この処理はそんな画像にも効果大です。適度なデフューズがノイズを目立たなくし、明るさをアップさせています。同時に星の輝きに命を吹き込んでいるようにも思えます。

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今日処理した中で一番ツボにはまったのが、白鳥座の北アメリカ星雲です。
今ぼくは有頂天のまっただ中。今夜は良い夢を見れそうです。

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