つかの間の聖夜
11月26日、やっと新潟県に晴れの天気予報が出ました。
10月以降新月の前後は悪天続きだったパターンが今月も続いていますが、これがひょっとしたら年内最後のチャンスかもしれません。
で、向かった先は村上市の山奥、天蓋高原。
ここを含む朝日連峰西南部は、地球の闇夜を撮った衛星画像でも極めて暗いことが確認でき、こんな貴重な場所に車で1時間15分で来れる幸せを噛みしめています。
今日は満を持して、ポータブル赤道儀の雄・TOASTで300mmの望遠レンズを扱うべく、ここ2ヶ月の経験を生かし、新たに購入したマンフロットの雲台ジュニアギアヘッドと、ケンコーのスカイメモR用の微動マウント付きアルミ三脚を用意して臨んだのでした。
夜6時半、天蓋高原はやや薄雲が流れる中、先月行った山形県樽口峠で見た星空に次ぐ素晴らしい満天の星空に恵まれました。
実は樽口峠に行こうかどうしようか迷ったのですが、もう既にあんな山奥の道は雪に覆われている可能性があります。
で、こちらに来たのだけど、こちらの広域農道も道の両脇には大きな雪のブロックがごろごろしており、山は40cmほどの雪に覆われています。
除雪車が通っていなかったらアウトでした。危ない危ない。
ところが今日は災難続きでした。
まず、30分でケンコーの三脚が壊れました。詳細は書きませんが、部品の強度に問題があるようで、もう二度とケンコー製品は使いたくありません。同じグループ企業のトキナーが最近は優秀なレンズを続々発売しているだけに、もう少し節度を持った商品開発をしてもらいたいものです。
もうひとつ、これはぼくのミスなんだけど、TOASTの切り替えスイッチがいつのまにか星景モードに入っていたのに気づかず撮影してしまい、それに気づいたときは既に雲が出始め、好機を逃したのでした。
ばっちり極軸合わせをしたはずなんだけど、どうしても星が思い切り流れて写ってしまいます。広角レンズで撮ってもやはり流れるので、さては早くもモーターがいかれたか、それとも北極星以外の星に合わせてしまったか、悩むこと40分。
時既に遅しという次第。
でも、その後開き直って晴れている間にこの素晴らしい星空を満喫しようと、こちらも天体観測用に追加購入した星見では定番の7X50ポロプリズム式双眼鏡を取りだし、しばし星空鑑賞。
なぜこの機種が定番といわれるのかよくわかりました。
この完璧な暗さのもとではひとみ径7mmの威力がいかんなく発揮され、今まで確認できなかった星雲や銀河が手に取るようにわかります。これはすごい!
アンドロメダも大迫力、やはり今まではなんとか見えるか見えないかといった感じだったM33がはっきりわかります。
買ったばかりのケンコーの三脚は壊れてしまったけれど、来て良かったと思いました。
今日は予備の三脚はジッツォの1型しか持ってきてなかったのですが、これでは強度的に不足と知りながらも星野写真撮るだけだったら大丈夫だろうと強引にセッティング、晴れ間を見て超広角ズームレンズで星野写真を撮ったのでした。
やはり三脚の強度不足は否めず、画像周辺の星像がどうしても細長くなりがちだったんですが、それでもいい感じで撮れたと思います。
今日は地上風景を入れながら撮ったのでいつもの技、複数枚コンポジットはできません。
なので、全て1枚撮り。
気温が低いのでノイズは思ったより少なく(デジカメのノイズは気温が10度を超えるとどんどん増えていきます)、結局家に帰ってからも徹夜でRAW現像をしてみたり。
マンフロットのこの雲台、トーストのHPで知ったのですが、使い勝手は抜群でした。
100~300mmの三脚座付き望遠レンズだったら、構図がぴたりと決まります。
二軸改造していますが、シロートでも簡単にできました。
ただし、広角レンズでの星野写真はやはり自由雲台の方が使いやすいので、この日はマンフロットの出番は最初の20分しかありませんでしたが。
肉眼ではわからなかったのですが、村上市や新発田市が控える南西方面は、少し地平線近く色被りが生じました。
それ以外の方角は限りなくニュートラルグレイで撮れました。
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